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2013年5月の39件の記事

2013年5月25日 (土)

詩誌「天彦」5号

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 県内にお住まいの詩人、民俗学者であるK久璋さんが、詩誌「天彦」5号、「角」第29号を送ってくださった。

 まず「天彦(あまびこ)」5号を紹介する。

 美浜 詩の会、2013年3月・刊。

 詩は8名の11編、3編のエッセイを収める。

 O純さんの「露の玉」は、里芋の葉の上の露がころげて地に滲み入るまでを描く。寂光のさす境地であろう。

 K久璋さんの「生成 Ⅰ」は、短い詩を11編連ねて、暗喩の世界を築く。ルナールの「博物誌」を、僕は連想した。

 第1連を引く。


1 石に押しつぶされているのではない

シジフォスのように

石を持ち上げているのでもない

石の下の隙間を虫けらが塒にしているだけだ


 「あとがき」に拠れば、「美浜詩の会」は公民館講座からサークル化して5年を経る。地方からの初心者を含めての発信は、大事なことである。

 

2013年5月24日 (金)

赤花ミニ薔薇

Photo








 今月19日の記事でアップした、黄花ミニ薔薇に続き、キッチンの窓辺で、赤花ミニ薔薇の2輪が咲いた。今年初めての開花である。

 去年の最後の開花は、2012年10月5日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 またこの株の最初の開花は、2011年3月22日の記事(←リンクしてある)にアップした。その記事に拠ると、購入は東日本大震災の前の、3月9日である。

 その時の写真に比べると、3年めの花容はさすがに下がっている。

 鉢の中は根詰まりしているだろうが、大きな鉢に植え替えると、ミニ薔薇のキュートさがなくなるようで、植え替えないつもりである。

 

2013年5月23日 (木)

川越惠子「庭の音」

Cimg6993 東京都にお住まいの歌人・川越惠子さんの第1歌集、「庭の音」を読みおえる。

 2007年、砂子屋書房・刊。

 帯。岡井隆・跋。約350首、エッセイ3編。

 彼女はNHK学園短歌教室で、岡井隆の指導を受け、「未来」に入会した。

 どことなくおっとりした歌風を、岡井隆は跋文で、NHK学園出身のせいのように書いている。しかし僕は、彼女が商家(拡大→衰退→安定、を経ている)の、いとはん(良家の娘の敬称、おもに京阪言葉)の性格が身についているのだと思う。

 以下に7首を引く。


捨てられし一升瓶が浜風を詰め込んでゐる小坪海岸

生前にしかと見ざりし父の目を遺影に寄りてしみじみと見る

ノースリーブの肩を過ぎゆく今朝の風細き芯ある風と思はむ

スプリンクラーの水の翼はのびやかにアンダルシアの野に回転す

うす暗き楠の大樹の下に待つ思ひ出し笑ひ呑み込みながら

おほどかに風車の廻るロンドンに我等着きたり夏至の夕べに

柚子の香の残る右手を胸の前で小さく振つて母を見送る

 

2013年5月22日 (水)

「コスモス」6月号

 5月18日の記事、「『コスモス』と『歌壇』」(この記事より下にスクロールすれば、見られる)に書いた2誌のうち、「コスモス」2013年6月号を読みおえる。

 ただし初めより、「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」など。

 散文の「展望」、「日本語こぼれ話15 狂歌の時代」、「気になるホン・ほん・本」なども読む。

 僕が付箋を貼った1首は、「その一集」特選より、奈良県・N克至さんの次の作品である。

「お疲れさま」「ご苦労さま」と生徒らに声掛けられぬ最後の授業

 教職に就いてからの苦労が、溶解するのではなかろうか。そんなに甘くないか。

Phm10_0570
今日は、昨日よりも暑かった。

さらに涼しげな1枚を。

2013年5月21日 (火)

鈴江幸太郎「雅歌」

 初音書房「鈴江幸太郎全歌集」(1981年・刊)より、5番めの歌集、「雅歌」を読みおえる。

 今月9日の記事(←リンクしてあり)で紹介した、「柘榴の家」に継ぐ歌集である。

 原著は、1953年、林泉短歌会・刊。446首。

 1951年(52歳)~1953年(54歳)の作品を収める。この時期、作者には大きな事柄が多くあったようだ。

 まず長女(亡くなった先妻との娘)の結婚。

 「アララギ」の先輩、岡麓と斎藤茂吉の逝去。

 そして自身が主宰する歌誌「林泉」の創刊。

 住友電工(株)社史編纂の仕事を続けながら、短歌に励んだといえる。

 以下に6首を引く。


くらき工場に灼
(や)けし鋼塊の辷りゆき人は潛(ひそ)めるごとく立ちたり

起きいでてみ寺の山の草踏めば那智の山みゆ白瀧も見ゆ

たちまちに嫁ぐ日ちかくなる汝に言ひたきひとつまだ言はぬかも

くれなゐの濃染(こぞめ)の牡丹散りかかる時にしあひぬ君の忌に来て

傍らに來りて小さき者が臥す赤チンキ附けし小さきその指

わが知らぬわが力涌き出づるべし我に寄りくる若き友らのこゑ

                          (「林泉」創刊)

