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2013年9月19日 (木)

小畑庸子「孤舟」

Cimg7222 小畑庸子さんの第7歌集、「孤舟」を読みおえる

 2006年、角川書店・刊。

 水甕叢書第787篇、角川書店「21世紀歌人シリーズ」の1冊。

 彼女の歌は、時どき武張った作品がある。

 女性が現代で、力まなければならない場合もあるだろうが、文芸の表現で力んでほしくない。

 彼女はまた、短歌に新しい表現(と僕にはおもわれる)を取り入れる事に、執心している。

 新場面や俗語などなのだが、短歌の表現の領域を拡げるものとして、心をうつ。

 それらから絞って、以下に7首を引く。

ビニールホースの小さき傷が垂直に噴く春の水土に吸はるる

フリーランスの戦場記者の死、その妻は笑みをり皮膚の下にて哭きて

実よりも虚のやや多きひと日暮れ明日の我にわづか間のあり

カード式キー失せいたく困られしことも聞きにき扉の前に

風吹けばわがセンサーを刺激せり子が植ゑゆきしマリーゴールド

太りたる鳩と電車の去りしのち両足跳びに冬雀来る

ざんばら髪ふり落したる森木木に荒武者一騎鞭くれてゆく

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