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2011年10月の29件の記事

2011年10月21日 (金)

「大英博物館 2」

Cimg5406 「NHK 大英博物館 2 エジプト・大ファラオの帝国」を見おえる。

 1990年、日本放送出版協会・刊、175ページ。

 フランスの学者、シャンポリオンが古代エジプト文字を解読する契機となったロゼッタストーンや、石棺に刻まれた図像や文字がある。

 またパピルスに描かれた図像と文字で、鮮明なものも残り、驚かされる。

 それらは王の戦功や、死者の魂を守る文で、高等な文学が残ったとは本に書かれていない。

 ロゼッタストーンによるエジプト古代文字の解読については、幾つかの本(日本語)が出ているようで、読んでみたい。

2011年10月20日 (木)

岡井隆「αの星」

 この10月14日の記事で、購入を報告した歌書、「岡井隆全歌集 Ⅲ」より、初めの「α(アルファ)の星」を読みおえる。

 この本には、6歌集が収められており大部なので、1歌集ごとの感想を報告したい。

 彼の独特さは、短歌を詠む力感と、新しい動きを採り入れる自由さだろうか。

 「月報 Ⅲ」の、荻原弘幸・石井辰彦との鼎談でも語られた、彼の保守転換と、家族詠の作など、6首を以下に引く。

一票を保守派にいれて帰りたりわが過去へあはきサタイアとして

亡ぶなら核のもとにてわが死なむ人智はそこに暗くこごれば

あたらしきことばの河にあそびつつときにまどへり父親なれば

三人子(みたりご)と妻とが作る四重奏隠喩はつねに生(な)まぐさくして

午後九時に鳴れるチャイムは誰(た)がために誰(たれ)が巻きたる留守居し居れば

若きらを遠きさびしきライバルとして生きむかなまさか嫌ふな

2011年10月19日 (水)

「棧橋」No.108

 昨日に紹介した3歌誌のうち、「棧橋」No.108を読みおえる。

 最も好感をもったのは、Y直さんの「娘といっしょに」12首である。たとえば冒頭、

言ふほどでなけれどけふは誕生日娘に従ひ東京へ行く

とあるように、俗にいう「おのぼりさん」の1連だけれど、素直な作品群である。

 見栄をはらず、恥じるような事もしない。

 レトリック豊かな作品も結構だけれど、素直な作品も歌壇にあらねばならない。

2011年10月18日 (火)

3誌の揃い踏み

Cimg5402

















 今月の15日に、同人歌誌「棧橋」No.108が届いた。

 僕は12首連作「ゆりの里公園」を載せてもらった。内容を知りたい方は、僕の第2ブログ「新サスケと短歌と詩」(このブログのリンク集にあり)の、10月16日、17日の記事を、ご覧になってください。

 真ん中の写真は、今月17日に届いた、結社歌誌「コスモス」2011-11月号である。

 右の写真は、今日(指定休日)の午前に、「KaBoSワッセ店」へ行って買った、総合歌誌「歌壇」2011-11月号である。

 これで僕が読む歌誌3誌の、揃い踏みである。

2011年10月16日 (日)

藤井光子「花時計」

Cimg5401 藤井光子さんの第2歌集、「花時計」を読みおえる。

 2003年、砂子屋書房・刊。

 彼女は、愛知県・在住、「未来」所属。

 257首を収める。岡井隆の跋文、「『花時計』の作者に」を付す。

 歌舞伎、能を観劇する教養をもち、国内、外国を旅行しての作品も多い。

 僕の及びもつかない境涯である。(僕は僕なりに詠むしかないだろう)。

 彼女は、心を鎧う場合があるというか、見得をきったような作品が散見されて、気になる。

 以下に7首を引く。

三月は幹の瘤さへつやめくをとりのこされてゐる昼の月

さみだれや春琴ごつこなししとふ潤一郎とその妻松子

山いくつゑぐり採りしかここかしこ巨き窪あり瀬戸珪砂鉱

偏愛に似たれば重くなつかしき聖護院大根抱へて帰る

水面打つ櫂ひそやかにゴンドラは狭き運河の橋くぐりゆく

逃亡はもはやかなはぬ外壁を亜麻色に塗りやさしく棲まむ

PK戦まで追ひつめずひたすらに黒豆を煮む来世紀まで

2011年10月15日 (土)

