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2012年2月28日 (火)

詩誌「野行き」vol.3

Cimg5713 福井市在住の詩人、A幸代さんが、個人詩誌「野行き」vol.3を送って下さった。

 平成24年2月・刊。

 初めより順に、「あじさい」「月夜」「じゃまもの」「釣り」「音」の、5編を載せる。

 穏やかな心境、レトリックは進み、知的好奇心が生きているなど、彼女は秀でた境地にいるようだ。

 亡き父を思い遣る「釣り」にも惹かれるが、今回は以下の「月夜」全編を引用する。なお、作者のご了解は得てある。

  

  月夜

    A幸代


冬の夜

一人で家路を急いでいた

糺の森の中を通るのが

いつもの帰り道


ふと足もとを見ると

葉を落とした木々の枝が

網目状に影を広げている

皓皓とした月夜だ

その中を歩いていた


月と木と自分とがつながる

深い夜に包まれて

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