同人詩誌「青魚」No.76の10冊が、編集のT晃弘さんより、送られて来た。
2012年4月20日、鯖江詩の会・発行。
B5判40ページ、同人16名、 おもに上下2段組。
「青魚」は、鯖江市を中心とした同人詩誌だが、鯖江市以外に住む同人も多い。
僕は4ページにソネット8編、「布団」「首の牽引」「栞」「おじさん」「ひるがえる」「工場」「熟柿」「早朝」を載せてもらった。
内容は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」(このブログのリンク集にあり)の、明日以降の記事にて紹介する予定。
M幸雄さんの英語詩翻訳を始め、T晃弘さんの「書家飯澤景舟」他1編、T幸男さんの「青鷺の別盞(うき)に唄へば」他9編(ペン書き縮尺、8ページにわたる)、その他力作揃いなので、読みおえたならまた報告したい。
青幻舎「永井陽子全歌集」(2005年・刊)より、2番めの「なよたけ拾遺」を読みおえる。
原著は、1978年、短歌人会・刊。第4回・現代歌人集会賞・受賞。
題名は、劇団「四季」の「なよたけ」の舞台を観て、触発された為と言われる。
短歌343首、短い物語4編、評論「式子内親王――その百首歌の世界」を収めるが、僕は短歌をのみ読み、物語の短歌以外の文、評論は読まなかった。
私性を越えること、古典和歌へのまねびなど、無理をしていると感じられる事がある。ただし、のちの歌集を拾い読むとなめらかな流れになっているようで、読むことが楽しみである。
以下に7首を引く。
かぜのやうに大きなつばさ来てとまるこのたそがれの山野にねむれ
月光にもえたつ石の世界より汝れは来たりき掌のないままに
ひとつびとつうちくだかれて生くる背をいざなふやうに天のゆふやみ
火の風土かぜの風土をかたり継ぐこころに生きてはるかなる空
かごめかごめうるしもみぢの輪の底ひちひさき鬼は眸を閉ぢてゐる
春の夜に逢へば鳴る骨それよりもなほとほくちちははの骨鳴る
そらの喪へひそかにふくす麦秋のこころの底を流れゆく耳
「定本 阪本越郎全詩集」(このブログの2007年7月1日の記事に、購入の報告あり)より、詩集「雲の衣裳」と「雲の衣裳 拾遺」を読みおえる。
原著は、昭和6年(1931年)、厚生閣書店・刊。
春山行夫・編集の「詩と詩論」に触発された、モダニズムの詩である。
短い散文詩の多い点が、特徴だろう。
戦前の上流階級出身の青年(彼の生年、父は福井県知事であった)の、西欧への稚い憧れが、戦時下・敗戦を経て、どう変貌して行くのか、僕の関心がある所である。
この「定本 全詩集」は、彼の児童詩、海外詩の翻訳も収めた(他に詩論、童話の翻訳等があるが)、優れた1冊である。写真は、箱の表である。
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