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2012年11月の28件の記事

2012年11月20日 (火)

黄葉、他

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 左の写真は、庭の公孫樹の黄葉である。

 毎年書くが、庭木が混み合って、全体を写す良いポイントがない。

 銀杏がたくさん落ちているが、拾う手間がない。いつ拾うのか。

 右の写真は、軒下より内玄関に取り入れた鉢物類。

 初公開。椿、アロエ、折り鶴蘭2種など、20鉢くらい。枯らさずに越冬させたい。

 この2枚の写真は、11月12日に紹介した新しいカメラで、(700万画素で)写したものより。

2012年11月19日 (月)

石原吉郎「水準原点」

 花神社「石原吉郎全詩集」(1976年・刊)より、4番めの「水準原点」を読みおえる。

 原著は、1972年、サンリオ出版・刊。

 石原吉郎は、シベリア抑留を体験する事に由って、詩人となった。

 戦時日本の、シベリア抑留の、戦後日本の、倫理を問い続けて、人間的であった。

 彼のその後の詩と、彼の散文を読んでいない(彼の全3巻の全集に含まれる)ので、その心の経緯を僕は語れない。

 以下に、彼の短めの詩を1編、丸ごと紹介する。

  

  右側の葬列

    石原吉郎


その右側の葬列のため

ひたすらに その

ひだりがある

ひだりへ流れる

布の蒼白がある

蒼白のための

わずかな紅(くれない)がある

紅を点ずる

さいごの仕草がある

仕草をおさえる

おしころした手がある

その手ではじまる

葬列の右側がある

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 ダウンロード・フォト集より、野の花木の1枚。

 本文とは無関係。

2012年11月18日 (日)

小島和子「雪ふる音」

Cimg6593 小島和子さんの歌集、「雪ふる音」を読みおえる。

 昭和50年8月、柏葉書院・刊。

 箱、本体にビニールカバー、口絵1枚、宮柊二氏・題簽。

 昭和32年~48年に、「コスモス」へ発表した作品より、田谷鋭氏・選の367首を収める。

 彼女は「コスモス短歌会」F支部の草分けらしく、実弟の現・支部長よりエピソードを伺う事がある。

 彼女は医師と結婚しひとり息子を得るが、彼女25歳の時に夫が結核で逝き、彼女は教壇に復帰、しかも彼女も結核と闘病する事態となった。

 彼女のひとり息子が婚約して、親の責任の大半を終えたと感じ、歌集出版の運びとなった。

 僕がF支部歌会に参加した平成6年には、もういらっしゃらなかった(昭和56年に亡くなられた)。

 以下に7首を引く。

費えせぬ一日なりしを喜べる心もあはれひとり夕餉す

レモン削ぐ手許を友の褒めくれき長き独りに馴れてわがする

わが編みし黄のネクタイを翻し樟の木下を夫かへり来ぬ

来む世にもをみなと生れ添ひたしと言ふに臨終(いまは)の夫頷きし

手放しに歔(な)くも覚えつ床に嗅ぐコテイ香水は亡夫がくれし

部屋隅に吹き寄せられし花びらも吸はせつつ押す掃除機重し

古毛糸編みつつテレビ見るわれの独り笑ひてやがて寂しき

2012年11月17日 (土)

歌誌2冊

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 結社歌誌「コスモス」2012年12月号が、今日の午後に届いた。

 僕の歌は、(10首提出のうち)4首選だった。

 「本年度後期の歌集批評特集」があり、14冊が紹介されている。

 また今日午後、書店「Super KaBoS ワッセ店」へ行き、総合歌誌「歌壇」2012年12月号を買った。

 年末のせわしさが迫って来るようだ。

2012年11月16日 (金)

三木卓「野鹿のわたる吊橋」

Cimg6587 三木卓の小説「野鹿のわたる吊橋」を読みおえる。

 集英社文庫、1998年2刷。

 購入は、2010年9月2日の記事、「文庫本2冊」で、「BOOK OFF 米松店」で買った、とある。

 2年余り待たせてしまった。

 また彼は詩人であり(思潮社・現代詩文庫「三木卓詩集」の読了は、2011年5月7日の記事にあり)、しかしいわゆる詩人の小説のように、文章に凝り過ぎる事はない。

 この小説は、男が女と出会い、性的に溺れて行くうちに、以前の恋人を捨て、老母を捨て、離婚した妹を捨て、会社を捨て、東京での生活を捨て、叔父を頼って北海道で暮らす事になる。

 ある時代の、ある感性の世代なら、ありうるストーリーとして読み、キャッチコピーにあるほど際どい話とは感じなかった。

 

2012年11月14日 (水)

エッセイ集「司馬サンの大阪弁」

Cimg6585 日本エッセイスト・クラブ編「’97年版ベスト・エッセイ集 司馬サンの大阪弁」を読みおえる。

 文春文庫、2000年・刊。

 無職・主婦から、作家、大学教授に至る人の、61編を載せる。

 「’〇〇年版」とは、その年の前年に紙誌に発表されたエッセイより選ばれた、という事で、僕は当年と思って勘違いな感想を書いた巻もあった。

 作家・高井有一(1932~)の「時代遅れ」は、パソコンどころかワープロさえも使わない、自負の弁を述べている。もっともこのエッセイで僕は知ったのだが、彼は旧かなを用いている。それでは、ワープロ、パソコンで文章を書くのは、大変だろう。

 作家・佐江衆一(1934~)は「老いの坂道」で、88歳の母を見送り、98歳になる父の介護をしていると書く。還暦の時にあと5年間の計画を立て、ほぼ実現できそうで、65歳にはまた5年間計画をたてる、と至ってお元気である。

 僕は両作家の小説を1冊も読んでいないが、蔵書にはあるので、是非読んでみたい。

2012年11月13日 (火)

石原吉郎「斧の思想」

 花神社「石原吉郎全詩集」(1976年・刊)より、3冊めの「斧の思想」を読みおえる。

 彼は「残り火・1」の冒頭「そのひとところだけ/ふみ消しておけ/そういう/ゆるしかたもある」と書いたが、モチーフであろうシベリア抑留が「許される」事ではなかった。ソ連が崩壊し、その理念も崩壊した。

 表題作の「斧の思想」では、「森が信じた思想を/斧もまた信じた/斧の刃をわたる/風もまた信じた」と語る。何にでも哲学はある。「斧の思想」が、シベリヤでの森林伐採使役を合理化しようとするものなら、のちの世代の僕らは、否定し得る。

 「背後」では、「打つものと/打たれるものが向きあうとき/左右は明確に/逆転する/わかったな それが/敵であるための必要にして/十分な条件だ」と書いて、敵対の原型を描いた。

 彼は詩を書き、許す事に拠って、許されたのだろうか、ソ連崩壊も知らずに。

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ダウンロード・フォト集より、湖の1枚。

本文とは無関係。

2012年11月12日 (月)

デジタルカメラ

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 新しいコンパクト・デジタルカメラを、Amazonより買った。

 「PENTAX OptioVS20」である。1600万画素、光学20倍ズーム、1センチ・マクロなど、高機能である。付属品等を含めて、1万2千円くらいの買い物だった。

 写真は、左側奥より、カメラ(ストラップ、メモリ、バッテリー、装着)、USBコード、予備バッテリー2個。右側奥より、ケース、ソフトCD(未導入)である。バッテリー充電器を入れる事を忘れた。

 今年3月5日の記事で、「週刊アスキー」を取り上げた時、「小型・軽量、高機能、廉価な、ミラーレス1眼カメラの出現を信じる」と書いた。ミラーレス1眼ではないが、ほぼその願望を満たしてくれる。コンテストに出すのではないから。

 昨日の忘年歌会の写真は、このカメラで(700万画素で)撮ったものである。

 しかしこのカメラには、本などを撮って、画面一杯の長方形にトリミング・修整するモードが無い。本・冊子を撮る時は、これまでのカメラを使わねばならない。

 明日、旧いカメラ用の、バッテリーとメモリーを買う予定である。

2012年11月11日 (日)

県支部・忘年歌会

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 今日午前11時より、フジタホテルのあるレストランにて、コスモス短歌会・F支部の忘年歌会が持たれた。

 事前1首出詠は15名、当日参加者は13名だった。

 今日は時間がないので、U支部長が15首について、講評を述べ添削例を示して、歌会は進んだ。今日が支部歌会にデビューという、新しい女性が見えた。12時半までかかった。

 それより忘年会である。おいしい中華料理と、ビール、ノンアルコールビール、日本酒、ウーロン茶を摂りながら、楽しく歓談した。

 写真は、左が歌会、右が忘年会の、様子である。

 午後2時に、妻の迎えの車が来たので、盛り上がるなか挨拶を告げて、僕は失礼した。

2012年11月10日 (土)

山口誓子「激浪」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、9番目の句集、山口誓子「激浪」を読みおえる。

 この句集は、昭和19年11月に青磁社で活字に組まれたが、世に出なかった。その貴重な1冊を某氏が所蔵し、ここに収められた。

 昭和21年7月、削除・追加等を加えて、青磁社から実際に刊行された。

 この巻の句集では、川田順の序歌4首、1,254句、編集後記、等を収める。

 前回の9月26日、中村汀女「汀女句集」より、ずいぶん月日が経ったが、この句集がこの第5巻の難関だったからである。多くの戦争俳句を含み、後記でも激越である。しかも「誓子俳句のピーク」(平畑静塔)などと、のちに高く評価されている。

 書く事は、恐ろしい事である。

 以下に5句を引く。

牡丹見るこの驕奢のみ許さしめ

崖攀ぢて蟹いつまでも砂こぼす

蜥蜴出て走りぬ曝書たけなはに

蟷螂に既にあらしの先迫る

海の筋いづれも秋の祭の灯

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ダウンロード・フォト集より、樹木の1枚。

本文とは無関係。

 

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