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2013年12月の28件の記事

2013年12月19日 (木)

川島彷徨子「榛の木」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、11番めの句集、川島彷徨子「榛の木」を読みおえる。

 「日野草城全句集」を読むために中断していて、今年10月3日の記事(←リンクしてある)、岸風三楼「往来」に継ぐ本である。

 原著は、1949年、藁火書房・刊。

 大野林火の序文、463句(1930年~1948年)、後記を収める。

 臼田亜浪・門「石楠」「浜」同人。

 1時、召集を受け入隊したが、痔疾・肺疾の悪化のため召集解除となった。川島彷徨子(1910年~1994年)の生活と、句作には幸いしたようである。

 以下に5句を引く。

おれの黍おまへの黍もよく焼けし

吹かれつつ蝶的確に花につく

日のあたる方にいづるや鳥立てり

重味ある稲騒にふとたちどまる

赤子寝て練炭はぜる音つづく

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、白フクロウ(梟は冬の季語)の1枚。

2013年12月18日 (水)

歌誌2冊

Cimg7447  1昨日(12月16日、月曜日)に、歌誌「コスモス」2014年1月号が届いた。月曜日に発送では到着が遅くなる地域があると、14日(土曜日)に発送を急いでくださったものだろう。

 特集は、「第60回O先生賞発表」。

 ここに「コスモス」読了の記事を書いても、僕はその後を読んでいて、たとえば12月号は、記事に書いた項目の他に、「その一集」を外国・北海道から順に南下して、福岡県(98ページ)まで読んだ。

 今日午後、ショッピングモール「パワーセンター ワッセ」内の書店、「KaBoSワッセ店」で、総合歌誌「歌壇」2014年1月号を買った。

 新春巻頭作品が並び、華やかである。出来得るかぎり、読むつもりである。

 

2013年12月17日 (火)

小池光「廃駅」

Cimg7440 砂子屋書房の現代短歌文庫「小池光歌集」より、第2歌集「廃駅」全編を読みおえる。

 今月13日の記事(←リンクしてある)で紹介した「バルサの翼」全編、歌論4編、解説2編と共に収められている。

 原著は、1982年、沖積舎・刊。1978年~1981年の作品を収める。

 この歌集も、先の「バルサの翼」と同じく、逆年順編集である。不自然だし、僕は反対する。

 読み進めると下手になるとは言わないが、明らかに完成度が下がってくる。作品が盛り下がるようで、読み進めるモチベーションが下がる。

 以下に5首を引く。

北欧の白木の卓はかがよひて汗、涎、なみだのたぐひを弾く

元旦やひのまるといふ降伏の旗掲げつつ家いへしづか

人間(じんかん)に溺るる日日に水は立つただパスカルの定理にそひて

人体を皮膚つつみ閉ぢくちびるの紅花(こうか)うるほふゆふまぐれ来つ

水辺に夏しのび来て真夜中のなぐさめにさらふ力学あはれ

2013年12月16日 (月)

「世界 花の旅 1」

Cimg7443  「世界 花の旅 1」を見おえる。

 朝日新聞社、1991年3刷。3冊シリーズ。

 写真集といっても、ページのほぼ半分は、小さな字の文章で、読了に苦労した。

 25ヶ国のトピカルな花をとりあげる。

 ただし、孤児と養母をめぐる「ミニバラ」、サハロフ博士追悼をめぐる「ワスレナグサ」など、人情に絡める題材が多い。

 珍しい(当時)花として、ヒマラヤの「青いケシ」、花の名所として中国の牡丹園の話題に惹かれた。

 ニュージーランドの、大規模な家庭花壇(公開)を紹介した記事「ブルーデージー 分かち合う自然のページ」の、注目の仕方も良い。家庭花壇の理想だろう。

2013年12月15日 (日)

ドラマ「捜査線 LINE OVER」

 昨日に続き、GyaO!で、ドラマ「捜査線 LINE OVER」を観る。

 1時間19分余、315ポイント。これでTSUTAYAからの期限(今日、12月15日)付きプレゼント、500ポイントを使い切った。

 僕は「太陽に吠えろ!」や「西武警察」を、テレビにかじりついて観た世代であり、「踊る大捜査線 」をDVDなどで観た。

 このドラマは、警察官がオカルト教団の心理作戦に敗れるストーリーだった。詳しいストーリーは、ドラマをご覧ください。

 また明日より、読書感想に戻らなければならない。

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、鷲(?)の1枚。

2013年12月14日 (土)

ドキュメンタリー「わたしの火山」

 GyaO!よりドキュメンタリー番組「わたしの火山」を観た。

 「TBSドキュメンタリー特選 日本列島の旅 村木良彦『わたしの火山』」、25分余、210円。

 僕はGyaO!をほとんど観ない。今回、TSUTAYAの500ポイントが入って、期限が明日(12月15日)なのである。品物を買う気はないので、GyaO!で「ドキュメンタリー」で検索して、出て来たこの番組を観た。

