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2014年5月の33件の記事

2014年5月31日 (土)

詩誌「群青」編集会議

 昨日午後2時より、「群青の会」メンバー3人が、喫茶店「ユトリ珈琲店」に集まって、同人詩誌「群青」第30号の、編集会議を持った。

 前回、5月23日にここへ集まった時、原稿類は受け取っていたので、自分の詩稿も含めて、パソコンのワードで打ち込んで(目次、奥付けを足して)、プリントした誌面稿ゲラを校正してもらう為である。

 校正はすぐ済んで、四方山の事である。

 AUさんより彼女の新詩集、参加している詩誌2冊を頂いた。「群青」代表の幹事として、F詩人懇話会の活動に参加してもらっているので、懇話会の様子などを伺う。

 こぐま星座さんが痩せたようなので伺うと、5月からの夜勤のせいではなく、そのせいで食事が不順になっているため、との事だった。農業と文学活動もあり、無理をしないで貰いたい。

 話し足りないくらいだったが、お互いの体調への気遣いもあって、3時過ぎに散会した。

Photo「フリー素材タウン」より「山・高原」の1枚。

 

2014年5月30日 (金)

橋本多佳子「紅絲」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、13番めの句集、橋本多佳子「紅絲」を読みおえる。

 今月17日の記事(←リンクしてある)、山口波津女「良人」に続く。

 この全集に載る彼女の句集としては、第6巻の「信濃」の記事(←リンクしてある。2013年3月。まだ字が小さい)に継ぐ。

 「紅絲(こうし)」は、彼女の第3句集。1951年、目黒書店・刊。

 山口誓子・序、413句、神田秀夫・跋、後記を収める。

 誓子の指導、奈良俳句会での西東三鬼、平畑静塔らとの研鑚の成果か、この句集は当時、句界で絶賛を受けたとされる。

 しかし戦後の荒々しい活気が去ってしまい(僕の作品読書の印象と、想像による)、世の保守化が進むと、奇妙な句集という印象が残る。

 幸い「橋本多佳子全句集」を保持しているので、これからも読み続けるだろう。

 以下に5句を引く。

拠るものゝ欲しけれど壁凍るなり

(め)の鹿は驚きやすし吾のみかは

花椎やもとより独りもの言はず

髪切虫押え啼かしめ悲しくなる

燦々とをとめ樹上に枇杷すゝる

Photo「フリー素材タウン」より、「空と海」の1枚。

2014年5月29日 (木)

ペルシウス「サトゥラ」

 平凡社「世界名詩集大成(1) 古代・中世篇」(1960年・刊)より、ペルシウス「サトゥラ」を読みおえる。

 5月22日の記事(←リンクしてある)、オウィディウス「黒海からの便り」に続く。

 ペルシウス(34年~62年)は、反帝政ストア派の人々と近かった。没後、哲学の師・コルヌトスが6編だけを選んで(他の詩は捨てて)、詩集「サトゥラ」」として出版し、世の認める所となった。

 第1編(134行)、第3編(118行)が、長い詩のせいか、散文訳されている。

 雑多の比喩、隠喩、口語が入り混じっているとされ、翻訳もタメ口の(「~かい」「~だな」「~ぜ」等・他)語り口調でされているが、原文の調子を伝えているか。

 内容は、世の浮薄な趨勢に反発するものである。

Imgp0568キッチンの窓辺で、鉢のミニ薔薇(赤花だが、光線の具合かピンク色の花になった)の1輪。

5月16日の記事に写真添付した6回めに続き、7回めの開花となる。

2014年5月28日 (水)

鈴木千登世「向きあふ椅子」

Cimg7714 山口県にお住まいで、「コスモス」会員、「棧橋」同人の鈴木千登世さんが、第1歌集「向きあふ椅子」を送ってくださった。

 僕が1時期、「棧橋」同人だったご縁で、贈ってくださったのだろう。

 2014年5月、柊書房・刊。

 小島ゆかり・選・帯文、394首。

 家庭や仕事(教職)を、短歌と共に堅実に歩み続けて、その足跡が1冊の歌集となった。娘さんが生まれた事をきっかけに始めた短歌が、「コスモス」で20年となり、子供たちも社会人・学生となり、家を出て自立を始めた。
 以下に6首を引く。
 これら以外にも、反抗期の息子さん、震災・原発事故を詠んだ、気になる歌があるのだけれど、ここでは引かない。
メメント・モリ 生れ出でし子は終(つひ)の日の老いし顔もてわれに対へり
火遊びをして待ちをりし二人の子日暮れそんなにこはいかこはいか
歌を詠むわれのほとりにちんまりと正座して子が「ごんぎつね」読む
通夜といふ終(つひ)のだんらん父の辺に母とわたしと妹とをり
捨てられぬもろもろ抱へ老い母はほうと息吐きやはらかく笑む
胸びれをそよがすやうに手を振りて娘は雨の校舎に消えぬ

2014年5月27日 (火)

