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詩人の砂川公子さんが新刊詩集「櫂の音」(北陸現代詩人シリーズ 能登印刷出版部・刊)を送ってくださった。彼女は石川県・在住で、福井県詩人懇話会の催しなどにしばしば参加されて、僕もお会いしたことはあるが、言葉をかわした覚えはない。それに懇話会の役職(幹事、事務局員、「詩集ふくい」編集委員)を昨年5月に降りているので、なぜ僕に詩集を送ってくださったかわからないが、その事はありがたい事である。
作風は、重層的な暗喩、言葉のうねりなど、本格的である。
「日本の古本屋」を通して「板沢書房」に注文していた、「浜田到歌集」(現代歌人文庫⑤、国文社)が届いた。思っていたよりも、前衛的な歌人のようだ。詩、批評を含めて、1冊の本で彼の創作のおおよそがわかるのは、49歳の若さで亡くなった彼には申し訳ないが、ありがたい事である。
僕が参加している同人詩誌「青魚(せいぎょ)」の第68号が出来てきた。B5判、たて2段、69ページ。僕は「年末に」「ケーキ」「草の声」「なさけない」、4篇のソネットを寄せている。巻頭2ページで恐縮である。同人費は1ページあたり幾ら、何ページにわたってもよく、津田幸男さんは「憂国でなく憂人である」他18篇(10ページ)、沙門誓道さんは「かぜ」ほか長短49篇(37ページ)を載せている。
詩「水の時間」全15連より、最初の連のみ紹介する。
水の時間
栗波和夫
半島から吹き寄せられた
きれぎれの族譜をたよりに
朽木村を越えた 金さん
異族の地 草深き川沿いの荒地に
携えた文明
携え得なかった思い
(後略)
ボードレール「悪の華」(安藤元雄・訳、集英社文庫)を読みおえる。これまで親しんだ堀口大学・訳は、旧かな、やや大時代的、5音句7音句が多いなどの点があったが、安藤元雄・訳はかなり現代的である。たとえば女性への呼びかけが、大学・訳では「おん身」の所を安藤・訳では「あなた」となっている。
内容的には、女性に捧げた詩、詩人の悲惨をうたった作品などが印象的で、詩集名にあるような「悪への志向」はあまり感じられない。もっとも「サタンへの連祷」等の作品もあるのだが、本気かどうかわからない。
今回より写真の画素数を、これまでの2倍にした。このブログで使える容量が、100メガより一気に2ギガになったからである。(ブログが6ヶ月続いて、規定に反するような内容もなかったからか?)。それできれいな写真を撮れるとは、僕の腕では言えない。
歌誌「歌壇」2007-12月号を読む。特集「方角を詠んだ歌」は、今の僕にはそんなに面白くない。伊藤一彦、花山多佳子、両氏の20首連載が1年を経ておわるのは淋しい。前登志夫氏の10首連載は続くようだ。
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