「大英博物館 1」

Cimg5394 写真集「NHK 大英博物館 1 メソポタミア・文明の誕生」を見おえる。

 1990年、日本放送出版協会・発行。

 全6冊のシリーズである。

 現地(現代)の写真もあるが、多くは大英博物館に所蔵された品である。

 表紙カバーにもあるレリーフは、量が多く、優れていると思われる。

 金銀製品を含む、手工芸品も貴重である。

 しかし、アマチュアながら文学に関わる者として最も惹かれるのは、約30万点とされる粘土板文書である。うち13万点を大英博物館が有している。

 農業、商業の記録が多いらしい。

 しかし「ウル哀歌」、「ギルガメッシュ叙事詩」など、文学に入るものもある。

 いつか邦訳を読みたいものだ。それも全訳で。

2011年10月14日 (金)

「岡井隆全歌集 Ⅲ」

Cimg5389 Amazon内のマーケットプレイス「eco-college」に注文していた、「岡井隆全歌集 Ⅲ」が届いた。

 2006年、思潮社・刊。

 外箱、箱、カバー、月報、資料集成Ⅱ、あり。

 僕は彼の全歌集を、1972年版の1冊本、1987年版の2冊本のⅡ(読了記事あり)、今度の4冊本のⅢと、こまぎれで買っている。

 同店にそのⅣもある事を知りながら、財政的に同時には買えない。

 詩集や歌集を上梓する予定は、別会計である。

 ここに興味深い事実がある。

 「岡井隆全歌集」のⅢとⅣが、Amazonのマーケットプレイスにはあるのに、日本最大級を誇る古書店連合サイト「日本の古本屋」には、1冊も出ていないのである。

 古本の在庫、価格、ともに両グループは、優劣つけがたい所まで至っているのではないかと、僕は推測する。

2011年10月13日 (木)

深沢七郎「千秋楽」

Cimg5377 深沢七郎の小説、「千秋楽」を読みおえる。

 彼の小説を読んだのは、2009年9月9日の短編小説集「楢山節考」(記事あり)以来である。

 新潮文庫、1974年2刷。

 「深沢七郎集」10冊は高価なので買えず、「深沢七郎傑作小説集」4冊を2009年6月12日に買ってあり(記事あり)、その第3巻にも収まっているのだが、今回も文庫本で読んだ。

 著者によると、「日劇ミュージックホール」に出演していた時の見聞を基にした作品らしい。

 芸人の檜舞台に初出演する主人公、ドンチョーをめぐる人々の物語である。

 さまざまな立場の人々だが、人間関係の軋轢がほとんど無く、あっても苦しげには描かれていない。

2011年10月12日 (水)

文庫本2冊

Cimg5371














 先日、久しぶりに「BOOK OFF 米松店」へ行く。

 めぼしいものが無い。店内が沙漠に思えてくる。

 ようやく、江國香織の小説「スイート リトル ライズ」(幻冬舎文庫)と、谷川俊太郎の詩集「夜のミッキー・マウス」(新潮文庫)を買う。

 チェーン古書店では、開店当時は掘り出し物などがあって賑わうが、やがて売れ筋でないデッドストックやそれに近いものが多くなる(チェーン内で、少しは回すだろうが)。

 それにセドラーが現れてから(彼らを非難するのではない)、割安ものが少なく、また値下げもされなくなったようだ。

 古本を売る側も、貴重な本は、「BOOK OFF」などには売らなくなったのか、目にする機会が少ない。まれにあっても高価である。

 CD、DVDは異様に高価だ。

2011年10月11日 (火)

「詩の研究会」10月例会

Cimg5370 今日正午より、F市内の某カルチュアセンターの1室で、「詩の研究会」10月例会が持たれた。

 参加メンバーは、詩誌「群青」同人の僕、こぐま星座さん、AUさんの3名だった。

 テーマは「魔女狩り」で、こぐま星座さんが用意してきたテキストを元にレクチュアした。

 ルネッサンスと重なる時期に、上層階級が主導して、魔女狩りが行われたところに、問題の根の深さがあると、こぐま星座さんは語った。

 メンバーの都合で、1時半過ぎに、次回の日取りなどを決めて、散会した。

 魔女は措いても、占い師、預言者、呪術師、民間療法士、錬金術師が、市民と共生した時代もわるくない。

 科学の恩恵は、僕も重々承知しているけれど。

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