「歌壇」6月号

Cimg7711 今月19日の記事で、Amazonより届いた事を報せた歌誌、「歌壇」(本阿弥書店)2014年6月号を読みおえる。

 短歌作品はすべて読んだけれども、散文では1部、読まなかった編もある。

 特集「短歌の主題をどう歌うか」では考えさせられるし、特別企画「競詠 学生短歌会の歌人たち」では、数は少ないけれども、学生短歌の今を知る事ができる。

 小島ゆかり「遠きひとり」50首では、父親を亡くしたあとの心境を示している。

 短歌作品では、お年を召した方の作品につい惹かれる。僕も43歳で「コスモス」に入会して20年を経ており、ベテランとは言えないが古株となったのか、年齢を重ねたのだな、と感慨が湧くのである。

 他の作品も含めて今号は、充実した1冊だった。

2014年5月26日 (月)

北川浩久「オドロキ」

Cimg7708 北川浩久さんの第3歌集、「オドロキ」を読みおえる。

 2011年4月、短歌研究社・刊。

 北川浩久(きたがわ・ひろひさ)さんは、1984年・生、「塔」所属。

 毎日5首を創り、三年間続けて、5000首より「驚き」のテーマで200首をまとめたと、後記にある。

 これまでの歌集を含め彼の活動を知らない。しかしこの創作法は無理があるようで、破調に近い作品も混じる。

 生活の折りおりを詠み溜めてゆけばよい、とは思わないけれども。

 若者の力業(ちからわざ)である。

 以下に6首を引く。

てのひらに乗せたる水の逃げてゆかざりし分にて顔を洗いぬ

怒らないことを学んで僕たちは水のこころに近づいてゆく

太陽はたった一つさ大切なものはたくさんいらないのです

生きて行く上で必要な塩の壜を固まらぬように逆さに置きぬ

ポットに水を注ぎ入れつつ気付きたりポットにもあるココマデ・ライン

幸せの極の極とはこのことかオムレツの黄色ケチャップの赤色

2014年5月25日 (日)

「コスモス」6月号

 今月17日に届いた結社誌、「コスモス」2014年6月号の、いつもの所を読みおえる。

 初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」など。

 日常生活を詠うだけでなく、社会問題も詠い続けられて、立派な事だと思う。

 僕が付箋を貼ったのは、「COSMOS集」より「あすなろ集」特選、静岡県のI・とくよさんの1首(134ページ下段)である。

どの家も花を咲かせて豊かなり越し来て夫と廻る町内

 豊かさを財や地位に見るのではなく、庭などに咲かせる花に見る所は、意外と新しいのではないか。

 同誌を、この後も読み続ける予定である。

Photo「フリー素材タウン」より、清流の1枚。

2014年5月24日 (土)

「群青の会」会合

Imgp0565 僕の呼び掛けで(というより僕のワガママで)、同人詩誌「群青」のメンバー、3人が昨日(5月23日)午後2時より、喫茶店「ユトリ珈琲店」に集まった。

 僕が無職なので、妻の帰宅まで誰とも話さない(用事の短いやりとりは別として)日が続き、3人で集まって文学の話をしようと思ったのだ。

 こぐま星座さんが、AUさんとの日時の調整をしてくれた。

 僕は最近に受け取った詩誌、詩集、評論集を見てもらい(うち2冊を、こぐま星座さんが借りた)、電子辞書内の文学書、ゲーム機まで見せて自慢した。

 AUさんが詩の催しなどの話をし、こぐま星座さんが仕事の事情などを話してくれた。

 また想定外に、2人とも詩誌「群青」第30号の原稿(5月末締切の予定だった)を、渡してくれた。

 悩みのあるらしい3人だけれど、少し明るい顔になって、3時半近くに散会した。

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2014年5月23日 (金)

「2014 囲碁年鑑」

Cimg7705 Amazonに注文していた、「2014 囲碁年鑑」が届いた。

 日本棋院、2014年6月1日・刊。

 B5判、396ページ。

 2013年版の囲碁年鑑が、昨年5月29日の記事(←リンクしてある)、「原田マハと囲碁年鑑」に紹介されており、その時に48年分めと書いているので、今回は49年分めである。

 プロ棋士のタイトル戦(挑戦手合い、挑戦者決定リーグ戦)の棋譜をおもに、世界タイトル戦、アマチュア棋戦の棋譜を含めて、数百局ぶん載せている。

 ここ十数年か、僕は囲碁の対局をしていない。1時は囲碁に凝って、日本棋院のアマ6段の免状を得ているので、これを機に囲碁を再開しようかと考えたが、目の衰えなどもあって、今すぐには再開できなさそうだ。

2014年5月22日 (木)

オウィディウス「黒海からの便り」

 平凡社「世界名詩集大成(1) 古代・中世篇」より、オウィディウス「黒海からの便り」を読みおえる。

 5月18日の記事(←リンクしてある)、同・詩人「名婦の書簡」に続く。

 ローマで名声を得ていた彼が、アウグストゥス帝の怒りに触れ、黒海辺のトミス(今のルーマニアのコンスタンツァ)に追放され、嘆きの詩を作った。「哀しみの歌」「黒海からの便り」「イービス」の詩集等にまとめられたとされる。

 ここでは、「黒海からの便り」(全4巻、数10編)より、6編が訳されている。妻や友人に宛てられていて、生活の不如意、許されて故郷へ帰る願い、さらに詩興の衰えなどを訴えている。

 彼は結局許される事なく、流謫の地で没した。彼の詩は、ヨーロッパ文学に大きな影響を与えて来たとされる。

Photo「フリー素材タウン」より、薔薇の1枚。

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