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2011年2月の23件の記事

2011年2月18日 (金)

「スローカーブを、もう一球」

Cimg4673  この2月2日に記事をアップした、「エンドレス・サマー」に続いて、山際淳司のスポーツ・ノンフィクション、「スローカーブを、もう一球」を読みおえる。

 角川文庫、平成8年35版。

 王監督の帯文を付す。

 ここに収められた8編のうち、4編が野球選手(プロ2編、高校野球2編)の物語である。

 彼は丹念な取材と、スポーツ選手の心情への思い入れによって、読者の心が引き込まれるノンフィクションを描く。

 なかでも1980年、「ナンバー」創刊号に載ったデビュー作、「江夏の21球」は圧巻である。1979年の日本シリーズ第7戦、近鉄vs広島の9回裏、1点を追う近鉄の攻撃に対して、リリーフの江夏投手が、ワン・アウト・フルベースのピンチになりながら、心理の交錯を含め、逃げ切ってしまう21投球を描く。

 ベンチに戻った、あの不敵な面構え(失礼!)の江夏選手が、うずくまって涙を流したところまで。

2011年2月15日 (火)

詩誌「Junction」76、77

Cimg4671  2月12日の「詩の研究会」のおり、KMさんに借りた(以前より僕が依頼していた)、二人詩誌「Junction」76、77を読みおえる。

 東京都にお住まいのS三吉さんと、愛知県にお住まいのK信子さんによる、季刊詩誌である。

 20年近い同行による友情は、毎号2組の往復書簡にも読み取れる。

 作品は、内省的な面がつよいようだ。

 S三吉さんの4章よりなる「屈折率」の、第2章を以下に紹介する。

二枚のガラスに隙間があると 入ってきた光は

複雑に屈折し かがやく青空さえ けやきの枝

に掴まれて砕け散ってしまう。けれどそれらを

ぴったり重ねてやれば 世界からやってきた光

は その姿のまま(内側にわずかな光と影を残

して)去っていく。

2011年2月14日 (月)

「アメリカの鱒釣り」

Cimg4666  アメリカの作家、リチャード・ブローティガン(1935~1984)の小説、「アメリカの鱒釣り」を読みおえる。

 新潮文庫、2005年・刊。

 ブローティガンは、7年の詩作のあと、1967年に発行された本書が世界中で200万部のベストセラーになり、カウンターカルチュアのイコン的存在となった、と紹介される。

 本書では、アメリカの鱒釣りにかかわる、数十の奇譚が語られる。超現実的でもなく、幻想的というものでもない。

 僕はもともと、カウンターカルチュアとかポップアートに、共感できない。

 重厚長大ばかりが良いわけではないが、人生の真実はそういう所にはない、と僕には思える。

2011年2月13日 (日)

県支部2月歌会

Cimg4665  今日(日曜日)の午後1時より、F市内の某会館の1室で、「コスモス短歌会」県支部の2月歌会が持たれた。

 僕は昨年10月より、4ケ月ぶりの参加である。

 事前1首出詠者17名、歌会参加者11名。

 17首について、投票は行なっていない。

 支部長のU氏の司会で、プリントの17首の初めより1首ずつ、指名された二人ほどが批評を述べ、そのあと支部長が講評と添削例を示した。

 僕の1首は、3点を直された。納得のいくものだった。

 他の歌の場合も含め、勉強になった。

 午後3時半頃、散会した。

2011年2月12日 (土)

「詩の研究会」2月例会

Cimg4663_2  今日(土曜日)の正午より、F市内の某カルチュアセンターの1室で、「詩の研究会」2月例会が持たれた。

 メンバーは、詩誌「群青」の同人である、僕、こぐま星座さん、AUさん、KMさんの4名である。定刻にメンバー4人が集まった。

 まず、詩誌「群青」20号の誌面稿(僕が作成した)を各人に見てもらい、ミスと訂正で4ヶ所の修整点が示された。

 研究対象は、僕の詩集「僕のソネット」である。8年前の古い詩集が、なぜ取り上げられるのか、わからないが、先の1月例会を僕は欠席したので、致し方ない。

 集中的な批判を浴びることはなかったので、良しとせねばならないだろう。

 次回の日時と、対象を決めて、定刻の午後3時に散会した。

2011年2月11日 (金)

