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2010年1月の28件の記事

2010年1月20日 (水)

3誌の揃い踏み

 今日、季刊同人歌誌「桟橋」101号が届いた。

 17日の日曜日に、「勝木書店ワッセ店」で綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2月号を買った。

 また18日の月曜日には、結社誌「コスモス」2月号が届いた。

 これでいつも僕が読む、歌誌3誌の揃い踏みである。

2010年1月19日 (火)

石田衣良「波のうえの魔術師」

002  石田衣良の小説「波のうえの魔術師」を読みおえる。

 文春文庫、2004年8刷。

 主人公は、大卒の就職浪人の青年である。

 個人投資家(資金量も人脈も大きい)の老人に拾われて秘書となった青年が、老人とともに株市場に揺さぶりをかけて、ある銀行の株の空売りで大儲けをする話である。

 僕は主人公の青年に共感できない。風説の流布や、取り付け騒ぎの演出など、違法行為を仕掛ける根拠に、標的の銀行への遺恨を縷々と語るけれども、「悪の多くは、報復の名でおこなわれる」のだし、僕を納得させない。

 それに右翼・暴力団の協力を必要としている。

 また青年に好意を寄せた女性に、大きな心の傷を残してしまう。

 ハードボイルドの小説など、1編も読んだことのない僕の印象である。

2010年1月18日 (月)

「斎藤茂吉全集」端本7冊

005_2  「日本の古本屋」を通して、北海道の古書店「春陽堂書店」に注文していた、「斎藤茂吉全集」端本7冊が届いた。

 第29~32巻(日記篇4冊)と、第33~35巻(書簡篇3冊)である。

 岩波書店、昭和48年頃・刊。

 箱、本体にパラカバ、月報欠。

 大歌人のプライベートを覗き見るようだが、以前に「斎藤茂吉全短歌」4冊(岩波書店)を購入・読了しているので、失礼にはならないと思う。

 写真は、7冊の箱の背である。

2010年1月17日 (日)

田久保英夫「海図」

004  田久保英夫の連作短編小説集「海図」を読みおえる。

 講談社文芸文庫、昭和63年・刊、帯。

 読売文学賞受賞。

 おもな登場人物は、主人公(40歳代の男性)と、別居中の妻子(子2人、筋の途中で離婚)と、同棲中の宗子、その父親の令吉、である。

 令吉がヨットの帆の設計者という設定で、ヨットの走行や操作の場面がしばしば現れて美しい。

 作者が、学生時代にディンギーという小さなヨットに乗っていたこと、執筆の10年くらいまえからクルーザーに乗る機会を持ったことなどが、美しい描写に反映しているのだろう。

 カバー裏面の解説などにある、「宗子の父親からの精神的独立」というテーマに、僕はあまり関心がない。

 僕は田久保英夫の小説が好きで、3、4冊を読んでいるだろう。

 主人公の男性が、女性に対して酷薄なところがあるように読めて、心に引っかかる。

2010年1月16日 (土)

大雪

001  当地では昨日までの3日間、断続的に(夜間に多く)雪が降り積もり、大雪となった。

 積雪量は、気象台発表で48センチである。

 車で出歩かなくても、僕は雪道(除雪後も凸凹になったり、アイスバーンになったりする)の出退勤や、職場での駐車地に苦労した。

 家周りの除雪では、今回、妻がよくやってくれた。

 写真は、今日になって雪が上がったあとの、庭と生垣である。僕は雪吊りを全くしていなかった。

2010年1月14日 (木)

同人詩誌「果実」62号

001  福井市・在住の詩人・K不二夫さんが、同人詩誌「果実」62号を送ってくださった。

 年1~2回の発行を続けて、息の長い同人詩誌である。

 メンバーは、元教員の6名である。

 F則行さんの「日本手拭」と「イヤ!」は、庶民的感情を練達の手法で作品化している。

 W本爾さんの短詩「その正体」は定年後の身の置き所無さを、同じく短詩「小春日和」は思慮分別をしない子供に1種の羨望を覚える心を、描いているようだ。

 K不二夫さんの作品では、レトリックを駆使した「鳥の影」よりも、庭の大木を伐ってしまったあとの後悔を素直に述べた「白木蓮を切る」のほうが、優れていると僕は感ずる。

 詩の他に3名3編の、詩をめぐるエッセイが載る。

2010年1月12日 (火)

糸目玲子・歌集「丹頂の笛」

002  香川県・在住の歌人・糸目玲子さん(「未来」所属)の第1歌集、「丹頂の笛」を読みおえる。

 短歌研究社、2006年・刊。

 中途半端に抽象化されたゾーンで詠まれた歌があって、快くてもあとに残らない。

 お孫さんが生まれたあとに、優れた歌が多い。

素直なる心もどりぬ際やかに全き虹を見て立つ夕べ

 そして、草木や小動物を詠って優れた1連、「わが生れ月」に至る。

フリージア、ろうばい、水仙、黄の色の匂うきさらぎわが生れ月

クロガネモチ食べ尽くされてゆわゆわと陽が射しており人住まぬ庭

剪定する夫のめぐりをヤマガラは去らず遊べり二時間がほど

メジロきてひよどりがきて鳩が来る百日紅の枝のくねくね

 

2010年1月11日 (月)

トルーマン・カポーティ「誕生日の子どもたち」

003  昨年2009年8月26日に、「楽天市場」より届いた、トルーマン・カポーティの短編小説集「誕生日の子どもたち」(当日付けのこのブログで紹介済み)を読みおえる。

 文春文庫、村上春樹・訳、2009年・刊。

 この中の6編の短編小説で、カポーティは、少年少女のイノセンス(無垢)を描くけれど、善良ではない悪意を描く小説もある。

 村上春樹の翻訳は柔軟で、翻訳を感じさせないほど、練れている。

 僕は、新潮文庫で出たカポーティの小説、遺作「叶えられた祈り」を除く全5冊を、すでに読んでいる。

 同性愛、アルコール中毒、薬物中毒の3つは、カポーティの心性と作品にとって、高い代償だったようだ。

2010年1月10日 (日)

塩野七生「サイレント・マイノリティ」

002  塩野七生(しおの・ななみ)のエッセイ集「サイレント・マイノリティ」を読みおえる。

 新潮文庫、平成5年3刷。

 彼女の本を読むのは、僕は初めてである。蔵書にも殆ど持っていない。

 彼女の本は、この文庫本のカバー見返しに、6冊が載っている。

 彼女は「サイレント・マイノリティ」どころか、「声高き多数派」ではないだろうか。

 それも先進国で一時台頭した、ニューコンサヴァティヴ(新保守主義)の一環として。

 この本の中でも、権力者崇拝とか、没落貴族への親近性とか、僕の容れない所がたくさんある。

 

2010年1月 9日 (土)

万両

004  鉢植えの万両の実が、色を深めてきた。

 前年よりも、たくさんの実が生ったと思う。

 鉢植えの万両は、乾燥に弱いらしく、水遣りに気を使った。乾くと、下葉が落ちてしまうのである。

 昨年は、鉢植えのドウダン、椿苗など、数株が枯れた。どうも園芸に、細かい気遣いができなくなったようである。

 奥村晃作氏の歌集「多く日常の歌」(ながらみ書房・発行)より、2首を引かせて頂く。

万両の赤い珠実は葉の蔭に付くゆえ鳥が見逃すようだ

千両がなくなったから万両の赤い実見つけ鳥たち食べた

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