坂口安吾「肝臓先生」
昨日の記事、「タブレットの設定」の末尾に書いたように、タブレットへGoogle Play ブックスより、本をダウンロードし、読んでいる。
これまでにも電子書籍を読んでいて、抵抗感はなく、紙の本よりもむしろ心地良かった。
「青空文庫」経由の、無料文芸書を狙うのだが、作者名や題名で検索してのダウンロードは出来ないようだ。おすすめの本より、選ぶしかない。
今回、坂口安吾「肝臓先生」を読んでみた。文庫本で同題の中くらいの厚さの本があった(今はどうなっているか、わからない)が、読んでみると、短編小説だった。
敗戦近く、本土空爆の始まる中で、大陸より入って蔓延した流行性肝臓炎を、一人の町医者が治療しようと奔走する、非戦闘的な美談を仕立ててある。
この初出は、「文学界」の1950年1月1日発行ぶんであるけれど、1949年にはレッドパージが始まり、1950年には公職追放解除、朝鮮戦争勃発、警察予備隊設置があり、占領政策の変化の中で、戦中懐旧も非戦的なら許される時勢だったのだろう。作家にも、何かを救抜したい思いが、あったのかも知れない。
コメント