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2010年4月の25件の記事

2010年4月30日 (金)

吉岡禅寺洞「銀漢」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、7番めの吉岡禅寺洞・句集「銀漢」を読みおえる。

 原著は、昭和7年、天の川発行所・刊。

 彼の許には、後年に活躍した多くの俳人が集まった。

 しかし僕は、この句集の句風を好まない。文人趣味というのか、情緒的・微温的である。

 俳句には芭蕉以来、1種の鋭さの流れがあると思う。

 以下に、僕がよくないと思う例を、2句引く。

藪椿しづかに芯のともりゐる

黴の香のそこはかとなくある日かな

2010年4月29日 (木)

「ユネスコ世界遺産」DVD BOX

Dvd_box_004  F市内の「BOOK OFF 二の宮店」へ行く。

 前の土曜日にこの店に来て(その時には何も買わなかった)、目をつけていたDVD BOXを買う。

 「ユネスコ世界遺産」10巻セットである。

 世界遺産が話題になってから、本かDVDのセットがほしいと思っていた。

 ネットの古本屋には、世界遺産の写真集(?)が出ているが、高価で買えなかった。

 このDVD BOXも安くはなかったが、チャンスと思って買ってしまった。

 これからは、大部・高価な本やDVDの購入は、もう止めにしようと思う。どうしてもほしい本などは、すでに手許にある。

Dvd_box_001  さっそく、第1巻の「栄光の古代文明」を観る。

 動画、静止画、ナレーション付きで55分、楽しんだ。

 古代エジプト文明、インダス文明、ヒッタイト文明、ペルシャ文明、古代ギリシャ文明に就いて、僕の知らなかった事柄や映像が多く、関心を満たした。

 これからも時間のある時に、1巻ずつ観ていこうと思う。

 

2010年4月27日 (火)

「歌壇」5月号

001  綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2010-5月号を、短歌作品を主に読みおえる。

 岡井隆さんの「別の朝の異なる時間」20首に惹かれる。改めてファンの思いを強くする。

 付箋を貼ったのは、渋谷みづほさん(「合歓」「作風」所属)の「アクアリウム」7首のうち、次の作品。

半身をもたげゆらりと岩陰に般若心経誦しいるうつぼ

 思わず笑ってしまった。般若心経を聖典にしている人は、不快かもしれないが。

 「コスモス」の歌人では、大松達知さんが北原白秋「黒檜」を論じた「薄明吟の到達点」、松尾祥子さんの時評「詩歌は滅びるか?」、岡崎康行さんの「版画の道」12首がある。

2010年4月26日 (月)

「コスモス」5月号

 結社歌誌「コスモス」2010-5月号を読みおえる。

 初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」など。

 「コスモス」の歌のレベルが上がっているのだろうか。

 掲載歌数や昇級で競争があり、会員は努力するし、その努力に報いる制度も、結社には色いろとある。

 また新人の若い歌にも、煽られ気味に刺激を受ける。

2010年4月25日 (日)

「BOOK OFF」と「KaBos」にて

 久しぶりに「BOOK OFF 米松店」へ行き、古本を7冊買った。

  • サトウハチロー詩集「おかあさん」(全3巻、外箱入り)日本図書センター
  • 「昭和戦争文学全集」第2巻「中国への進撃」集英社
  • ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」角川文庫
  • 日本エッセイスト・クラブ編「’84年版ベスト・エッセイ集 午後おそい客」文春文庫
  • 同「’85年版 同 人の匂ひ」同
  • 同「’86年版 同 母の加護」同
  • 同「’87年版 同 おやじの値段」同

 「KaBos ワッセ店」にて、雑誌を2種、買った。

  • 「日経PCビギナーズ」5月号、日経BP出版センター
  • 「歌壇」5月号、本阿弥書店

2010年4月24日 (土)

「詩の研究会」4月例会

002  今日4月24日(土曜日)の正午より、F市内の某カルチュアセンターの1室で、「詩の研究会」4月例会が持たれた。

 メンバーは同人詩誌「群青」の同人である僕、こぐま星座さん、AUさん、KMさん(イニシャル表記の2人は女性)の4名である。

 今回は、最近にAUさんが第2詩集を出版しているので、お祝いかたがた小さな批評会として、研究会が持たれた。

 こぐま星座さんが取り寄せた弁当やコーヒーで、まずは食事。

 批評会ではAUさんが、今度の詩集のテーマに、現代人の生命力(現代日本詩)の衰弱と再生を描いたと述べた。

 こぐま星座さんは、福井にこれまでなかった発想の作品群だと称揚した。

 KMさんより、難解な作品があり、作者の説明がないとわかりにくい点があることを作者はどう思うかと、質問があった。

 また気に入りの作品を上げ、一般的な感想も述べ合った。

 午後3時、次回の日程を決めて散会した。

2010年4月23日 (金)

椿と木瓜

002 004  左の写真は、椿の古典的名花「岩根絞り」の花である。

 赤の地に、白の大きな斑が入る。

 強い剪定のあと、再び花が咲くかと心配したが、今年は「こんなに咲いて大丈夫か」と思うほど、たくさん花咲いた。

 右の写真は、木瓜の花である。紅いろと言うのか。

 木瓜は小花なので、庭植えの大株にしても、花が映えない。鉢植えの盆栽にすると、見映えがするだろう。

2010年4月21日 (水)

山口誓子「凍港」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、第6番めの、山口誓子・第1句集「凍港」を読みおえる。

 原著は、昭和7年、素人社・刊。

 句界の彼の評価は高く、その「序」で師・高浜虚子は、「所謂辺境に鉾を進むる概がある」「長く征虜大将軍たらんとするもの」と、称揚した。

 昭和10年、「ホトトギス」を辞し、水原秋桜子の「馬酔木」に加盟した。

 以下に5句を引く。

雪挿しに長路のスキー休めあり

匙なめて童たのしも夏氷

廻廊を鹿の子が駆くる伽藍かな

かげろひて港は夏をおもはしむ

曾て世の男女(なんにょ)の情や近松忌

2010年4月20日 (火)

村上春樹「1Q84」第3巻

002  村上春樹「1Q84」第3巻を読みおえる。

 新潮社、2010年4月16日・刊。

 紙カバー、帯。

 女性主人公の青豆は、拳銃の銃身を口に含みながら、引き金を引かず、生き残った。

 「シャーロック・ホームズの生還」(本は読んでいない)みたいだ。

 第1、2巻の感想で、「現代の愛のファンタジー」と書いたが、第3巻ではますますその方向性があらわになった。

 DVへの報復や、新興宗教の話は少なくなる。

 青豆と天吾が、「1Q84」の世界から、1984年へ脱出し、結ばれたところでエンディングとなっている。

2010年4月19日 (月)

安岡章太郎「遁走」

002  安岡章太郎の小説、「遁走」を読みおえる。

 角川文庫、昭和51年・初版。

 この小説は、軍人としては劣る主人公が、軍隊で苦労し、罹病と様ざまな幸運によって、内地帰還に向かうまでの物語である。

 カバーの見返しの惹き句に、「旧軍隊の愚劣な日常」という言葉がある。

 もし「旧軍隊」が愚劣であったのなら、その愚劣さは、組織の愚劣さであり、世間の愚劣さである。

 彼は仲間に、「自分は反軍主義者、アンチ・ミリタリストだ」と洩らしてしまう場面がある。

 彼の反軍主義的な視線が、敗戦後の反軍主義とそっくりで、かなりいかがわしい。

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