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2014年1月15日 (水)

秋元不死男「瘤」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、2番めの句集、秋元不死男「瘤」を読みおえる。

 今月5日の記事(←リンクしてある)で紹介した、石田波郷「惜命」に継ぐ句集である。

 原著は、1950年、作品社・刊。365句、後書を収める。

 秋元不死男(1901年~1977年)は、新興俳句運動に活躍するが、1941年、俳句弾圧事件に遭い、2年の獄中生活を送り、敗戦まで作品発表しなかった。

 「瘤」は「獄」吟とその他の作品に分かたれる。「獄」吟も、多く回想吟であるが、獄中吟がある。後書で彼は、「たとへ瘤であったにせよ、その瘤の痛さと、瘤をこしらへた相手の手は、終生忘れることはできない。」と書きつけている。

 以下に5句を引く。

降る雪に胸飾られて捕へらる

友らいづこ獄窓ひとつづつ寒し

冬に負けじ割りてはくらふ獄の飯

獄門を出て北風に背を押さる

蟹かくる航空兵の墓裏へ

A無料写真素材集サイト「足成」より、福寿草の1枚。

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