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2012年1月26日 (木)

岡井隆「月の光」

 思潮社「岡井隆全歌集」第Ⅳ巻(2006年・刊)より、彼の詩集「月の光」第6章を読む。

 扉に次のように書かれてある。「本書は著者のこれまでに書いた詩作品を編んだ「詩集」である。全六章のうち、既刊全歌集と重複のない最終章のみ収録した」。

 これまで彼の全歌集を読んできたが、詩作品はこれといって僕の内に残っていない。この第6章には、8編の旧仮名遣いの詩が載る。

 彼はその後も詩集を発行し、評価されている。現代詩人の奮起を望みたい。

 以下に1編を引く。


  愉快な仲間

    岡井隆


愉快な仲間がゐないことが鉄則

涙の河におぼれてゐることが鉄則

知るより先に感じることが鉄則

西久保三丁目を馬にのつて走り抜けながら

老いた 武士 は一瞬 鉄則に鞭打ってしまつた

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