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2012年1月の28件の記事

2012年1月31日 (火)

岡井隆「ウランと白鳥」

 思潮社「岡井隆全歌集」第Ⅳ巻(2006年・刊)より、第17歌集(月報の大辻隆弘・編「岡井隆全歌集解題」に拠る)「ウランと白鳥」を読みおえる。

 原著は、1998年、短歌研究社・刊。

 1996年秋、彼が青森県六ヶ所村の原子燃料サイクル施設の視察に参加した際の連作が、冒頭にある。

 以下に6首を引く。

にこやかに核(ニュークリアス)の神官の予防着厚くわれをいざなふ

はるかなる原子炉の火をしたひつつ日にけに甘く熟れゆくウラン

朝粥の滅法辛くうつくしい口調で悲しいことを言ひ出づ

雪になるかも知れないと言ひ合ひて雪になりたるのちの入浴

もう遅いかも知れないがともかくも着手が大事、(さうかさうかな)

くらがりに置き捨てありし書物(ほん)の芽が月光のなかけぶらひわたる

2012年1月29日 (日)

3冊めスマホ本

Cimg5639 3冊めのスマートフォン・ガイド本、「MEDIAS PP スマートガイド」を買う。

 技術評論社、2012年2月・刊。

 Amazonの宣伝メールより、3冊めのスマートフォン・ガイド本を買ってしまった。

 今月18日のこのブログにあるように、既に2冊のガイド本がありながら、なぜこの本を買ったか。

 表紙にもあるように、「いちばんやさしいMEDIAS PPの解説書です」というコピーがあり、前2冊でわかりにくい所のあった僕(初めてスマートフォンを扱う)は、惹かれてしまったのだ。

 また技術評論社は優れた本を出す、という考えが以前よりあった。

 本が届いてみると、3冊の中で版型が1番小さく、記事の配置も辿りにくい。店頭で手に取って、内容を知ったなら、買っていなかった本かも知れない。

 説明内容に、3冊それぞれ良い所があるようなので、学んでゆきたい。

2012年1月28日 (土)

寺山修司「月蝕書簡」

Cimg5638 寺山修司(1935~1983)の未発表歌集「月蝕書簡」を読みおえる。

 田中未知・編、岩波書店、2008年・刊。

 今月18日のこのブログで、「最近入手した」6冊のうちの1冊として紹介した。

 それまでの全歌集を、思潮社「寺山修司コレクション 1 全歌集全句集」で読んでいた。

 僕が高校文芸部員だった頃、彼は劇団「天井桟敷」を旗揚げした後で、歌人としての活躍は、伝説的な話としてのみ読んできた。

 未発表歌集の出版は大きな事業だ。しかし帯文で「文学史は読み換えられるだろう」と謳ったり、1ページ1首としたりしないで、普通の薄い歌集として出版されれば良かった。

 たしかに歌人の間で評判になり、また売れもしたのだろう。しかし後世の人が愛惜し、繰り返し読まれるには、ささやかな形のほうが良かったと僕は思う。

 栞に収められた佐佐木幸綱・寺山修司の対談「現代短歌のアポリア―心・肉体・フォルム」は、短歌より離れたアーティストと、父より結社主宰を継いだ歌人との、かつての前衛歌人の考えを知らされて、興深かった。

2012年1月27日 (金)

詩誌「群青」同人会合

Cimg5632 同人詩誌「群青」のメンバー、僕、こぐま星座さん、AUさんの3人が、久しぶりに会った。

 今日の午後6時過ぎ、喫茶店「モントリオール」の〇〇店にて。

 メンバーに勤務形態の変った人がいて、土曜or日曜or祭日に、会えなくなったためである。

 僕は、AUさんに借りた詩集6冊のうち、郵送した1冊を除く、5冊を返した。

 AUさんは、詩誌「群青」次号の詩稿を僕に、同人詩誌「間隙(カンゲキ)」第32号(AUさんの詩とエッセイも載る)を僕とこぐま星座さんに、渡してくださった。

 あと詩にまつわる話をかわして、7時の喫茶店閉店に合わせて、散会した。

 次に会うのは、「群青」第23号の誌面稿の、編集会議の時だ。

2012年1月26日 (木)

岡井隆「月の光」

 思潮社「岡井隆全歌集」第Ⅳ巻(2006年・刊)より、彼の詩集「月の光」第6章を読む。

 扉に次のように書かれてある。「本書は著者のこれまでに書いた詩作品を編んだ「詩集」である。全六章のうち、既刊全歌集と重複のない最終章のみ収録した」。

 これまで彼の全歌集を読んできたが、詩作品はこれといって僕の内に残っていない。この第6章には、8編の旧仮名遣いの詩が載る。

 彼はその後も詩集を発行し、評価されている。現代詩人の奮起を望みたい。

 以下に1編を引く。


  愉快な仲間

    岡井隆


愉快な仲間がゐないことが鉄則

涙の河におぼれてゐることが鉄則

知るより先に感じることが鉄則

西久保三丁目を馬にのつて走り抜けながら

老いた 武士 は一瞬 鉄則に鞭打ってしまつた

2012年1月25日 (水)

