高野日佐子「ひとつ日傘に」
先の8月1日の記事で、購入を報せた4冊の内の、1冊である。
彼女は東京都・在住、俳誌「朝」(岡本眸・主宰)所属。
2007年、ふらんす堂・刊。箱、帯。
岡本眸の序文を得ている。
その序文や「あとがき」で知られるのだが、彼女は病弱ながら実父母、夫と共に暮らし、家族の理解を得て作句していた。
しかし夫が急逝、相次いで父母を亡くした。辛く心細い中で、生活の杖としてか、作句を続け、句集上梓に至った。
以下に6句を引く。
行く秋の女人高野の風の音
手花火や縁に父はは並びゐて
パン買ひに夫と連れだつ春ゆふべ
点滴の夫と寒夜を二人きり
桐咲くやけふも遺骨のそばに母
けふはもう母の初七日白すみれ
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