「越前手漉和紙銘鑑」

Cimg4661  僕の蔵書に、「越前手漉和紙銘鑑」がある。

 昭和50年、北陸通信社・発行。

 福井県の旧・今立町には、手漉和紙の産地があり、その産品は越前和紙として、貴重がられている。

 この本には、約60種の越前和紙のサンプルと、新門精一郎氏によるそれらの解説を収める。

 また末尾には、「越前和紙 歴史年表」、「越前五箇 和紙の里案内(16ページの写真集を含む)」、「紙の祭り」も収められている。

 加藤良夫氏による「紙の祭り」は、41ページにわたり(写真を含む)、貴重な文書である。

 この本のページを繰ると、越前和紙を愛した郷土の詩人、故・則武三雄さん(越前和紙での著書もある)が偲ばれる。

 写真は、箱の表である。

2011年2月 8日 (火)

万両

Cimg4657  鉢植えの万両に、赤い実がとぼしく生っている。

 実がとぼしいのは、昨年の成長期に育て方が良くなかったからだろう。

 万両は、水を好む(乾きを嫌う)らしい。

 水やりの間隔があくと、下葉を落としてしまう。

 この鉢の主の幹(そう太くはない)も、下葉が落ちている。

 ただし株まわりから、3本の木が生えてきて、それらにも実が生っているので、ホッとした。

 最後に、拙作を1首。

冬を越しし万両の鉢外に出せば赤実たちまち鳥に食はれつ

     「コスモス」2009年7月号より

2011年2月 7日 (月)

飯田蛇笏「霊芝」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・発行)より、13番めの句集、飯田蛇笏「霊芝」を読みおえる。

 原著は、昭和12年、改造社・刊。

 「霊芝(れいし)」には、千句を収める。第1句集の1,800句より500句を選び、その後の500句を合わせた、第2句集である。

 新しさを出そうとして苦吟したらしいが、この句集では、感性や考え方が古いようだ。

 飯田蛇笏(いいだ・だこつ)は、俳史を知らない僕が知っていた俳人だが、そのあとの発展を知らないで僕は書いている。この「大系」の後の巻には、彼の句集が幾つか載っているだろう。

 以下に5句を引く。

牧へとぶ木の葉にあらぬ小禽かな

谷橋に見る秋虹のやがて消ゆ

山びこに耳かたむくる案山子かな

山深く芽を掻く籠や春の昼

しろたへの鞠のごとくに竃猫

2011年2月 6日 (日)

原稿を書く

 昨日の午前中に書店「KaBoS新二の宮店」へ行った(結局、何も買わず)あと、今日の夕方まで、家に籠って(間をはさみながら)原稿を書いた。

 昨日(土曜日)の午後、同人歌誌「棧橋」106号の原稿を書いた。

 出詠12首は、これまでに書き溜めて、USBメモリに入れておいた連作、20首ほどを印刷して、12首を選んだ。

 それをパソコンのワードで、B5判原稿用紙の形式(20字×10行)に、打ち込んでゆく。

 題詠1首とアンケートも、それに続いて書く(今日の午前に、ポストへ投函)。

 そのあと、同人詩誌「群青」20号の誌面稿を、パソコンで書く。

 同人4名のうち、僕をのぞく3名からは、詩稿が届いている。

 2名2編の詩を、ワード(A4判)で打つ。同人誌はA5判なので、見開き2ページに1編の詩を載せる。中央の空きに、詩の連の空き(4行ぶん)がそれも真ん中に来るようするのが、難しい。

 今日(日曜日)は、「群青」20号のあと一人と、自分の詩を、誌面稿にする。自分の詩は、書き溜めてUSBメモリへ入れておいた作品から選んだ。

 それにエッセイを書く当番(1号1名)らしいので、メモをみながらエッセイ「挫折」を書く。A5判1枚に収まるようにする。

 あと目次と奥付けが残っているが、後日の事にする。

 夕方になって、「コスモス福井」の2月歌会への出詠1首を、これまたUSBメモリの歌稿より選んで、葉書に書き、取りまとめ役のIさん宛てに投函した。

 実はまだ1件、予定があったのだが、止しにした。

2011年2月 5日 (土)

「林芙美子作品集」第6巻

Cimg4648  「日本の古本屋」を通して、熊本県の古書店「舒文堂河島書店」に注文していた、「林芙美子作品集」第6巻「あわれ人妻」が届いた。

 昭和30年、新潮社・刊。

 もう10年くらいも前か、この作品集(全10巻)のうち、第6巻を除く9冊を、古書通販で入手していた。

 数年前から、「日本の古本屋」などで、この第6巻を探していた。箱のない裸本や、1冊4,000円もする本は出たが、それらでは無理だった。

 先日に久しぶりに「日本の古本屋」を覗いて検索してみると、1冊が安く出ていたので、さっそく注文した。

 発行年が古いので、箱や表紙に古びがあり、本文の末尾のほうに染みがあるが、それらは致し方ない。

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