« 2014年10月 | メイン | 2014年12月 »

2014年11月の29件の記事

2014年11月30日 (日)

萩原朔太郎・書簡集(6)

 筑摩書房「萩原朔太郎全集」第13巻(書簡集、1977年・刊)より、6回めの紹介をする。

 先の11月10日の同(5)の記事(←リンクしてある)では、212番~317番(大正15年末)の、106通を紹介した。

 今回は、昭和2年初めの318番~昭和5年末の398番、81通を読みおえる。

 室生犀星との篤い交流は続き、終生の友人だった。また離婚があり、父の死があった。

 朔太郎は父の死後、出京して妹アイと暮らした。これまで出京、帰郷を繰り返していたが、その後は東京におもに暮らしたようだ。

 内面の悩みを述べた書簡もあって、関心を持つ。また室生犀星の夫人・室生とみ子に宛てた礼状は、微笑ましい。

Photoフリー素材サイト「足成」より、キャベツの1枚。

2014年11月29日 (土)

無料文化について

 いわゆる無料文化の流れについて考えたい。

 文字・絵図の初めのメディア、新聞は有料である。

 書籍については、古代より図書館があり、現在の官立図書館は無料である。便利だけれど、手続き、返却期限、休館日が面倒だろうか。

 無料冊子として、文庫本目録等が書店に置かれる事があり、重宝した。

 さらにフリーペーパーが、店先に置かれ取り放題、あるいは家庭に配布となった。求人、店舗・サービスの広告、等であるが、無料冊子はショックだった。

 更にネット時代となり、各種の辞典・事典、図鑑が閲覧できるようになり、便利である。

 書籍として、著作権の切れたもの、著作権の放棄されたものを、「青空文庫」が蓄積して行き、ネットで無料で本が読めるようになった。横書きが難点である。

 各種資料を蓄積している官立等の施設でも、文字、画像等の資料をネットで公開し始め、貴重である。写真やイラストを、無料で引用できるフリー素材サイトも生まれた。

 最後に現在、電子書籍リーダー(タブレットを含む)の多くが、前述の「青空文庫」より引いて、無料の書籍を配信している。縦書き、字のサイズの拡大可、など便利である。

 音声メディアとして、ラジオは初めより無料である。高音質のFM放送が、音楽を聴くのにありがたい。Windows Media Playerよりの海外ラジオには、専門局があり、僕はヴィヴァルディやシューマンの局の曲を流してBGMにし、読書する時がある。

 動画としては、テレビが1部の局を除いて無料である。ネットの動画サイトやGyaO!などに押されるかも知れないが、タブレット(カーナビに付属を含む)などで、移動して観られるようになり(ワンセグで、フルセグで)便利である。

 無料文化は、宣伝(広告を含む)、ボランティア、官庁等のサービス、企業の(有料部門への)誘導部門、等として発展して来た。これから、どのように、どこまで進むか、僕にはわからない。

Photoダウンロード・フォト集より、紅葉の1枚。

2014年11月28日 (金)

ノート類

 デジタルを含めて、ノート類の整理がつかない。以下に記して、糸口を掴みたい。

 まず僕は、短歌と詩の創作をしているので、作品をメモしなければならない。

 短歌は、外出時に生まれたものは、手帳の後部の余白に書込み、創作ノート(100枚大学ノート)に写していた。在宅時に生まれたものは、そのまま大学ノートに。

 それがケイタイを用い慣れてから、そのテキストメモに書き込むようになった。それを1ヶ月分ずつまとめた、パソコンの歌稿欄に移せば、まとまりやすい。ケイタイのメモは1括消去して、繰り返し使えるので、手帳の余白のように、スペースが足りなくなる事がない。

 スマホ、タブレットを購入し、ケイタイの通信契約は切った。しかしスマホ、タブレットのメモは、題名等を入力しなければならず、ケイタイのテキストメモの簡易性と携帯性を離れられず、今も用いている。

 詩の創作も、手帳・大学ノート→ケイタイのテキストメモの経過を経たが、ケイタイの小さな窓にソネットの改行、連分けをして、行数を整えるのが面倒になった。退職し外出も減って、携帯性はあまり要らなくなったので、手近にあった企業のノート(ビニール表紙)に書き、これもパソコンの詩稿欄に保存するようになった。

 短歌も詩も、未発表分はプリントしておき、それを読んで推敲している。それでペーパーレス化は進んでいない。

 毎日の予定は、手帳で管理していた。ケイタイ、スマホのスケジュール管理は、欄が小さいようで、用いなかった。

 しかし最近になって、10インチ・タブレットを買ったので、スケジュール管理はその「予定表」に移しつつある。しかし10インチと大きく(週間1覧には便利だが)携帯性が難点である。重要な予定、予定に入らないメモ、手書き地図、等のために、手帳も必要としている。

 終いに、ブログ等のための大量のメモがある。初めは手帳の右側欄白紙(左側欄は日分けの予定表)に書いていた。細かいメモを書きたくなり、その他のメモも書込むため、高価だが毎年、業務日誌を買い、日分けメモとフリーメモを書いていた。

 さらに大容量にするべく、100枚大学ノートを買って、1日に1ページを当て、スペースを気にせず書き込み、今は満足している。

 ノート類はまとめよという声もある(その本を僕はまだ読んでいない)そうだが、デジタル時代のノートのまとめ方に成功している方は、アドバイスを頂きたい。当方はわりあいアドバイスを受け入れるほうである。

