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2012年12月 4日 (火)

京極杞陽「くくたち 下巻」

 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第5巻(昭和56年・刊)より、11番めの句集、京極杞陽「くくたち 下巻」を読みおえる。

 原著は、昭和22年、菁柿堂・刊。

 先の11月30日に紹介の、上巻に継ぐ。

 高浜虚子・序文(上巻と同文)、266句、後記を収める。

 この「くくたち」上下巻の内容は、敗戦前にほぼ定まっていたが、混乱の中でそのままになっていたものを、菁柿堂が出版したとの事である(上巻の自筆後記に拠る)。

 下巻の昭和17年~20年(敗戦直後を含む)の句にも、全く戦争吟がなく、僕には驚きである。

 以下に5句を引く。

秤置き駄菓子を売れる支那夜店

名刀ををさめし蔵に虫時雨

秋の夜を昼の如くに画きしゴホ

春空へ砂なげ上げてあそぶ子ら

若き画家雪の但馬の景をほめ

Phm02_0332
ダウンロード・フォト集より、黄葉の1枚。

本文とは無関係。

 

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