« 「コスモス」と「歌壇」 | メイン | 長谷川素逝「暦日」 »

2012年12月20日 (木)

伊藤麟「蛍まつり」

Cimg6667_2 伊藤麟氏の歌集「蛍まつり」を読みおえる。

 1980年(昭和55年)、伊麻書房・刊。

 僕と氏との関わりは、「コスモス」2008-2月号の氏の追悼特集について書いた、このブログの2008年1月26日の記事を読んでいただきたい。

 その誌も残っていないが、代表歌、年譜なども載っていたと記憶する。

 「コスモス」では「螢」の字を用いる人が多い中、当時でも「蛍」の字を用いる、或は箱の歌集名を横書きにするなど、先進的な考えの歌人だったようだ。

 また詩的な表現の短歌も多い。

 写真は、箱の表である。染みが多くある。

 以下に5首を引く。

つばらかに想ひ出せねど悔恨のわれのくれなゐ柘榴(ざくろ)咲きたり

前肢を揃へて水を舐(な)むる虎、年逝かむここ日本の園に

あはれなる絵島の墓に来て屈みさて立ち上がり四方(よも)の寂けさ

峰移る霧の微粒は顔を打ち押し黙りたり山上の九人

船と岸テープ投げ合ふ喚声の露語を解せず吾は異邦人

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/30640371

伊藤麟「蛍まつり」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート