「渡辺白泉全句集」より(5)
沖積舎「渡辺白泉全句集」より、先月29日の(4)に続き、5回目の紹介をする。
彼は結社に属さず、今回の1957年~1968年(1969年1月に没)の12年間に、「俳句」誌の「俳句年鑑」に3回、「俳句研究」誌の「年鑑」に3回、八幡船社版私版・短詩型文学全書・第5集に34句(戦中吟を含む)、自筆ノート等による「拾遺」のみである。
これで「初出発表順句集」の終いであり、残るは歌仙1巻と、没後に見出された自筆稿本「白泉句集」のみである。
作風は、新しさはあるが、おもに生活吟だろう。
以下に5句を引く。
かなかなもわたしばつたも亦わたし
白梅の固き蕾や十粒ほど
拾遺
花園に立ちくらめきて戦死せり
木枯の速さを計るいくさかな
数珠玉や三鬼を懐ひ死を思ふ
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