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2012年12月の28件の記事

2012年12月29日 (土)

仕事納め

 昨日が、僕らの職場の仕事納めでした。

 現場8人で、320余台の車の、荷物を受け取りました。とても忙しかったですが、僕も知っている昔に比べれば、少ないものです。

 今日をもって、今年のこのブログの仕舞いとします。ありがとうございました。

 皆様、佳いお年をお迎えください。

2012年12月28日 (金)

前田普羅「春寒浅間山 増訂版」

Cimg6677 次に挙げる句集より、角川書店「増補 現代俳句大系」の第6巻に入る。

 全15冊を購入し、第1巻の句集より紹介してきたが、第15巻の終りに至る事があるのか、至れるとしていつ頃なのか、今の僕にはわからない。努力は重ねるつもりである。

 第1番めの句集、前田普羅「春寒浅間山」を読みおえる。

 原著は、昭和21年、靖文社・刊。215句。

 戦時中の後ろめたい事は除いて、しかも隠したと批判されてはいけないので度の軽い句をわずかに載せ、第2芸術論の吹き荒れる中で句集を出版するのは、著者は心苦しいかも知れないが、読者も心苦しい、と感じてしまうのは、僕の考え過ぎだろうか。

 以下に4句を引く。

雉子啼き轍くひこむ裾野径

春の月さしこむ家に宿とりて

吾亦紅くらし指す人もまた

うつり行く蝶々ひくし秋の山

2012年12月27日 (木)

エッセイ集「母のキャラメル」

Cimg6676 日本エッセイスト・クラブ編「’01年版ベスト・エッセイ集 母のキャラメル」を読みおえる。

 文春文庫、2004年・刊。

 先の12月10日付け記事「’00年版 日本語のこころ」に継ぐ本である。

 僕の好む「ほのぼの・しみじみ路線」の話が少なくなった。

 そういう、ささやかな幸せを感じ取る、余裕のない時代だろうか。

 なお初出誌が「室内」というエッセイが2編ある。

 エッセイストでもあった山本夏彦が、インテリア専門誌「木工界」を発行し、「室内」と改めて1961年~2006年に発行された。

 志向は僕と違うようだが、粋な計らいである。

2012年12月26日 (水)

「歌壇」1月号

Cimg6671 12月19日の記事で紹介した歌誌2冊のうち、「歌壇」(本阿弥書店)2013年1月号を読みおえる。

 ただし散文のうち、読まなかったものもある。

 「新春巻頭16首」では、トップの馬場あき子さん「吹割りの滝ほか」が興深く惹かれた。

 「吹割りの滝」をめぐる作品の他、ホームレスの人や、米空軍の厚木基地まで、心に掛けている。

 僕は「馬場あき子全集」の歌集篇までの歌集は読んでいるが、その後の歌集を読んでいない。

 「コスモス」「棧橋」所属の田宮朋子さんが、「短歌と随想十二か月①あんぎん」で、7首とエッセイを載せている。

 彼女の短歌とエッセイの12回を、楽しみにしている。

2012年12月25日 (火)

「群青の会」会合

Imgp0034 今朝、詩誌「群青」同人の、こぐま星座さんより電話があり、今日昼に「群青の会」のクリスマス祝いと忘年会を兼ねて、レストランで会食しないかと話があった。

 僕とAUさんの都合により、午後1時、喫茶店「モントリオール K店」で会う事になった。(写真は、店の表の1部である)。

 3人の今年の感慨や、これからのお互いの方向性のアドバイスなど、話し合った。

 のちに(事情により)、こぐま星座さんにわが家に来てもらって、例の新スピーカーで(12月18日の2番めの記事にアップ)、「寺内タケシとブルージーンズ」や「ピンクレディ」のCDを聞きながら、文学談義をかわした。空調のきかない応接間で、寒がりながら。

2012年12月24日 (月)

