秋亜綺羅「ひよこの空想力飛行ゲーム」
宮城県にお住いの詩人、秋亜綺羅さんが、詩集「ひよこの空想力飛行ゲーム」を送って下さった。
思潮社、2014年8月・刊。
彼は前の詩集「透明海岸から鳥の島まで」(思潮社、2012年・刊)で、丸山豊記念現代詩賞を受賞している。
また個人誌「季刊 ココア共和国」を発行していて、ここ数号を僕も頂いており、このブログで紹介している。
この詩集には、2012年~2014年の作品、16編が収められる。見開き2ページに納まる詩や、数ページにわたる長い詩、2編の散文形式の詩がある。
冒頭の「青少年のためのだからスマホが!」は、双六ゲームなどに絡めながら、東日本大震災と生を描いている。
最後に置かれた「来やしない遊び友だちを待ちながら」(副題 または伊東俊への弔詩)は、初出の「ココア共和国」15号が届いた時にも、このブログで紹介した。冒頭の5行を引用する。
あなたが海底に住むニワトリだったら1を
あなたがきこりを食べるシロアリだったら2を
あなたが日曜ごとに布団を干すカブトムシだったら3を
押してください
最期に#を押してください
「~だったら」までのシュールと、「~〇を押してください」という電話自動音声の先端風俗を結びつける、インスピレーションを得た時、彼の心はどんなに躍っただろう。
散文形式の「秋葉和夫校長の漂流教室」の中で、「たとえ誰にも書けなかった詩を書くことができたとしても、世界で初めての仕掛けをひらめいたとしても、…」と書いているくらいだから。
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