斎藤空華「空華句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、3番めの句集、斎藤空華「空華句集」を読みおえる。
今月15日の記事(←リンクしてある)で紹介した、秋元不死男「瘤」に続く句集である。
原著は、1950年、曲水社・刊。
大谷碧雲居・序、石田波郷・序、212句、菊池麻風・後記を収める。
斎藤空華(さいとう・くうげ、1918年~1950年)は、渡辺水巴に師事し句作したが、肺結核のため33歳の若さで亡くなった。没後、句友の編集により句集が上梓された。
差し迫った者は、貧しい者は貧しさを、入獄した者は獄中を、病篤い者は死期の迫っている事を、それぞれ聖化したいようだ。
以下に5句を引く。
白日の国尽くる所草枯れぬ
海苔干して国の端寒き怒濤かな
秋刀魚喰ひ悲しみなきに似たりけり
早春や誰にか明日の新しき
笹鳴を聞き得て生がありにけり
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