加藤楸邨「火の記憶」
角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)も、今回より第7巻(1981年・刊)に入る。
第7巻は、箱、帯、月報あり。
13句集を収める。
冒頭の句集は、加藤楸邨「火の記憶」である。
原著は、1948年、七洋社・刊。
句集は、「大陸行以前」と「火の記憶」に別れ、「火の記憶」では、日々の米軍の空襲と戦火にさらされる(東京での)生活が吟じられる。1945年4月末から8月にかけての句帳は電車の中で紛失したとされる。
1連ごとに多く前書を付すが、以下の5句の引用では、2番めを除き、略した。
車座にわれら藷くふわかれかな
神風特別攻撃機隊
葉鶏頭のほむら燃ゆべし燃えにけり
爆音やおもひつめたる目に枯葉
火の色の風がうがうと木の芽だつ
焔なす雲は傾ぎて牡丹の芽
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