« 2008年11月 | メイン | 2009年1月 »

2008年12月の30件の記事

2008年12月31日 (水)

同人詩誌「青魚」№70

002  僕が参加している同人詩誌「青魚(せいぎょ)」の№70が出来上がってきた。

 B5判、113ページ、同人15名。鯖江市・在住の同人が中心で、他に福井市、越前市、勝山市の同人が加わり、県外の同人もいる。なお誌名の「青魚」は、「鯖」の字を分解したものである。

 70号記年号ということで、同人以外の方より、エッセイや詩作品を頂いている。また目次一覧「詩誌『青魚』12年のご縁を振り返って 第51号~第70号」と、「青魚同人 著作一覧」を載せている。

 僕はソネット「昼休み」「先輩」「差し入れ」「湯栓」4編を載せてもらった。2段2ページ。良く言って、ヘタウマの作品である。

 皆さま、佳いお年をお迎えください。

2008年12月30日 (火)

「木下杢太郎日記」

004  古書店連合サイト「日本の古本屋」を通して、福岡県の「古本センター」に注文した本、「木下杢太郎日記」5冊揃いが届いた。

 1979年頃、岩波書店・刊。

 この5冊を2,300円で買ったのだが、「日本の古本屋」のこの集の一覧では、2,300円から12、000円までの値段が付いていた。

 僕に届いた本には、箱に染みがあったが、初めからカバーや帯は無かったようである。

 するとこの値幅は、本の状態によるのではなく、古書店主の評価の差だと思われる。

 文学史的に、また当時の世相を覗うに、貴重な本だと見るか、1線級ではない詩人(現在の評価では)の日常些事が述べられていると見るか、評価が様ざまなのだろう。

 写真は、5冊の箱の背である。

 今日ようやく、1年の仕事を納めた。忙しかったが、数年前よりはずっと楽で、様変わりの作業量だった。

2008年12月29日 (月)

オマル・ハイヤーム作「ルバイヤート」

001  オマル・ハイヤーム作「ルバイヤート」を読みおえる。

 小川亮作・訳、岩波文庫、1987年34刷。

 帯つき、173ページ。

 この本には、11世紀ペルシアの詩人、オアマル・ハイヤームの作った(疑念を残す作もある)、ルバイヤート(4行詩の1形式)の143篇が収められている。

 彼はこの集で、人生のむなしさ、はかなさを歌い、酒と恋による慰めを歌っているが、なにか楽しそうな書き振りだ。

 巻末の解説は長文で、オマル・ハイヤームの生涯、彼のルバイヤートが世に広まった経緯、邦訳の歴史、ルバイヤートの韻などが述べられているが、僕はそれらにあまり興味がないので、ほとんど読まなかった。

 僕の最もお気に入りの1篇を、以下に引く。

  ルバイヤート 35

若き日の絵巻は早も閉じてしまった、

命の春はいつのまにか暮れてしまった。

青春という命の季節は、いつ来て

いつ去るともなしに、過ぎてしまった。

2008年12月28日 (日)

同人詩誌「角」第16号

005  敦賀市に在住の詩人・岡崎純さん(「福井県詩人懇話会」代表)が、同人詩誌「角」第16号を送って下さった。

 「角」の同人は、おもに若狭の書き手である。

 岡崎さんは、詩「かぼちゃの根」を寄せていて、かぼちゃの根に芽つぎしたきゅうりの苗は、かぼちゃの性質が出ると書いて、終末の3行、

かぼちゃのつもりで

きゅうりを次つぎと

実らせている

は、貶しているのか、感心しているのか。

 誌中、最も高度な(優れているかどうかとは、別の観点)詩と思われる、玉井常光さんの「海の時間」より、初めの2行のみを引く。

     海の時間

           玉井常光

海にはまろやかな時間がある

寄せてくる白い言葉と引いていくたたずむ心

 家高勝さんは、「僕の懐かしシネマ館 5」と題する長文で、フェリーニ監督の作品を、熱っぽく語っている。

2008年12月27日 (土)

江國香織「こうばしい日々」

001  江國香織「こうばしい日々」(新潮文庫、平成7年・刊)を読みおえる。

 この本には、「こうばしい日々」「綿菓子」の二つの中篇小説が収められている。

 児童文学出身の彼女らしく、「こうばしい日々」はアメリカ在住の日本人男子・大介(通称ダイ、11歳)、「綿菓子」は中学生(?)みのりの、それぞれ幼い恋の物語である。

 男子の恋は、好奇心みたいなもので単純だが、女子の恋は、純情から生涯のことまで、複雑だと思う。

 主人公の周囲の人たちも、魅力的に描かれている。

 なお両篇とも、ハッピーエンドかそれに近い形で終わっているが、それにこだわる必要はなかったのではないか。人生には、ハッピーに終わらない事も多いのだから。

2008年12月26日 (金)

