ヒメーネス「プラテーロとわたし」
今年11月19日の記事で、「楽天ブックス」よりの到着を報じた詩集、J.R.ヒメーネス「プラテーロとわたし」を読みおえる。
岩波文庫、2011年3刷。
306ページに138編の散文詩、73ページに306件の訳注、13ページの解説、参考地図2点を収める。
スペインの首都マドリッドで神経を傷めた詩人が、故郷の田園に戻り、けなげな驢馬プラテーロに語りかけ、共に遊ぶ様が、プラテーロへの追悼を含めて、散文詩化されている。
詳細な後注は、めんどうでも確かめたほうが、詩の理解に役立つ。
後半に入って病状が良くなると、初めの療養期より、情が薄くなるようだ。彼は首都に戻り、スペイン内戦の時に脱出し、アメリカ・プエルトリコ・キューバなどで暮らし、祖国に帰らなかった。
1956年、詩人が晩年の75歳のときに、ノーベル文学賞を受けた。
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