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2011年6月の28件の記事

2011年6月20日 (月)

古井由吉「夜明けの家」

Cimg5130  古井由吉(ふるい・よしきち)の短編小説集「夜明けの家」を読みおえる。

 講談社文芸文庫、2008年・刊、帯。

 12編のうち、最も惹かれたのは、「島の日」という短めの作品である。

 北方の外国の島を訪れたという設定で、作者本人の他、人物がほとんど現れない。海洋などの自然と、鳥などの生物の描写ばかりだ。

 僕が昔、自然描写だけの小説を書きたい、と思った時期があったと思い出した。

 僕が今、取り組んでいる短歌には、自然詠、叙景歌、というジャンルがある。もっとも僕は、人間関係を詠むことが多いけれども。

 初老の鬱や、矛盾するようだが、欲の落ちていく様が、粘っこい心理描写で作品化されているようだ。

2011年6月19日 (日)

ゆりの里公園

Cimg5125 Cimg5126










 午前に、坂井市春江町にある、ゆりの里公園へ行く。同人歌誌「棧橋」に出す、短歌連作を創るためである。

 ゆりの里の連作を、何回か「棧橋」に載せて貰っている。北潟湖畔の花菖蒲園へも行きたいのだが、地理オンチ・方向オンチ・車の運転の下手な僕には、至難の業である。

 ゆりの里公園は、展示圃場(15万輪の百合の花を誇る)約3,800㎡をはじめ、芝生広場・他を合わせ、約4万㎡の広大な敷地がある。

 百合の花は、ほぼ盛りだった。右の写真の奥の建物は、ゆりーむ春江という名前で、催しや売店が開かれる。

 先着?名へのプレゼント、百合の球根を頂いた。帰って来て、家へはいらずに、空いていたビニ鉢2つ(1袋に2球、入っていた!)に植え付けた。秋には開花する筈というお話だった。

2011年6月18日 (土)

ゴスペラーズ「アカペラ」

Cimg5115  ボーカル5人組、ゴスペラーズ(The Gospellers)のアルバムCD「アカペラ(aCappella)」(全12曲)を聴く。

 今年6月14日に購入を報告した3点の、うちの1つである。

 このアルバムには、ハーモニーの美しさを強調した、「いろは」「Tiger Rag」の2曲がある。

 ラブソングに重点を置かないで、「ダークダックス」「デュークエイセス」を進化させたかたちを追求するほうが、息長く活躍できるのではないだろうか。

 近頃の歌曲界に詳しくない、オジサンの言である。

 

2011年6月17日 (金)

「中国仏教の旅 5」

Cimg5112  6月9日の第4集に続いて、「中国仏教の旅 5」を見おえる。

 1981年、美乃美・刊。

 万里の長城の最西端とその砦、嘉峪関の遺跡は、哀れの思いを呼ぶ。

 敦煌に近い莫高窟には古びた仏像(手先の欠けたものもある)や壁画がある。

 大足石窟の明王は、牙があり、睨む眼で、世の悪に怒っている。六臂観音像は、前の両手は印を結び、上の両手にそれぞれ玉か鏡をあらわす円盤を掲げ、右手だけ見える中段の手に剣を握って、豊頬とともに慈悲の姿である。

 これまでページを繰って来た「中国仏教の旅」シリーズも、この第5集で終わりである。

2011年6月16日 (木)

ドナルド・キーン「碧い眼の太郎冠者」

Cimg5107  ドナルド・キーンのエッセイ集、「碧い眼の太郎冠者」を読みおえる。

 中公文庫、昭和63年・7版。

 この文庫本の初版は昭和51年であり、元の単行本は昭和32年発行であり、谷崎潤一郎の序文が付される。

 昭和32年に、日本文学というより日本文化を、海外に広く紹介しようと志す外人は、おそらく彼ひとりだったろう。

 彼の専門は松尾芭蕉の研究との事である。その研究の時間を削ってでも、彼は日本文化の紹介に孤軍奮闘した。

 また日本人の外人に対する、外人の日本に対する、先入観を外すよう、訴えている。

 11編のうち最も興深かったのは、「奥の細道」の跡を辿る「紅毛奥の細道」であった。日本的感性を十分に持つ方だ。

2011年6月15日 (水)

アマリリス2種

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 左の写真は、白花八重のアマリリスである。

 今年の花は、赤みがとても強い。

 右の写真は、赤花のアマリリスである。

 百合やクレマチス他、八重花が新しく品種育成され、豪華な花の時代になった。

2011年6月14日 (火)

「BOOK OFF 二の宮店」にて

 今日は僕の、指定休日である。

 午前に家を出て、S郵便局にて、詩集原稿入りCDを青木印刷(株)に送る。

 喫茶店「アスパシア」に寄る。

 そのあと久しぶりに「BOOK OFF 二の宮店」へ行き、3点を買ったので、以下に挙げる。

  1. ’03年版ベストエッセイ集「うらやましい人」(文春文庫)
  2. ’07年版 同上「ネクタイと江戸前」(同上)
  3. ゴスペラーズのCD「アカペラ」(12曲入り)

 2は比較的新しいので蔵書に無いと思ったが、1は題名を見たことはないが、あるいは自分の本棚にあるかとも思った。

 家で調べると、’02年版と’04年版はあるが、’03年版は抜けていたのだった。

 ゴスペラーズのCDを買うのは、初めてだろう。

2011年6月13日 (月)

「小島ゆかり」

Cimg5102  「シリーズ 牧水賞の歌人たち Vol.6 小島ゆかり」を読みおえる。

 青磁社、2011年5月・刊、174ページ。

 6月5日に、購入を報告した本である。

 批評的な文章の苦手な僕が、よく読みおえられたものだ。ただし「春日井建の世界」も「塚本邦雄の宇宙」も(ともに思潮社・刊)読んではいるけれど。

 僕は彼女の「作品集」と、その後の歌集をすべて、買って読んでいる。

 彼女の明るい笑顔、ユーモアのあるエッセイ、若い時の苦労など、親しみやすい人のように思っていた。

 しかし彼女は、まっすぐな心と、厳しい修練によって、高度なレトリックを得た、遠い高みの人だった。

 かつて「コスモス短歌会F県支部」の先輩が、「小島ゆかりさんは、シンデレラ姫だねえ」と呟いた。

2011年6月11日 (土)

柘榴の花2種

Cimg5095 Cimg5098










 左の写真は、庭の花柘榴の花である。木が大きくなって、高みに咲く。

 右の写真は、鉢植えの実柘榴の花である。

 去年は小さい実が3個生って、1つを育てたが、小さいままだった。

 今年はどうなる事か。

2011年6月10日 (金)

「地球のはぐれ方」東京するめクラブ

Cimg5089_2  東京するめクラブの「地球のはぐれ方」を読みおえる。

 文春文庫、2008年・刊。

 題名は、流行した「地球の歩き方」のもじりだろう。

 東京するめクラブは、村上春樹(作家、隊長)、吉本由美(スタイリスト、エッセイスト)、都築響一(アートデザイン編集者)の、友人3人組の名前である。

 「ちょっと変な所へ」という志向で、名古屋、熱海、ハワイ、江の島、サハリン、清里、を訪れた記録である。

 3人がそれぞれ文章を書き、座談会があり、都築響一による写真が添えられる。

 心地よい場所についてはその理由の分析を、1度は流行ったが今は寂びれた場所についてはその分析と再興策をも上げている。

 アーティストらしく、少し斜に構えた選定と、見どころである。

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