沖積舎「渡辺白泉全句集」(2005年・刊)より、3回めの紹介をする。
7月20日の記事、「同(2)」に継ぐ。
今回は、敗戦後の1946年から、1956年までの句である。
ただし、総合俳誌や俳句年鑑などに寄せたのみで、結社誌には加わらなかった。
すでに前衛俳句ではなく、政治的前衛でもなかった。執筆禁止、兵員応召を解かれて、生活吟だと僕は思う。
以下に4句を引く。
咲きみちて蝶のをらざる牡丹かな
呼び合うて泥へ乗りゆく千鳥かな
法師蟬山に鳴かねば胸に鳴く
わが冬や林檎を呉るゝ厨妻
「フリー素材タウン」より、向日葵の1枚。
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