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2013年7月14日 (日)

鈴江幸太郎「水の上」

 初音書房「鈴江幸太郎全歌集」(1981年・刊)より、8番めの歌集、「水の上」を読みおえる。

 先の7月7日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「夕映」に続く歌集である。

 原著は、1962年、初音書房・刊。492首。

 3年の歌作の間には、住友電気工業・社史、伝記「鈴木馬左也」の上梓を果たした。

 また60年安保の年を含むが、若干首で触れているのみである。

 以下に7首を引く。

もろともに床のぶる夜半(よは)に月照りて若きらはまた峯に出でゆく

つぬさはふ石見(いはみ)の海をおほふ曇り濃き雲淡き雲みだりつつ

もの言はぬ老の心となりにけりあらはなるわが合歡の淡紅(うすべに)

もろともに泛きてたゆたふ鳰ふたつ相寄るときに啼くことはなし

夜の梅に出でて歩みし我といふ醉ひて覺えぬことは寂しき

今までに生きつぎしさへ運強き我とおもはむ社史が本に成る

折々に濁れる川を見下して明るき高層の室に落つかず

Photo
写真素材集サイト「足成」より、花菖蒲の1枚。

今年も花菖蒲の花を見ずに過ぎてしまった。

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