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2011年1月 2日 (日)

大江健三郎「取り替え子(チェンジリング)」

002  大江健三郎の小説、「取り替え子(チェンジリング)」を読みおえる。

 講談社文庫、2004年1刷。

 職場の昼休みに、駐車場の車内でなど、少しずつ読んできたこの本を、年末年始の休暇に読みおえた。このような事があると、年末年始の休暇(どこへも出掛けない)も、味なものだ。

 ストーリーは、作家・古義人(大江自身がモデル)が、妻の兄・吾良(映画監督・伊丹十三がモデル)の投身自殺の傷心より、苦しみながら回復していくまでを描く。

 少年時代に友人である、古義人と吾良が、右翼らしい大黄のグループと関わり、吾良が一夜で美しく賢い少年から変貌した(チェンジリングの主題)事件(そのとき古義人は同席していなかった)をクライマックスに、終章は古義人の妻・千樫のほぼ独白体で感動的なエピソードが語られる。

 この終章での転換は、大江には珍しい。

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