有馬敲・詩集「島」を読みおえる。
砂子屋書房、1982年・刊。
箱、帯補修、本体にパラフィン紙カバー。
40歳代末になって、京都府の住家から、四国松山に出稼ぎに来た時期の、一人暮らしと周囲への遍歴を描く。
詩人として知られながら、或いはそれ故にか、生活は拙ないようである。
「島」とは、四国と、周囲の小島を指す。
詩「瞽女ヶ峠」では、平家落人になぞらえて、また他の詩では、中世の遠流びとになぞらえて、住家を離れ四国で一人暮らしする中年男を哀れんでいる。
また人間的である故に、社会秩序と相容れないという、自負もあるようだ。
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