ホラーティウス「カルミナ」
平凡社「世界名詩集大成(1) 古代・中世篇」(1960年・刊)より、ホラーティウス(前65~前8)の詩集「カルミナ」の抄訳、19編を読みおえる。
彼もまた「皇帝の眷顧に浴して」いたが、喧噪の巷から遠ざかり、田園の平和を楽しんだ。(解説より)。
ローマ共和制末期からの詩人で、この詩集には古典の典雅や新世代の先鋭はない。世俗の心情を詩に作っている。
また訳も古風で、今となっては読みづらい。以下に1部を挙げる。
第三巻の二十六
年長(た)けてようやくに、乙女にふさう頃となり戈(ほこ)をまじえて また誉なしとせず
されど今わが剣と 戦(いくさ)に飽きし
わが竪琴と、 この壁に奉(まつ)りていなん
(以下・略)
呉茂一(くれ・しげいち)訳
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