佐野良太「樫」
角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、2番めの句集、佐野良太「樫」を読みおえる。
原著は、昭和17年、新土社・刊。
師の臼田亜浪(「石楠」)の序、387句、自跋「巻末に」、選をした甲田鐘一路の「編者として」を収める。
著者の家は昔からの豪農で、大学を卒業しながら、専門の職には就かなかった。
出征兵士の歓送、戦死者への家、に哀れみの句を吟じながら、巻末に「十二月七日 国顫へり一塊の土も穭も」「日米開戦 吾等つひに起てり降る雪もたのし」の2句があるのは、宜しくない。
以下に5句を引く。
青東風や浜の雀は草に落ち
まらうどよ刺身もつまも氷りたり
青天へ木兎がとび出し雪崩かな
青白き月と見る間に吹雪きけり
虹鱒は星明りにも逸るなり
ダウンロード・フォト集より。
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