芝不器男「不器男句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、11番めの芝不器男(本名)「不器男句集」を読みおえる。
著者は昭和5年、28歳で亡くなった。
句集は昭和9年、友人だった横山白虹の編集、吉岡禅寺堂の選で、発行された。
本人が意図した文学的「転向」のあとの作を、選者は褒めているけれど、僕は佳しとしない。末尾の「ストーブや黒奴給仕の銭ボタン」など、厭である。
以下に5句を引く。
谷水を撒きてしづむるどんどかな
下萌のいたくふまれて御開帳
針山も紅絹うつろへる供養かな
蓬生に土けぶりたつ夕立かな
栗山の空谷ふかきところかな
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