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2008年9月の26件の記事

2008年9月30日 (火)

歌集「子午線の風」

005  兵庫県明石市に在住の歌人・小坂喜久代さん(「コスモス」「棧橋」所属)が、第1歌集「子午線の風」を送ってくださった。

 「ここには人生がある」と感動した。

言ひたきを言ひて笑ひに変へてゆくしたたかさあり私のなかに

 このような「したたかさ」を、僕は好まない。真正面からぶつかるか、勝ち目のないときはかわしたい。

 106ページ初めの歌、

万博公園三十年終て寒々し「太陽の塔」のうしろ姿は

の「終て」は、「経て」を誤ったものだろうか。

 彼女は50歳を過ぎて大学入学・卒業している。また二人の娘さんが結婚し、それぞれお孫さんも生まれている。定年を迎え、充実した生活を送り、第1歌集を上梓した。そのような彼女に、僕は嫉妬しているのだろうか。

2008年9月29日 (月)

沢村貞子「わたしの献立日記」

003  女優・沢村貞子さんの「わたしの献立日記」を読みおえる。新潮文庫、平成10年4刷。

 本のエッセイ風の文章は読んだが、多くを占める献立表は、我が家で参考にしないので、読まなかった。

 女優の忙しい身でありながら、家庭料理を大事にした心栄えがしのばれる。

 自慢らしいところも幾つかあるが、家庭料理のことだし、古い話で、たあいないものである。

2008年9月28日 (日)

鷺沢萠の文庫本・他

 理髪の帰りに、久しぶりに「BOOK OFF 板垣店」に寄った。

 6冊を買うも、特価品みたいなのばかりで、小さな出費だった。以下に列挙する。

  • 三木卓「野いばらの衣」(講談社)
  • 鷺沢萠「愛してる」(角川文庫)
  • 同「海の鳥・空の魚」(同)
  • 同「バイバイ」(同)
  • 同「F」(同)
  • 同「そんなつもりじゃなかったんです」(同)

 三木卓は、詩より小説に移って、かなり成功した作家である。

 鷺沢萠は、2004年に、若くして亡くなっている。

2008年9月27日 (土)

「立原道造詩集」

003  角川文庫「立原道造詩集」(昭和34年、17版)を読みおえる。カバーなし。裏表紙見返しに旧蔵者の記名を消した跡あり。

 僕は高校生時代に彼の詩に出会っていらい、何度も詩集を読み直して今でも、彼の青春の吐息のような詩が好きだ。メタボ気味のおじさんに似合わないかも知れないが。

 巻末の年譜によると、彼は1939年、24歳の若さで亡くなっている。

 1節を引く。

僕らは すべてを 死なせねばならない

なぜ? 理由もなく まじめに!

選ぶことなく 孤独でなく-

しかしたうたう何かがのこるまで

        「風に寄せて その二」より

 第2次世界大戦へ入ってゆく時代の、青年の思いが込められているのだろうか。

 彼の詩で1番好きなフレーズは、次ぎの1節だ。

ある日 悲哀が私をうたはせ

否定が 私を酔はせたときに

すべてはとほくに 美しい

色あひをして 見えてゐた

       「午後に」より

 

2008年9月22日 (月)

サン=テグジュペリ「城砦」他

005  「日本の古本屋」を通して、ある古書店(名前を失念)に注文していた「サン=テグジュペリ著作集」(みすず書房、1974年10刷、7冊本)第1~3巻「城砦」(3冊揃い)と、神奈川県の古書店「文雅新泉堂」に注文していた「サン=テグジュペリ著作集」(みすず書房、1987年、12冊本)第4巻「母への手紙・若き日の手紙」が、ようやく届いた。

 12冊本揃いは古書界で高くて買えないが、1974年7冊本には「城砦」3冊以外の小説は含まれていなくて、それらを他の本で読んだり所有したりしている人、または僕のように「サン=テグジュペリ・コレクション」を持っている人には、補完著作として、宜しいかも知れない。

 写真は4冊の箱の背である。

2008年9月21日 (日)

