« 2010年12月 | メイン | 2011年2月 »

2011年1月の19件の記事

2011年1月31日 (月)

歌誌「歌壇」2月号

Cimg4633  総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2011-2月号を読みおえる。

 巻頭20首詠のうち、大辻隆弘さんの「壬生野」の2首めに、以下の作品がある。

 ・真夜中のレールの脇の草々をおぼおぼ照らし各停が過ぐ

 「各停」の語は、初めて読んだ。

 「特急」、「急行」、「快速」などと同じように、「各停」の語も、「各駅停止電車」の略語として、歌語の1つに入るのだろう。

 「鈍行」という差別的(?)な語が、頭の中にあった僕が、いけないらしい。

     

2011年1月30日 (日)

歌誌「棧橋」No.105

Cimg4631  季刊同人歌誌、「棧橋」No.105を読みおえる。

 散文では一部、読み通していないものがある。

 僕は今号に、「たけふ菊人形祭」12首を載せてもらった。

 手触りを感じたのは、池下寿子さんの「辛い鍋」12首である。たとえば、以下の2首。

 苗植ゑし姑はよろこびバイク乗る息子いやがる秋のあめふり

 多面体のあかるき面を見せて子はホットココアを入れくるるなり

 昔にはやった言葉で言えば、生活のなかの不条理、だろうか。

 96首~24首の力詠も尊いが、このような歌群に出会うことも、楽しみである。

2011年1月28日 (金)

金子光晴「どくろ杯」

Cimg4626  詩人・金子光晴の自伝の1冊、「どくろ杯」を読みおえる。

 中公文庫、1981年3版。

 この自伝は、妻となる森三千代との出会いから始まる。

 二人で国内を放浪(詩人の知人を頼って)のあげく、日本に居づらくなり、子供ひとりを妻の実家に預け、夫婦で上海へ脱出する。

 滞在期間の長短はあるが、そのあと香港、ジャワ、シンガポールと放浪する。

 彼らの旅は、欧米にまで至るようで、続編にあたるらしい「ねむれ巴里」、「西ひがし」、「マレー蘭印紀行」(いずれも中公文庫)を、僕は持っているけれど、ひとまず措きたい。

 第二次大戦下の日本で、ただ一人、反戦詩を書いた詩人の感性は、戦前の世界放浪の生活から、形成されたようだ。

2011年1月27日 (木)

「バッハ大全集」

Cimg4621  「バッハ大全集」より、「CD Ⅵ-17」(オルガン作品集の17枚め)を聴く。

 2009年2月26日に、「HMVオンライン」より届いた廉価版「バッハ大全集」、CD155枚の最後の1枚である。

 外国製で、紙ジャケットだけれど、とにかくバッハの全集を聴ける事が、魅力だった。

 チェンバロの曲など、楽しかった。

 パイプオルガンの曲は、荘重なのだけれど、信仰心がないから、陰鬱に聴こえる場合もあった。

 

2011年1月26日 (水)

3冊を買う

 書店「KaBoS ワッセ店」で、3冊の本を買った。

  1. 「ウィンドウズ7ではじめよう!パソコン」NHK出版部、2010年。
  2. 「できる Word2010」インプレスジャパン、2010年。
  3. 「ロゼッタストーン解読」レスリー&ロイ・アドキンズ、新潮文庫、2008年2刷。

 1と2は、パソコンを新しく買ったからである。

 1月12日に、元のパソコンが立ち上がらなくなり、修繕屋さんにはリカバリーを勧められたが、結局、新しいパソコンを買い、プリンタも新しくした。

 ウィンドウズ7や、ワード2010に慣れなくて、わからない事が多い。

 3は、問題の科学的な解決が、好きだからである。「フェルマーの最終定理」の証明や、「ポアンカレ予想」を証明した、数学者の物語を、僕は読んでいる。

2011年1月25日 (火)