川辺古一「北枝」

Cimg6669 川辺古一氏の第4歌集「北枝」(ほくし)を読みおえる。

 1981年、石川書房・刊。

 箱、題簽(本体の)・宮柊二、501首。

 1975年(49歳)~1980年(54歳)の作品である。

 氏の経歴については、第3歌集「駅家」を紹介した、このブログの2012年11月27日の記事を、参照されたい。

 自然、社寺への旅行詠に氏は、平静というより沈潜した心境を見せる。

 心の騒がしい僕は、畏怖さえ感じる。

 以下に8首を引く。

紀三井寺急階段に息喘ぐわれを笑ひて老婆は立てり

松本の石仏群を見にゆきて三日も経つに子は帰り来ず

冷害を嘆く農夫と白河の関あといでて東へ向ふ

水槽の底に葛粉の固まるを鉄槌もちて人は割りゆく

乾きつつ白く光りて縁側に張子の馬の数頭ならぶ

弟の葬儀を見むとあつまりし少年達にキャラメル配る

七重八重石の仏にからみつき花咲かせをり定家かづらは

渓谷に秋の光の及ぶとき影のごとくに虹鱒泳ぐ

 なお漢字の1部を、正字より略字に替えてある。

2012年12月23日 (日)

大野林火「早桃」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、最終13番めの句集、大野林火(おおの・りんか、1904~1982)の第3句集「早桃」(さもも)を読みおえる。

 原著は、昭和21年、目黒書店・刊。

 第1、第2句集より121句、その後6年間の472句、後記を収める。

 戦後すぐに、これまでの句集抄と合わせて句集を出版している事、角川「俳句」編集長時代に「社会性論議」をリードするなど、俳壇の遣り手らしく、僕は好感を持たない。

 以下に5句を引く。

煙草喫(す)ふゆとり冬日の落つるまで

母と子に厨しづけし秋茄子

疲れしるく梅雨の電車の蒸れに立つ

焼トタン錆を流しつ梅雨つづく

炭熾(おこ)る匂ひ流れて日の出かな

Phm10_0888
ダウンロード・フォト集より、大地の1枚。

本文とは無関係。

2012年12月22日 (土)

「コスモス」2013年1月号

 結社歌誌「コスモス」2013年1月号を読みおえる。

 ただし初めより、「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」、第59回O先生賞受賞作「時は返らず」「白蝶貝」、他。

 僕が今回、付箋を貼ったのは、32ページ上段、「その一集」特選欄のHのりこさんの5首のうち、次の作品である。

おろしたての長袖シャツにGパンでやや秋めける原宿に来つ

 東京の方だが、やや改まった気持ちで、原宿(地理オンチの僕は、生涯、訪れる事はないだろうな)に来た思いを述べている。

 同誌はこれからも、読み続ける予定である。

2012年12月21日 (金)

長谷川素逝「暦日」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、12番めの句集、長谷川素逝(はせがわ・そせい)の、最終第6句集「暦日」を読みおえる。

 原著は、昭和21年、宝書房・刊。

 323句を、24節気の小題に分けて収める。

 彼は、第1句集「砲車」の戦争吟で有名であり、この「大系」の第3巻に収められている。僕は、戦争における庶民の残虐さの表れとして、取り上げなかった。

 彼は病んで帰還、「暦日」では自分の近い死を覚って、寂光のなかの句境であろうか。

 以下に5句を引く。

円光を著て鴛鴦の目をつむり

春めくと障子をしめて机にもどる

木蓮のつぼみのひかり立ちそろふ

飛鳥路の秋はしづかに土塀の日

ぬきんでて八つ手の花の日なたあり

Phm10_0874
ダウンロード・フォト集より、大地の1枚。

本文とは無関係。

2012年12月20日 (木)

伊藤麟「蛍まつり」

Cimg6667_2 伊藤麟氏の歌集「蛍まつり」を読みおえる。

 1980年(昭和55年)、伊麻書房・刊。

 僕と氏との関わりは、「コスモス」2008-2月号の氏の追悼特集について書いた、このブログの2008年1月26日の記事を読んでいただきたい。

 その誌も残っていないが、代表歌、年譜なども載っていたと記憶する。

 「コスモス」では「螢」の字を用いる人が多い中、当時でも「蛍」の字を用いる、或は箱の歌集名を横書きにするなど、先進的な考えの歌人だったようだ。

 また詩的な表現の短歌も多い。

 写真は、箱の表である。染みが多くある。

 以下に5首を引く。

つばらかに想ひ出せねど悔恨のわれのくれなゐ柘榴(ざくろ)咲きたり

前肢を揃へて水を舐(な)むる虎、年逝かむここ日本の園に

あはれなる絵島の墓に来て屈みさて立ち上がり四方(よも)の寂けさ

峰移る霧の微粒は顔を打ち押し黙りたり山上の九人

船と岸テープ投げ合ふ喚声の露語を解せず吾は異邦人

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