「歌壇」2月号

Cimg5629 総合歌誌「歌壇」2012-2月号を読みおえる。

 特別企画「私が新人賞に応募したころ」では、何回も応募して、あるいは人生を賭けた応募で、受賞した歌人の回想が載る。

 何回も応募しているうち、自分の短歌のスタイルが崩れてしまう歌人がいたそうで、ご注意。

 「コスモス」2012-2月号の作品と合わせて、次のような事を僕は感じる。

 東日本大震災の現実に、言葉と、心の構えを、失った歌人が、月日の生活と作歌の中で、言葉と心の構えを立て直して(もちろん、以前と異なる)きたようだ。

 現実の復興はまだまだだが、冷静に見詰めねばならない。

2012年1月24日 (火)

黄花ミニ薔薇

Cimg5624 先の日曜日(1月22日)に、ホームセンター「みった みゆき店」へ行った時、鉢植えのミニ薔薇があったので、1鉢を買った。

 昨年は赤花のミニ薔薇を買い育て、何回かこのブログにアップした(まだ生きている)ので、今回は黄花種にしてみた。

 6つの莟のうち、手前の2輪が花頃かと、写真をアップした。そのあと、1番開いている花を切った。そうしなければ、6番めの莟まで咲かせられない。

 ラベルには「Parade」とあるけれど、蔵書の「決定版 バラ図鑑」(講談社、2005年6刷)の「ポリアンサ・ローズ ミニチュア・ローズ」の黄花の項にない。念のため「和名索引」で引くと、「パレード」はあるが、その「Parade」は赤花のクライミングローズ(つる薔薇)だった。品種名の国際的な登録機関がある筈だが(洋蘭には、ある)。

 最後に拙作を1首

三月に買ひしミニ薔薇九月には五度めの花を窓辺に咲かす

    「コスモス」2011-12月号より

2012年1月23日 (月)

江田浩之「夕照」

Cimg5622 奥様が送って下さった、江田浩之(こうだ・ひろゆき)氏の遺歌集、「夕照(せきしょう)」を読みおえる。

 2012年1月、柊書房・刊。

 彼が「コスモス」の先輩である外、僕と大きな関わりはない。

 歌集「風鶏」に続く、第2歌集でもある。

 人工透析を受けながら、教師を定年まで勤め上げ、その後に数回の大手術を受けながら、短歌への意欲を絶やさなかった人生である。

 1ページ4首、総223ページはやや重い印象だが、載せたい歌が多く、ページも歌集の体裁をはみださないようにとすれば、こうなるのだろう。

 短歌を抄出しようとして、付箋を貼りながら歌集を読むのは、良い事だ。作品を見きわめ、見落としの無いように読んでゆくから。

 以下に8首を引く。

ワイパーが雨を拭き消すその幅に波のめくるる冬の海原

追憶の母となりたり風中に麦を踏みつつ遠ざかりゆく

取り入れし洗濯物に向かひゐる妻は妻とふ時間をたたむ

水の面に散りし紅葉に口をつけ鯉が押しゆく遊びのごとく

娘が帰り妻が帰りて病室にひとりの時間日暮れてゆけり

目覚むればまだやりなほしできさうな朝がきてをり雀鳴きゐる

利かぬ脚曳きつつすすむ蹌踉と最期にちかづく形かこれは

むらさきの烟なす藤見上げつつもうしばらくは生を楽しまん

2012年1月22日 (日)

「コスモス」2月号

 結社歌誌「コスモス」2012-2月号を読みおえる。

 ただし初めより、「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」(「その二集」「あすなろ集」の特選欄)、「新・扇状地」、他。

 僕の短歌は、「その一集」3首選だった。ううむ。

 付箋を貼った1首は、「月集シリウス」で埼玉県のT政雄さんの5首(16ページ上段)より、次の作品である。

年々に発言力をつけし妻時に上司のごとく物言ふ

 微笑ましく、怖くもある境地だ。

 「コスモス」にも有力な若手が多いが、なんとしても層が薄く、これからの課題であろう。

2012年1月21日 (土)

歌集と拓本

Cimg5618Cimg5616











 先日、江田浩之(こうだ・ひろゆき)氏の遺歌集「夕照(せきしょう)」が、奥様より送って来られた。

 「コスモス」の歌人として以外は繋がりの記憶がないので、かつて所属した「棧橋」の関係、あるいは発行元の「柊書房」のご配慮だろうか。

 ともかく有難いことである。読みおえたなら、このブログで感想を述べたい。

 また山梨県の中国専門店「チャイナ・ウオッチング」のホームページより拓本、王義之「蘭亭序」を買った。右の写真は、その1部である。

 もちろん本物は残っていないので、書写した墨書よりの物だ。

 蔵書の「書道芸術」第1巻「王義之 王献之」に載る、何種かの「蘭亭序」よりも良いとはいえないようだ。

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