« 2011年8月 | メイン | 2011年10月 »
京都府の三月書房のホームページより、俳句本新本特価コーナーの、「渡辺白泉全句集」を買った。
沖積舎、平成17年・刊。
カバー、帯、栞あり。
値段は、定価の4割(税別)だった。
渡辺白泉は、戦前の新興俳句運動のリーダーの一人だったらしいが、京大俳句事件で検挙され、戦時中は「執筆禁止」だった。
戦後は俳壇の表に、あまり出なかったらしい。昭和44年、56歳で急逝。
おおざっぱに言って僕には、人生探求派の句よりも、新興俳句運動の句が合う気がする。
角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、最後、14番めの句集、竹下しづの女「はやて」(元字は漢字。風に立の字)を読みおえる。
原著は、昭和15年、三省堂・刊。
20年間の作品、335句を収録。
香西照雄の解説に、「彼女は姉御肌の性格で、男まさりの知性と意志と行動力を持っていた。」とある。
以下に5句を引く。
夏痩の肩に喰ひ込む負児紐
古里は痩稲を刈る老ばかり
畑打つて酔へるがごとき疲れかな
化粧(けは)ふれば女は湯ざめ知らぬなり
かたくなに檪は黄葉肯ぜず
結社歌誌「コスモス」2011-10月号を読みおえる。
ただし初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」、他。
これからも読み続けていく予定である。
今号のピックアップ1首は、「COSMOS集」よりS栄子さんの次の作品(115ページ上段)である。
雑草はずんずん伸びて手を掛けし花は枯れたり子育てのごと
なるほど、そうであったか。子供にあまり手を掛けるのは、挫折の素因になるのだろう。
最近のコメント