 まず初めに、画像がモノクロなことに驚く。1968年放映と言えば、そうだった。

 鹿児島県の桜島を中心にした番組だが、生活の様子や、西南の役の事なども出て来る。ドキュメンタリーと言いながら、パーソナリティはプロで(エンドロールの名前を写しそこねた)、ドラマ仕立ての所もあり、ゆるやかな時代であったろうし、紀行番組の制限もあって、そういうストーリーになったのだろう。最後に女性が桜島(噴煙を上げている)を遠望し得て終る。

 1968年といえば、学生運動の盛んだった頃だが、その気で観ると、背景にそれを感じる面もあった。

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、鷹(冬の季語)の1枚。

2013年12月13日 (金)

小池光「バルサの翼」

Cimg7440 砂子屋書房の現代短歌文庫「小池光歌集」(2003年3刷)より、第1歌集「バルサの翼」を読みおえる。

 先の11月12日の記事「3冊と1誌」で、購入を紹介した本である。その記事と、そこでも紹介したソネット「渋る」で、1ページ2段、1首2行書きは困ると書いたが、同時に購入した「続 同」「続々 同」では、1ページ1段、1首1行書きになっていた。僕以前にも、批判する読者がいたのだろう。

 彼は1947年・生まれ、1972年に東北大学理学部大学院・修了、その頃に短歌に出会って「短歌人」に入会した。

 1975年・上京、私立高校の教師となる。(この本の裏表紙の、著者紹介に拠る)。

 この歌集(1978年、沖積舎・刊)で僕にわからない作品があり、逆年順編集も賛成できない。

 彼には、東北より上京した歌人の寺山修司(のちに短歌より離れたけれど)の影響がある。

 また斎藤茂吉、岡井隆、永田和宏らに繋がる、理系出身歌人の輝きがある。

 以下に6首を引く。

雪に傘、あはれむやみにあかるくて生きて負ふ苦をわれはうたがふ

あぢさゐの素枯れあふるる暗がりへみどりごの父帰り来たれり

野にひびくかるき音して折られたる感触もすでにみづからのもの (骨折)

ぎりぎりと執着し来ておのれなる山椒魚(さんせう)の吐く息のみじかさ

表情のひとつひとつを喚びかへし合歓の花高き夏は来たりぬ

祝祭日のみじかき昼を満たしくる酸(す)ゆきチエホフの断片たりし

 

2013年12月12日 (木)

エッセイ集「散歩とカツ丼」

Cimg7437 日本エッセイスト・クラブ編「’10年版ベスト・エッセイ集 散歩とカツ丼」を読みおえる。

 文春文庫、2013年10月・刊。51編。

 今月7日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「’09年版 死ぬのによい日だ」に継ぐ本である。

 その記事では、「’10年版」の文庫本古本を求めていた。Amazonには、文庫本の新本とマーケットプレイスの古本があった。しかし送料を入れた値段は、そう違わないので、新本を買った。

 本書の読後感は良い。いつの時代にも、希望を失わない人が多い。

 僕の感情に由るのか、本の編集に由るのか、同じシリーズでも、心の和む本と、そうでない本がある。

 この本は先に記したように、今年10月・刊なので、次の「’11年版」の文庫本が出るのは来年10月頃だろうから、このシリーズともしばらくのお別れである。

2013年12月11日 (水)

日野草城「銀(しろがね)」

 沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、遺句集(第8句集)「銀(しろがね)」を読みおえる。

 今月3日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「人生の午後」に継ぐ。

 原著は、1956年、琅玕洞・刊。

 1953年~1956年の265句、夫人の日野晏子の長い「あとがき」を収める。

 夫人や一人娘の、俳人を支えた努力は讃えられるべきだが、娘婿・室生幸太郎の全句集編集も大事業だ。

 以下に5句を引く。

元日の新しい顔で友ら来る

猫の子に舐めらる小さきぬくき舌

白粥のうす塩味や暑気中り

妻の顔いつも仰ぎて十とせ臥す

うしみつにわが咳き入りて妻子覚む (最後の句)

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、山茶花の1枚。


 

2013年12月 9日 (月)

「現代詩年鑑2014」

Cimg7429 そろそろ思潮社の「現代詩年鑑」が発行される時期だと、Amazonで検索すると、「現代詩手帖12月号 現代詩年鑑2014」が出ていた。

 しかしショピングカートに入らない。他にも方法を取ってみるが、購入へ進まない。問い合わせたメールへの返事で、Amazonに不具合があった事を知る。

 そういう訳で、この本は楽天から買った。Amazonの不具合は、復旧したようである。

 この年鑑は、毎年、年末に買ってきた。ネットで注文するようになる以前から、本屋に取寄せ依頼して。

 しかしこの日本の詩の最前線は、僕の思いより、遥かに遠い。

 この本は安くないので、「贅沢」というより、僕の嫌いな「無駄」に入りそうだ。ぱらぱら捲るくらいなら、図書館の紙誌コーナーで見ればよい。

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