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2011年9月の28件の記事

2011年9月29日 (木)

江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」

Cimg5329  江國香織の短編小説集、「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」を読みおえる。

 集英社文庫、2005年・刊。

 彼女はこの小説集で2001年、第15回山本周五郎賞を受賞している。

 青年男女の恋、夫婦間の感情を描く、小説10編が収められる。

 テーマは甘い(あるいは苦い)が、描写が浮ついていない。

 また外国での恋を描いても、留学経験があるからか、ストーリーがスムーズである。

 ただしリアリズムというのではなく、感情の表現が豊かなのである。

2011年9月28日 (水)

「渡辺白泉全句集」

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 京都府の三月書房のホームページより、俳句本新本特価コーナーの、「渡辺白泉全句集」を買った。

 沖積舎、平成17年・刊。

 カバー、帯、栞あり。

 値段は、定価の4割(税別)だった。

 渡辺白泉は、戦前の新興俳句運動のリーダーの一人だったらしいが、京大俳句事件で検挙され、戦時中は「執筆禁止」だった。

 戦後は俳壇の表に、あまり出なかったらしい。昭和44年、56歳で急逝。

 おおざっぱに言って僕には、人生探求派の句よりも、新興俳句運動の句が合う気がする。

2011年9月27日 (火)

ウメモドキ

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 庭のウメモドキの実が色づいてきた。

 初冬の頃に、鳥(見てはいないのだが、ヒヨドリだと思う)の餌になる。

 今年はこのウメモドキの他、カリン、ボケの実も、わずかだが生った。

 去年は3種とも、まったく実らなかった。花どきの雨降りの影響だろうか。

 カリンとボケの実は、木の落葉後に捥いで写真を撮り、このブログで紹介したい。

2011年9月26日 (月)

竹下しづの女「はやて」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、最後、14番めの句集、竹下しづの女「はやて」(元字は漢字。風に立の字)を読みおえる。

 原著は、昭和15年、三省堂・刊。

 20年間の作品、335句を収録。

 香西照雄の解説に、「彼女は姉御肌の性格で、男まさりの知性と意志と行動力を持っていた。」とある。

 以下に5句を引く。

夏痩の肩に喰ひ込む負児紐

古里は痩稲を刈る老ばかり

畑打つて酔へるがごとき疲れかな

化粧(けは)ふれば女は湯ざめ知らぬなり

かたくなに檪は黄葉肯ぜず

2011年9月25日 (日)

「現代詩集Ⅱ アメリカ イギリス」

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 「世界詩人全集」(全24巻)より、第21巻「現代詩集Ⅱ アメリカ イギリス」を読みおえる。

 新潮社、昭和44年・刊。

 箱、帯、本体にビニールカバー、月報あり。

 正直、本集の詩の良さが、あまりわからない。

 わかった事として、アメリカの詩の伝統らしいものがある。おおらかで雄大であり、ちまちました所やうじうじした所がない。

 e.e.カミングス(アメリカ、1894~1962)のユーモアを含む詩に、僕は惹かれる。翻訳者の藤富保男も詩人で、彼の詩も以前に好んだものだった。

2011年9月24日 (土)

詩誌「水脈」44号

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 吉田郡にお住いの詩人・T健隆さんが、詩誌「水脈」44号を送って下さった。

 福井詩人会議・水脈、2011年9月・刊。

 I信夫さんが詩では重い筆を起こして、東日本大震災(おもに福島原発をめぐって)への思い「虹のまぼろし」(連作5編の総題)を描いた。

 またS周一さんが、扉の詩「森の小道」と他に「3・11 中野重治詩集を読む」、「山河なし」を書いて、詩作へ本格的に復帰したようだ。

 I信夫さんの「続 すずこ記」⑬⑭も、中野鈴子の死の前後に進んでおり、粘り強い中野鈴子(詩人)研究も高まりに至っている。

2011年9月23日 (金)

「コスモス」10月号

 結社歌誌「コスモス」2011-10月号を読みおえる。

 ただし初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」、他。

 これからも読み続けていく予定である。

 今号のピックアップ1首は、「COSMOS集」よりS栄子さんの次の作品(115ページ上段)である。

雑草はずんずん伸びて手を掛けし花は枯れたり子育てのごと

 なるほど、そうであったか。子供にあまり手を掛けるのは、挫折の素因になるのだろう。

2011年9月22日 (木)

「立原道造詩集」

 今年7月26日の「電子書籍化」の記事で紹介した本の内、8月3日の高見順・詩集「死の淵より」(記事 あり)に続き、「立原道造詩集」を読みおえた。

 原著は、角川文庫、昭和34年・17版。

 中村真一郎・編、総216ページ。

 読みながら新しく気づく事も幾つかあったが、メモを取らず、もう忘れてしまった。

 批評のために読むのではなく、彼の世界にしばし浸って、心を憩わせるために読むからである。

 夭逝した詩人たちの作品は、なんと清しいことだろう。

2011年9月21日 (水)

「りばいばる 研ナオコ」

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 Amazonに注文していたCD、「りばいばる 研ナオコ」が届き、聴いてみた。

 ポニーキャニオン、2006年・発行。

 このCDには、「愚図」「あばよ」「かもめはかもめ」「ボサノバ」「夏をあきらめて」「六本木レイン」など、彼女のヒット曲9曲が収められる。

 大人の女性の失恋を歌って、彼女は上手だ。

 時期は少し過ぎたけれど、夏が逝くときのような気だるさをまとって、1つの峰を成している。

 伴奏のスタイルがそれぞれ違う所も良い。

2011年9月20日 (火)

石田衣良「40」

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 一昨日に購入を報告したものの内、石田衣良の小説、「40 フォーティ 翼ふたたび」を読みおえる。

 講談社文庫、2009年・刊。

 40歳の主人公がやむなく、プロデュース業(個人企業)を起こし、40歳代の顧客の依頼を解決してゆくストーリーである。

 依頼はリアルで、凋落した元IT企業社長、40歳の引き籠り男性をかかえた老両親、フリーター歴20年だが個人起業した男性、など7話であり、主人公はスタッフとともに解決していく。

 人物すべてがある意味で善人で、問題を次々解決して成功を重ねる。

 そんなおいしい話はないよな、と思いながらも、感動する場面の多い小説だった。

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