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2010年10月の30件の記事

2010年10月20日 (水)

ピラカンサスと黒揚羽蝶

002 003  庭で、黄実のピラカンサスが実る。

 数は、去年より少ないようだ。春夏の異常気象のせいか。

 毎年書いている事だが、これを短歌に詠む時、「ピラカンサ」と略するのは止めてほしい。

 右の写真は、残り咲く木槿の花に来た、黒揚羽蝶である。正式な名前は、僕にはわからない。

 この蝶の残生も少ないと思われる。

2010年10月19日 (火)

谷川俊太郎「62のソネット +36」

002  このブログの10月15日(4日前)の記事で、購入を報告した詩集、谷川俊太郎「62のソネット +36」を読みおえる。

 集英社文庫、2009年7月第1刷。

 この本には、1953年に詩集「62のソネット」として出版された62編と、未発表の36編、合計98編のソネットと、その98編の英訳が収められる。ただし僕は、英訳は読まなかった(読めなかった)。

 「62のソネット」は、僕が若い時に読んでいる。

 戦後詩史で、主導的「荒地」グループと、左翼的な「列島」グループが相克している時、谷川俊太郎・茨木のり子・吉野弘らの、のびやかな若手グループ「櫂」の登場は、衝撃的だったろう。

 敗戦の痛手が少なく、中産階級出身の青年たちだった。

 この詩集について、未発表だった詩編にも、共感できる作品がある。

 少し違和を感じたのは、旧仮名遣いを新仮名遣いに改めたからだろう。

 「62のソネット」55番より、後半の2連を引く。

  62のソネット 55

       (前略)

私は捨てられた皿だ

満たされぬことを知りながら

なお待つ形のままで‥‥


そしてもし世界の中で

私も役目をもっているとしたら

そのように佇むことが私に課せられている

2010年10月18日 (月)

「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」

003_2  単行本の「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」を読みおえる。副題は、「村上春樹インタビュー集 1997-2009」である。

 2010年9月、文藝春秋・刊。

 この本には、内外メディアからのインタビュー、全18編が載っている。本には、彼の文学(翻訳を含む)の秘密がたくさん明かされていて、彼の文学のファン(愛読者)なら、必読の1冊である。

 たとえば、人が二階建ての家に住んでおり(1階は食事・団欒の場、2階は個室で読書などをする)、地下1階のことをたいていの作家は表現するが、自分はさらに地下2階のことを表現できる、と述べている。自分がその世界に入っていき、現実に戻ることが出来るのは、能力と訓練に由る、とも述べているようだ。

 また彼は、小説のストーリーの展開やエンディングを、前もって考えていないそうだ。机の前に座ると、フィクションが5感に感じられるように、展開するという。

 また、翻訳、短篇・中編・長編の各小説が、うまくサイクルして、自分の小説が発展して来た、とも述べている。

 他にも色いろ、明かされているので、539ページの厚さに挑む人が、多くあってほしい。

2010年10月17日 (日)

たけふ菊人形祭

003_2 004_2  今日の午前中、「たけふ菊人形祭」へ行った。

 左の写真は、「千輪咲き」(実際はもっと少ないだろう)である。

 根の強い品種に、花のたくさん咲く品種を、接木すると聞いた、記憶がある。

 右の菊人形の1場面は、NHK大河ドラマにテーマを借りて、「龍馬と越前」の1景である。

 本当の目的は、季刊同人歌誌「棧橋」の105号に出詠する、12首連作を詠む事だった。

 何回も「たけふ菊人形祭」の連作を載せて貰っているけれど、見方も変わるし、今回はテーマを持って詠んだ(?)ので、ご容赦を願う。

 幸い12首が出来て(ケイタイのメモに書きながら)、帰宅してからパソコンのワードで打って、USBメモリに収めた。これから推敲する予定である。

2010年10月16日 (土)

銀杏と柘榴

002_2 004  午前中に、銀杏を拾った。

 庭に公孫樹の大木があるので、この時期に根方を捜すと、見つけられる。

 今日の40個ほどは少ないが、まだ枝に付いているのか、目視ではわからない。

 果肉付きのまま貰ってくれる同僚がいるので、月曜日に職場へ持って行こうと思う。

 鉢植の柘榴の実は、3個生ったものから1個を残して太らせようとしたが、9月7日のこのブログにアップした時より、わずかに太って径5センチくらいである。

 落葉した時に、実を外して、割って中身を確認しよう。

2010年10月15日 (金)

谷川俊太郎「62のソネット +36」

001  「Amazon」に注文していた、谷川俊太郎詩集「62のソネット +36」が届いた。

 集英社文庫、2009年1刷、帯。

 この本には、詩集「62のソネット」の62篇と、未発表のソネット36篇、計98篇と、その98篇の英訳が収められる。

 詩集「62のソネット」は若くして(?)、思潮社「谷川俊太郎詩集」で読んだ。

 未発表36篇は、初めて知った。

 先日、「TSUTAYA」の店頭で見掛けて、買わなかったのだけれど、のちに店へ買いに行く予定の日に腰痛となり、ネットで買ったものである。

 英訳は読みきれないし、邦文と対照しながら読む気はない。

 僕の最近の詩作はソネットばかりなので、彼のこの詩集に学びたい。

2010年10月14日 (木)

「ある生涯の七つの場所」揃

004  「ブックオフ オンライン」が小説の古本の安売りをしていたので、辻邦生の連作短篇「ある生涯の七つの場所」の、第1~4、6巻を注文した。

 また、その第5巻を、「日本の古本屋」を通して、「古書 あやめ書房」に注文した。

 それらが届いて、蔵書の第7巻と合わせて、全7冊が揃った。

 中公文庫、1992年初版、第1・2巻のみ帯あり。

 写真は、7冊の背である。

 この本は、彼のライフワークのように思えて、以前より揃えたかった小説である。

 彼の小説は、以前に1作のみ読んだが、外国生活の小説で、僕には実感が伝わらなかった。

 「辻邦生作品全六巻」も、僕の本棚にある。

2010年10月13日 (水)

渡辺水巴「白日」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・刊)より、6番めの句集、渡辺水巴「白日」を読みおえる。

 原著は、昭和11年、交蘭社・刊。

 この句集は、「水巴句帖」を含む以後の3句集からの抄出と、それ以後一年余りの新句より成り、全523句である。

 彼は東京に生まれ、旧制中学校を中退後、俳句を志し、生涯定職を持たなかった。

 デリケートな季節感と、洗練されつくした都会人的な情緒とが、表現されたと評される。ただし僕が田舎者なのか、それらがあまりわからない。

 以下に5句を引く。

釣竿の竹大束や鰹船

離れ咲く牡丹は淡し椎落葉

渓流の音に雨添ふ田植かな

月光にぶつかつて行く山路かな

雑煮待つま八ツ手に打ちし水凍る

2010年10月12日 (火)

足立尚計「サルペドンの風斬る朝に」

003  10月3日(日曜日)の第5回苜蓿忌(このブログに記事あり)のおり、県内在住の歌人、足立尚計さん(「短歌人」所属)より、彼の第3歌集「サルペドンの風斬る朝に」を頂いた。

 平成21年7月、六花書林・刊。

 彼が編集する、県内を主とする同人歌誌「地楡(われもこう)」に出詠したのが、僕の短歌の発表の最初である。ある無茶な連作を出したところ、「これは載せられない」だけでなく、「普通に詠んだ作品があったら、送ってください」と返事を受けて、20首ばかりをワープロで打って出したのが初めであり、彼は僕の短歌の恩人である。

 彼は大阪に生まれ、大学卒業後、福井で就職し、生活している。

 福井女性史や橘曙覧などに関わる著作もある。

 この歌集の「サルペドン」は、青筋揚羽蝶の学名より採った、という事である。この題名からも察せられるように、彼には繊細なところと、壮士ふうに勇んだところが同居している。

 内容は、平成16年の福井豪雨災害を詠んだ「くずれ川」と、居住地を好む「越前を誉むる歌」の2大章より成る。

 以下に7首を引く。

冷蔵庫・仏壇・テレビ水葬の棺のように足羽川行く

足羽川決壊したり。兎抱く娘背負って二階に上る

満月が瓦礫の山を照らすとき再生という言葉つぶやく

便乗しゴミを捨て行くならずもの態と湿らせ泥塗ると聞く

お前は白い花を好んだ雪が家を囲んだ朝さえカラーを活けた

いつまでも線路見ている俺の背を追い越して行く帰郷燕は

専門という語彙には口がない。無口なものよ学芸員も

2010年10月11日 (月)

同人誌「Jeu」第3号

002  10月3日(日)の苜蓿忌(記事あり)のおり、県内在住の詩人、Oスミ子さんが、同人文学誌「Jeu」第3号を下さった。

 2010年9月、M八衣 方・発行。

 Oスミ子さんは、同人詩誌「木立ち」で活躍したが、今は離れて、こちらの女性ばかり4名の同人誌で活動している。

 彼女は3編の詩、「朝陽」、「みなもと」、「萌えⅣ」を巻頭に載せている。

 彼女の詩の言葉は、文法的に完結しなかったり、連用形で終わったりすることがあり、意味を追いにくい所がある。

 ただし樹木と光にかかわる言葉を多く用いて、生命感を追っていることはわかる。

 他の3名の小説3編は、失礼して読まなかった。

 

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