「野行き」vol.2

Cimg4618  福井市に在住の詩人、A幸代さんが、シリーズ小詩集「野行き」vol.2を送って下さった。

 このvol.1もこのブログで紹介したが、日付を自分で特定できない。

 彼女とは、ともに福井県詩人懇話会の幹事だった時、幹事会や詩の催しで会うことも多かったが、実務に有能な方という印象を受けた。

 その彼女が、詩「迎え方」では、竹林の七賢人や、仙人に学んで、脱俗を志向するという。

 世俗の欲(色金ではない)にまみれている僕には、驚異である。

 他に、「暗がり」、「考査」、「りんとして」、「大樹」を収める。

2011年1月24日 (月)

古井由吉「木犀の日」

Cimg4616  古井由吉・自選短編集「木犀の日」を読みおえる。

 講談社文芸文庫、2009年9刷。

 かつて楽天のポイントがまとまって付与された時、哲学書(文庫本)とともに、買った彼の小説の1冊と記憶している。

 この1冊のテーマは、「現代の狂気」と言うべきか。

 最初の「先導獣の話」は、大都市の出勤ラッシュが整然としている異常さを描く。

 「夜はいま」では、精神病院に入院している男性が、主人公である。発症の因は語られなく、院内での様子が描かれる。主人公は退院するのだが、末尾ではまた入院中である。

 「秋の日」では、結婚6年めで30歳近い男性が、別の女性に養われる(ほとんど外出もせず)ようになり、20年を経る。その女性の死によって、主人公は社会復帰を果たす。

 第64回芥川賞を受けた「杳子」が、神経症気味の女子大生との出会いを描いた小説だった。古井由吉の文学のテーマに、「現代の狂気」があるのだろう。

2011年1月23日 (日)

詩誌「アリゼ」第140号

Cimg4614  12日ぶりに、ブログ記事を更新する。

 兵庫県に在住の詩人、S陽子さんが、同人詩誌「アリゼ」第140号を、お手紙を添えて送って下さった。

 21編の詩と、10編のエッセイが載る。

 他に、以倉紘平氏が詩集「フィリップ・マーロウの拳銃」で、第17回丸山薫賞を受賞し、その贈呈式の様子が、写真2枚とともに、2ページにわたって紹介されている。

 生活派も芸術派も、今の僕には、ぼんやり映る。

 真実と新しさを、ともに具えた詩の創作は、困難なことだ。

2011年1月11日 (火)

木畑紀子「曙光の歌びと」

001  京都府に在住の歌人、木畑紀子さん(「コスモス」選者、「棧橋」同人)が、歌人論集「曙光の歌びと―「桑原正紀」を読む」を、送って下さった。

 短歌研究社、平成23年1月・刊。

 全体は2部に別れ、第1部総論では4つの歌人論、第2部では「100首鑑賞ノート」として、桑原正紀のこれまでの7冊の歌集より100首を取り上げて鑑賞している。

 木畑さんが、桑原正紀の短歌の何に惹かれて、1冊の歌人論を上梓するまでに至ったのだろう、と僕は思う。

 同年生まれ、同じ短歌グループ(「コスモス」「棧橋」)に属する、という関係だけではない。

 僕は桑原正紀の初めの4歌集を読んでいないが、その初め頃の苦しげな歌(生の反映)から、「簡浄の生」に至る救いへの憧憬(あるいは同感)と、「妻へ。千年待たむ」「天意」における無償の愛への敬意なのか。

 大先輩の2歌人について、細かい事を書ける僕ではないのだが。

2011年1月10日 (月)

B'z「RUN」

Bzrun_001  去る12月10日のブログで、購入を報告した中古CD4枚のうち最後の、B'zのアルバム「RUN」を聴く。

 1992年、ビクター、全10曲。

 僕はこれまで、彼らのシングルCDを4枚、持っていただけだ。

 彼らのデビュー曲、「Love Phantom」は衝撃的だった。男の僕が「おい、おい、そこまで歌っていいのかよ」という感じだった。

 このアルバムでも、歌詞は男の本音に近い。

 「Out Of Control」他のアナーキーな曲のほかでは、曲調は新奇なものではない。

 タイトル曲「RUN」の「死ぬならひとりだ 生きるなら ひとりじゃない」、「NATIVE DANCE」の「お互いの裸の声だけが 導いてくれる」などの歌詞に、心うたれる。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート