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2012年9月26日 (水)

中村汀女「汀女句集」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、8番めの句集、中村汀女「汀女句集」を読みおえる。

 原著は、昭和19年、甲鳥書林・刊。

 高浜虚子の書簡文序、星野立子の序、1125句、あとがき、を収める。

 彼女の第2句集だが、第1句集「春雪」の作品もすべて収録した。

 転勤族の夫に付いて各地を回り、子供たちを育て、戦時下にありながら、豊かな俳句を創り続け得たのは、生活が苦しくなかった丈ではなく、彼女の聡明さと優しさに由るのだろう。

 以下に5句を引く。

夜の客に手探りに葱引いて来し

秋風にある噴水のたふれぐせ

横浜に住みなれ夜ごと夜霧かな

振りかへり消ゆる土筆もありにけり

   (直前の2句と合わせ、反戦句か?)

寒鮒が売れ新宿の灯の早し

Phm02_0304
ダウンロード・フォト集より、紅葉の1枚。

プロの構図である。

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