同人詩誌「木立ち」第102号

002  こぐま星座さんが、福井県内の書き手を中心とする同人詩誌「木立ち」の、第102号を送って下さった。

 こぐま星座さんは、僕が編集する二人詩誌「群青」の相棒だけれど、「木立ち」にも第101号より参加したのである。

 同人9名、8篇の詩と1篇のエッセイを載せている。

 こぐま星座さんの詩「河和田漆器『こま膳』」は、落蝉を特攻機に喩え、己が身になぞらえている。

 川上明日夫さんの「月草」は、1行の字数を1定にした、特異な詩である。亡くなった詩人・広部英一さん(元「木立ち」編集発行人)の晩年の作風を発展させたものだろう。

 「シアン」を寄せている中島悦子さんは、先ごろ上梓した詩集「マッチ売りの偽書」で、声価を高めた。

2008年12月25日 (木)

1,500件に達する

 先日、文庫本蔵書のデータベースへの入力が、1,500件に達した。

 今年9月4日のブログ(カテゴリは「本・新聞」)で、「1,300件に到る」という題の記事を載せているから、入力は遅々としている。他にする事がない暇に打ち込んでいるからである。

 文庫本蔵書データベースは、今年うちにどころか、年度末の3月末にも、終わりそうにない。

 文庫本蔵書は、これまでの予想の2,000冊を越えて、2,500冊くらいになりそうである。しかも、文庫本の全集(「宮沢賢治全集」10冊など)や、全集端本(「岡本かの子全集」端本など)を、除いての数である。

2008年12月24日 (水)

「リルケ全集Ⅰ 詩集Ⅰ」

003  弥生書房「リルケ全集」(7冊本、昭和48年頃・刊)の第1巻「詩集Ⅰ」を読みおえる。

 箱、箱に紙カバー、551ページ。

 この「詩集Ⅰ」には、7冊の詩集が収められている。

 リルケは、思想的には、封建主義的・キリスト教的な反動のようである。たとえば、貧しさの賛美など。

 しかしリルケの偉大さは、それにはかかわらず、社会的事象には一切関わらずに内面を見詰めて創作を続けた、詩人の典型だったことにある。

 7詩集のうち、僕は「初期詩集」と「マリアの生涯」に、好感を持った。

 「初期詩集」では、娘たちの心情を代弁して清しく、「マリアの生涯」は厳粛である。

 この続きも、これまでと同じく、応接間のソファーで煙草を吸いながら、少しずつ読むことになるだろう。

2008年12月23日 (火)

島由紀子「船路」

003  牧羊社「現代俳句選集Ⅵ-45」島由紀子・句集「船路」を、読みおえる。平成3年・刊。

 箱、帯、本体にパラフィン紙カバー。

 1ページ2句、241ページ。

 父親が戦死し、母親に育てられ、結婚したが夫は38歳の若さで急逝、のちに頼りの母親も亡くなるという、苦労のなかで、俳句に出会いいそしむことで生を潜り抜けてきた彼女の、第1句集である。

 どうも第3句を、名詞で止めた作品が多いようだ。残りも、かな・たり・けり・の切れ字で止めた句があり、動詞・形容詞・助詞・で止めた句がほとんど無い。名詞で止めると、句の据わりが良い。俳句は短歌と違うから、余情に流れるのを忌むのだろうが、気になって読み進みにくかった。

 以下に3句を引く。

月見船鳴門海峡折り返す

たてよこに水搏ち合へり夏の堰

左義長のけむり怒濤に紛れ入る

2008年12月22日 (月)

年末の買物

002 昨日、年末の買物をした。

 と言っても、喪中なので、注連縄や、年賀状に押す干支のスタンプは、買わなかった。

 ホームセンター「みった」にて、葉牡丹の3株寄せ植えを買う。門松は立てられないので、毎年、これを玄関脇に飾っている。

 同店で、携帯灰皿を買う。これまでの物が、傷んできたので。職場でも、煙草を吸いにくくなった。

 「カメラのキタムラ」で、ポケット・デジカメ用のケースを買う。これまでの物が汚れて、拭いても汚れが取れないため。

 クリスマス・ケーキは、スーパーストア勤めの友人を通して、予約注文してある。

 拙作を1首

例年の如く葉牡丹飾り得つ年を迎へむこころ定まる

        「コスモス」1994年3月号より

 「コスモス」に入会して、初めて誌上に載った2首のうちの、1首である。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート