俵万智「オレがマリオ」
Amazonに注文した、俵万智・第5歌集「オレがマリオ」が届き、ここ数日で読みおえた。
なお表紙の写真は、事情により、トリミングしてある。
文藝春秋、2013年11月30日・刊。341首。
「子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え」「母さんは合っていたのか人生に答え合わせはなくて海鳴り」と詠うけれども、決断の答えは歴史がなしてくれると、僕はおもう。
彼女は、大阪生まれ、福井育ち、東京の大学で学び、仙台市でシングルマザー生活、震災・原発事故で沖縄移住、と根無し草のようで、あわれでもある。
もっとも百姓の次男ながら若くして故郷にUターン、還暦を越えてこの地で終わりそうな僕も、対照的に、哀れではある?。
以下に6首を引く。
「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ
人の子を呼び捨てにして可愛がる島の緑に注ぐスコール
「鳴かぬなら鳴かんでええわホトトギス」平成の世を生きる息子は
どんぐりを集めている子並べる子中を見たい子投げてみたい子
記憶にはなき父の顔 シャボン玉吹き続けおり孫と競いて
「ツイッター始めました」と書いてみる冷やし中華のチラシのように
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