Phm10_0489
ダウンロード・フォト集より、湖の1枚。

暑い日々に、1枚の涼を。

2013年5月20日 (月)

「探訪日本の古寺 1 東北・北海道」

Cimg6989 15冊の写真集シリーズ「探訪日本の古寺」より、「1 東北・北海道」を見おえる。

 1981年、小学館・刊。

 箱、帯、月報。

 古寺の写真集シリーズのうち、このシリーズは古本界で廉価で、10年くらい前の僕に購入できた。

 写真は小さく、文章が多い。

 前に紹介した同社の「日本の庭」15冊シリーズでは、文章をほとんど読まなかったのが惜しく、この本では文章のほとんどを読んだ。

 富士正晴、中井英夫、三浦哲郎、津島佑子、森敦、原田康子ら、当時の錚々たる文筆家が、真摯な思いを述べている。

 中でも惹かれたのは、富士正晴「円空」と中井英夫「死者の香ー恐山菩提寺」の2編である。

 写真では最勝寺・五重塔の美しさに打たれ、中尊寺金色堂の諸仏の荘厳さに、10年も前か東北地方に職場・慰安旅行した際に拝観した景を思い出した。

2013年5月19日 (日)

アマリリスと黄花ミニ薔薇

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 このブログの今年5月5日の記事で、鉢植えのアマリリスから花茎が2本立ったと書いた、もう1本の花茎に、(十字4輪にならず)3輪が咲いた。

 軒下には、他に2つのアマリリス鉢植えがあるが、揃って咲くかどうか、わからない。1球の芽吹きが遅かった。

 キッチンの窓辺では、冬を越した黄花ミニ薔薇の、今年初めての1輪が咲いた。

 去年最後の開花の報告は、10月28日付けの記事にある。

 またこの株の、最初の報告は、同じく去年2012年の1月24日付けの記事にある。

 この黄花ミニ薔薇、隣りの赤花ミニ薔薇にも、莟が上がっているので、開花を報せてゆきたい。

2013年5月18日 (土)

「コスモス」と「歌壇」

Cimg6987














 昨日に結社歌誌「コスモス」2013年6月号が届いた。

 今日(土曜日)の午後、ショッピング・モール「パワーセンター ワッセ」内の書店、「KaBoS ワッセ店」で、総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2013年6月号のみを買った。

 「コスモス」6月号に、僕は欠詠した。アクシデントで、出詠できなかった。

 その事は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」(このブログのリンク集にあり)の、今年3月23日の記事(「パソコン・インターネット」テーマで探すと、見付けやすい)に、細かく書いた。

 「歌壇」6月号には、惹かれる記事が多い。特集の1つは、「近藤芳美生誕百年――晩年の歌境」である。僕は生前版の「近藤芳美集」10冊を持っている(まだ読んでいない)。

 もう1つの特集は、「父の詠む子の歌――家長から育メンまで」であり、1子をもうけられたばかりの大松達知さんが鼎談に加わっている。

 2誌とも、いつものようにて読みおえたなら、ここで報告する。

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2013年5月17日 (金)

詩誌「アリゼ」第154号

Cimg6983 兵庫県に在住の詩人・S陽子さんが、お便りを添えて、同人詩誌「アリゼ」第154号を送って下さった。

 今年3月23日の記事(←リンクしてあり)で、同誌第153号を、紹介して以来である。

 詩は23名の24編、「船室」と題する批評欄に6編、「船便り」と題するエッセイ欄に8編、他に受賞紹介等を収める。

 この時代に、外に打って出ようとしなければ、家族に籠ったり、回顧的になったり、ファンタジックになったりせざるを得ない。

 O昭代さんの「星の恋 ー七夕伝説ー」(全7連)より、冒頭の2連を引く。


星の林がきらめいている

星たちのささやきが聞こえてくる


「今夜は あのひとに逢えるだろうか?」

「愛しいあの方にお逢いできるでしょうか?」

 

2013年5月16日 (木)

折口透「自動車の世紀」

Cimg6981 折口透の自動車史「自動車の世紀」を読みおえる。

 岩波新書、1997年・刊。

 著者は、自動車誌編集者等を経て、当時の肩書は、自動車ジャーナリスト、現代史研究家、翻訳者。

 「自動車の世紀」とは、20世紀の事である。飛行機、鉄道等の世紀でもあろうが、生活に密着している点で、「20世紀の恋人」と称されるのだろう。

 新書の常で、概説的入門書である。エピソードで読者の興味をつないでいる所もある。

 初期の自動車業界では、天才的な技術者個人の考案で、事業が進歩する場合があった。最近までのインターネット業界のように。

 また戦争中、費用を惜しまない研究で新開発が進み、平和時の自動車に応用された。戦争を肯定する訳ではない。


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