買い物あれこれ

 日曜日の今日は、3ケ所をまわって、買い物をした。

 まずパワーセンター(商店集合地)「ワッセ」にある、事務用品店「Office Work」で、プラチナ万年筆(軸に子羊の皮を巻いたもの。10年くらい使っている)のスペアインク(ブルーブラック)1箱を買う。予備がなくなったため。

 次ぎに「ワッセ」内の「勝木書店」で「歌壇」10月号を買う。竹の子さんが下さった図書カードを使いきる。

 同店内の「古本センター」にて、「立原道造詩集」(中村真一郎・編、角川文庫、1959年17版、年代にしては美本)と、プリニエ「醜女の日記」(関義・訳、新潮文庫、1985年、35刷)を買った

 立原道造は僕の最も好きな詩人で、文庫本をぱらぱらめくると、初めて読んだ高校文芸部員時代の感激がよみがえってくる。角川版の全集(6冊、旧版)を読んだこともあるが、彼の良さを知るには、この文庫本1冊でよい。

 プリニエの「醜女の日記」は、以前から読んでみたかったもの。

 M眼鏡店にて、1週間前に検査・注文した、遠近両用眼鏡を受け取る。これまでのものに、レンズの傷が多くなり、近視の左右の視力が違っており、また老眼の度が進んだためである。以前と比べて安く買えた。ここ1ヶ月内に、腕時計、通勤用の靴も新調したので、かなりの出費だ。

 

2008年9月20日 (土)

図録「上海博物館展」

006  図録「上海博物館展」(2003年、大広・刊)を見おえる。

 青銅器、一部の陶磁器なども良いが、「故宮博物館展」図録の時と同じように、玉器に惹かれる。ダイヤやルビーなどの宝石とは違うが、美しい石を細緻に加工して、装身具や副葬品に用いるのは、美しい心栄えである。

 書(図版は少ない)はまだ良いが、絵画がいけない。奇景や花鳥は、カラー写真のほうが、まだましに思えてくる。当時はそれは無かったが、画家の技術や苦心を、現代の技術ははっきりと乗り越えてしまっている。

2008年9月19日 (金)

「世界の祭り&衣装」

002  写真集「世界の祭り&衣装」(1986年、グラフィック社・刊)を見おえる。

 大人たちに混じって、モデルには少年少女も多い。

 衣装や飾り物の重そうなものから、肌の露出の多い「リオのカーニバル」まで、様ざまである。

 僕はあまり地元の祭りに参加したり見物したりしないが、祭りはよいものだ。

 「風の盆」など、残生に1度は見物したいと思う。

2008年9月18日 (木)

句集「常念快晴」

002  牧羊社「現代俳句選集Ⅵ-8」西山冬青・句集「常念快晴」を読みおえる。

 箱、帯、本体にビニールカバー。

 彼は昭和17、8年頃に句作を始め、平成元年にようやく、この第1句集を上梓している。俳誌「穂高」を長く主宰し、昭和48年に、仲間に主宰の座を譲った。

 比喩や新しい見立てなどの芸が目につくが、僕の好む句は、家庭の日常を吟じた作である。以下に、数句を引く。

畳這う蟻に九月の山の風

寒卵餓えつつ産めり妻の留守

新藁に乗せて日和も売られたり

無月かな些事つぶやいて庭の妻

 これで、20冊ほど僕の持っている「現代俳句選集Ⅵ」シリーズも、全部を読みおえた。

2008年9月17日 (水)

沢村貞子「わたしの三面鏡」

001  女優の沢村貞子さんのエッセイ集「わたしの三面鏡」(朝日文庫、1996年3刷)を読みおえる。彼女のエッセイ集はこれまでに、何冊か読んでいる。

 老醜を見せまいと縷々と述べているところ、かえって老いのグチのようで、僕にはおかしい。

 晩年の彼女が数冊のエッセイ集を書き、それらが広く読まれたことは、彼女にとって幸せなことだったと思う。彼女が述べているとおり、まさに「老いの入り舞い」(老人になってから最後の花を咲かせること。また老後の安楽)であった。

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