広部英一「鷺」
思潮社「広部英一全詩集」(2013年・刊)より、第2詩集「鷺」を読みおえる。
今月8日の記事(←リンクしてある)で紹介した、第1詩集「木の舟」に続く詩集である。
原著は、1963年、北荘文庫・刊。森山啓・序文、20編、あとがきを収める。
あとがきにもあるように、1963年初めの大雪(地元では38豪雪と呼びならわしている)の時、連日の除雪作業の際、亡くなった母親が娘となって心象にたちあらわれ、詩編を成した作品群である。
働き者で、可憐、茶目けもある農村の娘として、母親の娘時代が想い描かれている。
詩集の表題作でもある「鷺」は、お見合いのあと断られた娘の悲しみを描いて、哀憐を誘う。
コメント