3誌の揃い踏み
今日、季刊同人歌誌「桟橋」101号が届いた。
17日の日曜日に、「勝木書店ワッセ店」で綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2月号を買った。
また18日の月曜日には、結社誌「コスモス」2月号が届いた。
これでいつも僕が読む、歌誌3誌の揃い踏みである。
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今日、季刊同人歌誌「桟橋」101号が届いた。
17日の日曜日に、「勝木書店ワッセ店」で綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2月号を買った。
また18日の月曜日には、結社誌「コスモス」2月号が届いた。
これでいつも僕が読む、歌誌3誌の揃い踏みである。
文春文庫、2004年8刷。
主人公は、大卒の就職浪人の青年である。
個人投資家(資金量も人脈も大きい)の老人に拾われて秘書となった青年が、老人とともに株市場に揺さぶりをかけて、ある銀行の株の空売りで大儲けをする話である。
僕は主人公の青年に共感できない。風説の流布や、取り付け騒ぎの演出など、違法行為を仕掛ける根拠に、標的の銀行への遺恨を縷々と語るけれども、「悪の多くは、報復の名でおこなわれる」のだし、僕を納得させない。
それに右翼・暴力団の協力を必要としている。
また青年に好意を寄せた女性に、大きな心の傷を残してしまう。
ハードボイルドの小説など、1編も読んだことのない僕の印象である。
講談社文芸文庫、昭和63年・刊、帯。
読売文学賞受賞。
おもな登場人物は、主人公(40歳代の男性)と、別居中の妻子(子2人、筋の途中で離婚)と、同棲中の宗子、その父親の令吉、である。
令吉がヨットの帆の設計者という設定で、ヨットの走行や操作の場面がしばしば現れて美しい。
作者が、学生時代にディンギーという小さなヨットに乗っていたこと、執筆の10年くらいまえからクルーザーに乗る機会を持ったことなどが、美しい描写に反映しているのだろう。
カバー裏面の解説などにある、「宗子の父親からの精神的独立」というテーマに、僕はあまり関心がない。
僕は田久保英夫の小説が好きで、3、4冊を読んでいるだろう。
主人公の男性が、女性に対して酷薄なところがあるように読めて、心に引っかかる。
福井市・在住の詩人・K不二夫さんが、同人詩誌「果実」62号を送ってくださった。
年1~2回の発行を続けて、息の長い同人詩誌である。
メンバーは、元教員の6名である。
F則行さんの「日本手拭」と「イヤ!」は、庶民的感情を練達の手法で作品化している。
W本爾さんの短詩「その正体」は定年後の身の置き所無さを、同じく短詩「小春日和」は思慮分別をしない子供に1種の羨望を覚える心を、描いているようだ。
K不二夫さんの作品では、レトリックを駆使した「鳥の影」よりも、庭の大木を伐ってしまったあとの後悔を素直に述べた「白木蓮を切る」のほうが、優れていると僕は感ずる。
詩の他に3名3編の、詩をめぐるエッセイが載る。
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