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2012年4月の34件の記事

2012年4月30日 (月)

しまいの椿

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 軒下の鉢で、2種類の椿の花が咲いた。

 左の写真は、洋種椿「ブラック マジック」(記憶と図鑑に拠る)。

 右の写真は、古典名花「草紙洗(そうしあらい)」(消えかかった名札に拠る)。

 この2花で、今春の椿の花は、しまいである。

 秋にはまた、花に会えるだろう。

2012年4月29日 (日)

葱忌

Photo 今日の午前11時より、三国町・東尋坊の荒磯遊歩道にある詩碑の前で、詩人・則武三雄さんの忌祭「葱忌」が催された。忌名は、詩人の優れた詩の題名に由る。

 則武さんは、全国的には無名な詩人として終わったとされる。

 しかしその膝下には、有力な詩人・作家・評論家が集まり、「則武学校」とまで称された。無私に福井県の文学の興隆に尽くした人である。現代詩作家・荒川洋治さんも生徒の1人だった。

 碑前の「偲ぶ会」には40名を越える人たちが集まった。世話役の方の挨拶(写真はその場面)後、詩碑に献花が行われた。スプレー咲き(枝咲き)のカーネーションを1本ずつ、全員が献じた。

 そのあと、地元高校の演劇部女子生徒3人により、則武三雄さんの詩が朗読された。

 東京よりおいでのご子息の謝辞のあと、某お爺ちゃんの俗曲(詳しくはわからない、内容は故・詩人に関わり深い鴨緑江を唄ったもの)披露により、碑前の「偲ぶ会」は終わった。

 さらに場所を移して、食事と懇話会が行われるのだが、僕はここで辞して車で帰路に就いた。

2012年4月28日 (土)

佐野青陽人「天の川」

 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第4巻(昭和56年・刊)より、13番めの句集、佐野青陽人(さの・せいようじん)の「天の川」を読みおえる。

 原著は、昭和16年、曲水社・刊。

 師・渡辺水巴(俳誌「曲水」)の序文、「序にかへて」の自句1句、大正12年~昭和16年を3期に分けての293句、後記を収める。

 俳号には謡からの意味もあるが、「西洋人」のもじりの意味もあり、戦前の1時期にアメリカ人の経営する米国貿易会社に勤務した事による。

 その時期の経験に由ってか、翼賛的な吟を作さなかった。

 以下に5句を引く。

更くる夜のおとがひまろき雛かな

別るゝもまた愉しげの雛かな

うつむいて菊に触れたり角かくし

大夕立乾きし砂の円覚寺

蛾を食みし蜥蜴熱砂に口拭ふ

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写真は、記事と無関係。ダウンロード・フォト集より。

2012年4月27日 (金)

小川洋子「シュガータイム」

Cimg5934 先の4月23日のブログで購入を報告した2冊のうち、昨日に紹介した「歌壇」5月号に続き、小川洋子の小説「シュガータイム」を読みおえる。

 中公文庫、2011年15刷。

 大量の食事を欲求する大学生・私(過食症とはされず、太りもしない)が主人公である。

 彼女と「吉田さん」はカップルであり、共寝はするけれども性関係はもたない、交際を続けていた。

 その「吉田さん」が、彼の友人の精神科医に頼まれて、対話療法のパートナーとなった女性患者と接している内に、「僕たちは互いに含まれあっているのです」(別れの手紙より)という惹かれ方をし、その女性とソ連へ留学すると告げ、「わたし」は別離してしまう。

 背丈の伸びない病気の弟・航平、友人の真由子を配し、彼女たち4年生の秋、彼女たちの大学の野球部リーグ戦最終戦を観覧し、別離の傷と過食からの解放を描いてフィナーレとなる。

 あとがきで著者の書く「わたしがどうしても残しておきたいと願う何か」は、簡略化するのは失礼かも知れないが、「男女には性関係を越えた愛がある」という事だろうか。

2012年4月26日 (木)

