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歌誌「歌壇」2008-1月号を、短歌作品を中心に読みおえる。
学生特集、新人特集、中堅特集を大々的にやればよい。いつまでもピラミッド構造を信じていると、綜合歌誌(詩の場合は商業詩誌とはっきり言う)も閉塞しかねない。
歌誌「コスモス」2008-1月号を、予定していた所まで読む。「月集特別作品」、「月集スバル」、「月集シリウス」、「その一集特選欄」、「COSMOS集」、「新・扇状地」、ほか少々。
発行人の、90歳を越えられた宮英子さんの作品が若わかしい。
張籠二三枝さん(はりこ・ふみえ さん)の短篇小説集「片手を腰に」を読みおえる。「片手を腰に」「「ピアスと花束」「秋風引」「姥捨」「落丁」「遠い町」「鷗の町」の7篇が収められている。本の題名、カバーイラスト、帯文などから、ユーモア小説ぽい明るい小説が多いのかと思っていたら、深刻なストーリーばかりだった。標題作の「片手を腰に」からが、学校の募集で内申書のポイント稼ぎのボランティアではなく本当の(自発的な人助けの)ボランティアをして元気のでた高校生の話である。夫を亡くした女性、文学青年の自殺、母の老耄、引きこもりの青年との関わりなどが描かれている。なかでも一番の力作は「遠い町」で、両親のいない青年とその一族の複雑な関係を綴っている。彼女はそういった、込み入った心理を描ける人だから、その方面をもっと活かしてほしいというのが、彼女への希望である。
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