岩波文庫「北原白秋詩集」(下)」(2007年・刊)より、「水墨集」「海豹と雲」を読みおえる。いずれも抄出である。
今月21日の記事、「畑の祭」に継ぐ。
「水墨集」の序文にあたる「芸術の円光」で白秋は、「詩の香気と品位」「気韻」を主張している。
また「海豹と雲」(1929年・刊)において、「蛍に」では蛍に、「月光の谿」では月に、「鋼鉄風景」では鋼鉄の構造物に、神を視ている。
後記では「日本古神道の精神を此の近代に新に再造する」(孫引き)と述べるなど、かなり国粋的になっていたようである。
最後の詩集「新頌」(1940年・刊)は、編者・安藤元雄の判断で、この文庫本詩集に収められていない。
全5冊の「ハイネ全詩集」より、最後の「Ⅴ 最後の詩集」を読みおえる。
昨年11月29日の記事(←リンクしてある)で読了を報せた、「Ⅳ」に継ぐ。
1973年、角川書店・刊。井上正蔵・個人完訳。
この本には、ハイネ(1797年~1856年)生前の「1853・4年詩集」と、「補遺」を収める。
ハイネは死を前にして、敬虔なクリスチャンに回心したのでは、なかったようである。権力者や富裕層への反感は、持ち続けたけれども。
これで「ハイネ全詩集」全5冊を読みおえた(「Ⅰ」の読了は、昨年6月9日の記事で報せた)けれども、「ハイネ散文作品集」全6冊+1冊が蔵書にある。少しずつ読み続けて、また報告したい。
兵庫県にお住まいのS・陽子さんが、同人詩誌「アリゼ」第159号を、送って下さった。
今年1月23日の記事(←リンクしてある)で紹介した、同誌・第158号に続く。
2014年2月・刊、57ページ。
S・嘉代子さんの「月光」、S・いつおさんの作品、を初めとして、危機感、不安のある作品が多いようだ。時代の危機だろうか。
この詩誌の中心人物(発行人の立場のようだ)、I・紘平氏が詩「祖国」、エッセイ「拉致事件について思うこと」では、(これまでも含めて)右傾化を強めているようだ。
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