「歌壇」5月号

Cimg5930 総合歌誌「歌壇」2012-5月号を読みおえる。

 おもに短歌作品を読んで、散文では読まなかったものも多い。

 創刊300号である。創刊が1987年6月で、僕が思っていたよりも、ずっと新しい。

 記念とは銘打ってないが、高野公彦氏の特別作品百首「ひとり道」と、特別企画「私と『歌壇』」16氏(各1ページ)を載せる。

 高野氏の「ひとり道」100首は、お酒、エロス、東日本大震災、等を詠んでいる。

 古稀を越えた令名高い歌人の、真情吐露には感慨を齎される。

 僕はこの頃、歳を重ねた歌人の作品に惹かれる。僕が老い始めたのだろうか、訳はわからない。

2012年4月25日 (水)

「コスモス」5月号

 結社歌誌「コスモス」2012年5月号を読む。

 ただし初めより、「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」など。

 今号に発表の「第49回桐の花賞」は、入会5年めのK真紀さんが受賞した。彼女は「コスモス」入会以前より、短歌活動をしていた。

 ブログを運営し、僕もちょくちょく見させてもらっている。

 4月号からなのだけど、幾つか改新の事柄があり、「コスモス」の活気が増していると、僕は感じる。

 付箋を貼ったのは、「その一集」特選の、S礼さんの次の1首(30ページ下段)。

春立つといへどもつづく雪の日々紅あざやけき花の絵を描く

 僕は絵を描けないので、春の前には、ネットの「さくら品種図鑑」(約140種類)や「ことりのさえずり」(写真と鳴き声あり)を観ることが多い。

木瓜と沈丁花

Cimg5918Cimg5920







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 庭で花木の花が咲いている。

 上2枚と左下は、木瓜の花である。

 それぞれ名前の付いた苗を買って、庭に植えたのだが、今は品種名はわからない。

 木瓜は鉢植えのほうが良いようで、庭に植えても趣きが少ない。

 右下は、白花沈丁花である。かすかに匂う。

2012年4月24日 (火)

桜2種

Cimg5922Photo









 当地では、桜の染井吉野は散りつくした。

 僕の庭では、2種の桜が咲いている。

 左の写真は、薄紅色の八重咲き。今の家が建てられた時、父が植えてくれた。

 右の写真は、鬱金桜。僕が若かった時、苗を買って植えた。

 2本とも大木になって、高くの枝で花が咲く。

 庭で2本の桜を眺められる事は、幸せな事だと思う。

 拙作を1首。

庭に出て鬱金桜を見上ぐればあまた花ありホウと讃へぬ

    「コスモス」2003年8月号より

2012年4月23日 (月)

歌誌と小説

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 先日、書店「KaBoS Wasse店」へ行き、2冊を買った。

 歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2012年5月号は、創刊300号である。

 高野公彦氏の特別作品百首「ひとり道」が載る。

 また小島ゆかり氏の岡野弘彦氏への連続インタビューも始まった。

 小川洋子の小説「シュガータイム」は、中公文庫、2011年15刷。

 彼女の小説は「博士の愛した数式」を読んだ(2011年5月17日の記事に、からめの感想あり)。

 「シュガータイム」は純な恋物語のようで、「汚れつちまつた悲しみ(中原中也の詩より)」を感じるオジサンには、惹かれるものがある。

2012年4月22日 (日)

阪本越郎「貝殻の墓」

 彌生書房「阪本越郎全詩集」(昭和46年・刊)より、詩集「貝殻の墓」と「貝殻の墓 拾遺」を読みおえる。

 原著は、昭和8年、ボン書店・刊。

 本編の「貝殻の墓」「軽井沢の蝶」の章は、1編4行の詩が19編続く。その他の詩も短く、終編の「対照」のみがやや長い。

 ハイカラなウイット(機知)の詩編である。会話や俳歌でなら良いかも知れないが、詩(短詩ではあるが)においては、西欧異国風とはいえ、物足りない気がする。

 以下に1編を引く。


  幸福

    阪本越郎


バグダッド―――カイロ間飛行情報

アンゴラ産の黒猫はもう流行(はや)らない

聖者たらずんば乞食たれ

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