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2010年3月の28件の記事

2010年3月31日 (水)

「歌壇」4月号

001_2  綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2010-4月号を読みおえる。

 巻頭、馬場あき子さんの10首連載「あかゑあおゑ」の第4回「青い卵」には、いつもながらの迫力がある。

 比較的に新しい(?若い)人だろう東直子さんの「眠れよい子」20首も、優れていると思う。

 特集「鑑賞力を磨く-より深く歌を味わう」を初めとする論考には、あまり興味が湧かない。

 極論すれば、「論はどうとでも付く」と思っている。色いろな論と行動の果ての、感じ方である。

 その他の「コスモス」関係では、歌舞伎に詳しい津金規雄さんの「わが永遠のスター」28「正月男團十郎」が彼らしく、田宮朋子さんの「白き闇」12首が爽やかである。

2010年3月30日 (火)

クリスマス・ローズが咲く

002  また春が巡ってきて、庭でクリスマス・ローズの花が咲いた。

 この多年草に、なぜ「クリスマス」の冠がつくかというと、原生地ではクリスマス頃に咲くグループがあるからである。

 花がうつむきがちに咲くので、鉢植えで栽培すると、よいかも知れない。
 夏は日陰で、冬は日当り良くということで、落葉樹の株元に植えてある。

004_2  近ごろでは、花が八重の、華やかな品種も売り出されている。

2010年3月29日 (月)

「コスモス」4月号

 結社歌誌「コスモス」4月号を読みおえる。

 初めから「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」など。

 「コスモス」4月号より、「その一集」の東部西部分けを廃止した。この戻し変更を、僕は歓迎する。

 また「コスモス」のホームページで、今年1月号分より、「その一集」特選欄と「COSMOS集」の掲載が復活した。これも歓迎である。

 ホームページを含め、「コスモス」の編集に携わる方がたのご苦労を思い、感謝する。

2010年3月28日 (日)

新聞に詩が載る

002  今日の福井新聞の文化欄に、僕の詩が載る。

 「ふくい詩の風」というシリーズで、毎月に1人1編の詩が載るのだ。

 僕の作品は、「住所印」という題のソネットである。

 かつての詩友である故・織田さんに作ってもらった住所印は、縁起がよいという話である。

 写真は、切り抜きをノートに貼ってから撮ったから、かなりみっともないが、ご勘弁を願う。

2010年3月27日 (土)

詩誌「水脈」41号

002  福井県に在住の詩人、T健隆さんが、詩誌「水脈」41号を送ってくださった。

 2010年3月、福井詩人会議・水脈/刊。

 K仙一さんの「神よこの地を助けたまへ」や、Hはつえさんの「春の広場」には、宗教心やそれに近い思いがある。

 Nとしこさんの「<てるちゃんが ほしい>」は、<としちゃんが ほしい>と夫に請われて嫁したとしこさんが、夫に<てるちゃんが ほしい>と呼応したことがあったかと思い返す、想夫恋の美しい1編である。

 散文のエッセイ、小説、評論もかなりの部分を占めているが、失礼して読まなかったものが多い。

2010年3月26日 (金)

「河出文庫解説目録2010年」

002  「河出文庫解説目録2010年」を、1通り読む。

 入手した時のことを覚えていないが、書店のレジの脇に積まれていたうち、1冊を無料で貰ったものだろう。

 河出文庫は、文庫界で後発なので、文学や思想の古典的な本は少ない。

 「古事記」や「正法眼蔵」などがあるのだが、現代語訳を付して本にしている。

 文芸誌「文藝」の文藝賞を受賞した作家の他、澁澤龍彦、田中小実昌などの本が、売れ筋のようだ。

 「海外の作品」の部では、イタロ・カルヴィーノなどの現代作家、ジル・ドゥルーズなどの現代思想家の著作を、文庫化している。

 他に、性に関わるノンフィクションを集めた「河出i文庫」、ハウツー本などを集めた「KAWADE夢文庫」のシリーズがある。

2010年3月25日 (木)

大江健三郎「宙返り」下巻

002  大江健三郎「宙返り」下巻を読みおえる。

 講談社文庫、2002年・刊。

 この小説の上巻を、2009年12月1日に読みおえて(このブログに当日の記事あり)から、4ヶ月を要した。

 仕事の昼休み時間に、駐車場のマイカーの中で、読み継いだからである。

 下巻では、幾つかの奇蹟や、教団内部のセクトの軋轢や、カタストロフィへの緊張の高まりで読ませる。

 しかし僕に、宗教信仰への気持ちが無いからだろう、教義の議論はわからないし、パトロンと呼ばれる教祖(?)がなぜ、最後に焼身自殺するのかもわからない。

 大江健三郎はこの小説に、個人的な思いも織り込んでいるようだ。

2010年3月24日 (水)

白椿と連翹

002  わが庭にも春が訪れたようだ。

 数日後には雪の降る天気予報も出ているが。

 写真は、椿の白花である。

 品種名、不明。

 花などの品種名は、記憶と記録から1度消えると、回復はほとんど無理である。

 これは肥後椿の1種かとも思うが、雄蕊の開きかたが違うかもしれない。

003  次の写真は、連翹の花である。

 刈り込んできれいに整える、ということをしないから、姿は乱れている。

 早春の黄色の花は、目にあざやかだ。

2010年3月23日 (火)

小鍛治徳夫「なんなはん」

001  県内に在住の詩人、小鍛治徳夫さんより、詩集「なんなはん」を頂く。

 2010年、宮本印刷・制作、第2版。

 初版は、1993年に「らせん舎」より出て、県内を初め詩壇におおいに好評だった。

 僕も彼から、初版を当時に貰って感動したものだが、今は本を入れた段ボール箱の山の底にあると記憶しており、取り出すことが出来ない。

 「なんなはん」は全篇、方言による詩であり、「なんなはん」とは仏様を指す。

 彼が少年時代に母親を亡くした嘆きを、方言にくるんで表現した詩篇は哀切である。

 以下に「なんなはん 二」より、終末6行を引く。

死にやまいのかあちゃんやらいぬやらねこやらは

ぼおらになあもゆわんと

どんなきもちでえぼおらのそばをはなれていったんやろとおもうたら

ごんがわいたっちゅんでもねえものごいっちゅんでもねえ

ぼおはあもうどもこもならんと田のはたいいずかって

はじめてないたんにゃあぞ

2010年3月22日 (月)

古井由吉「杳子・妻隠」

003  古井由吉の小説集「杳子・妻隠」を読みおえる。

 新潮文庫、平成6年14刷。

 僕はこれまで彼の小説では、「男たちの円居」、「円陣を組む女たち」、「雪の下の蟹」など(?)を、文庫本で読んできた。

 他に、未読の文庫本を何冊か持っている。彼の作品集の端本も、2冊ある。

 「杳子(ようこ)」は、ノイローゼとされている(不安神経症?)大学生・杳子と、これも大学生のSさんと呼ばれる「彼」の恋愛物語である。

 ここには、ロマンチシズムも修羅場もない。惹かれあう二人が、明るみの見える出口に至る物語である。

 「妻隠(つまごみ)」は、平凡な若夫婦の深淵が、周囲のリアルな人物たちの中で描かれる。

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