Photoフリー素材サイト「足成」より、白菜の1枚。

 

 

 

2014年11月27日 (木)

岡本かの子「花は勁し」

 Google Play ブックスより「青空文庫」発で、岡本かの子の小説「花は勁し」をタブレットにダウンロードし、読みおえた。

 同様な方法で読んだ本として、この11月23日の記事で紹介した、「島木健作『赤蛙』」に継ぐ。

 華道の家元を継いで前衛華道家として成功してゆく桂子と、無名画家として肺結核で衰えて亡くなる小布施が中心人物である。桂子22歳、小布施20歳の時から長い交際がありながら、小布施は圭子から金銭的・生活的・援助を受ける間柄だった。

 桂子の姪、せん子が小布施の身の回りの世話をする内、小布施の子を産み、亡き人の子を守り育てようとして、自足はあるだろうが、先が思いやられて哀れである。

 桂子という一人の、生活よりも芸術を取った女性の、栄光と悲惨を描いた小説であろう。

Photo「フリー素材タウン」より、シクラメンの1枚。

 

2014年11月26日 (水)

大売出し

 1昨日(11月24日、月曜日)は、3連休の最後の日だった。

 地元資本系の電器量販店「百萬ボルト」本店の大売出しセールの最終日でもあり、午後に妻と出掛けた。出掛けたがり屋の妻に、オタクっぽい僕が連れ立つのも、亭主の役目である。

 電器量販店は各社あるけれど、「百萬ボルト」は地元の電器店が大きくなったものだし、直営の修理専門店「ミスター・コンセント」があり、同店内の店に持ち込み、あるいは出張が依頼できる。

 まず来場者無料サービス品の3種より、VANのトートバッグ(中国製)を選ぶ。僕が使うもの。

 店で買ったのは、マウスパッドと、A4プリント用紙500枚2パックのみ。あとは、LEDの天井灯などを見て回った。

 隣の敷地の「ヤスサキ」にて、花鉢、LED天井灯、炊飯器などを見て回る。スーパー・ストア部門にて、食材を買う。モンキーバナナ、焼き鯖1匹、コロッケ2種2個など、庶民的なわが胃である。

 腰が弱っているので、長く立ったり歩いたりして、しまいに腰が痛くなった。

Pixabayフリー素材サイト「Pixabay」より、パソコンのイラスト。

2014年11月25日 (火)

写真集「アメリカ歴史技術博物館」

Cimg8123 先の11月11日の記事(右サイドバーのカレンダーより、どうぞ)で、「日本の原始美術」全10巻のしまい、「装飾古墳」を紹介した時、約束した通り、新しい写真集シリーズを紹介する。

 講談社「世界の博物館」全23巻(箱入り)である。

 まず第1巻「アメリカ歴史技術博物館」(1989年・4刷)を紹介する。

 アメリカの移民の始まりよりの歴史と、技術開発の歴史が示される。

 写真494枚のうち、多くがカラー写真である。

 写真集を見る場合、解説をどれほど読むか、という問題がある。

 僕は専門的な関心はないので、解説はできるだけ読み過ごしたい。

 家庭用電器製品、鉄道と自動車、ジャーナリズムの発展の歴史は、アメリカらしいと感心するところ大である。

2014年11月24日 (月)

「コスモス」12月号

 今月17日に届いた結社歌誌「コスモス」2014年12月号の、いつもの所を読みおえる。

 初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」など。

 12月号では、「月集」を早く読む必要があった。その訳は、「コスモス」来年号を読む方には、わかる筈である。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「COSMOS集」より、山口県のS・敏夫さんの「立体の良し」5首より。

そちこちに妻の残せし匂ひあり逃げるがごとく庭の草引く

 部屋には亡き妻の匂いが残っていて、淋しく、悲しく、耐えがたくなるのだろう。

Photoフリー素材サイト「足成」より、人参の1枚。

2014年11月23日 (日)

島木健作「赤蛙」

 Google Play ブックスより青空文庫発で、島木健作の短編小説「赤蛙」をタブレットにダウンロードし、読みおえた。

 同じようにして前回に読んだ「エッセイ3編」は、11月18日の記事(その月中は、右のカレンダーの日をクリックすれば、その日付けの記事が開く)で、紹介した。

 「赤蛙」は再読である。高校文芸部員時代、同級生のM・晴美さんと「島木健作の『赤蛙』って、いいよねえ」と、1年先輩のA・洋治さんに告げると、彼は苦笑いしていた。

 「赤蛙」は、島木健作(1903・9・7~1945・8・17)らしい遺作である。

 彼は苦学して大学に入るが中退して、労農運動、検挙、転向を経て、肺結核で敗戦2日後に亡くなった。

 ともかくも生き延びて来た僕は、赤蛙が最後に力尽きて流される様子には、共感できない。

 僕には彼の長編「生活の探求」(正・続)を読みたい気持ちがある。

Photo庭の公孫樹の黄葉を撮る好ポイントは、敷地の外にあった。

2014年11月22日 (土)

水原秋桜子「残鐘」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、6番めの句集、水原秋桜子「残鐘」を読みおえる。

 先月10月29日付けの、久保田万太郎「草の丈」の記事(←リンクしてある)に継ぐ。

 原著は、1952年、竹頭社・刊。1950年秋~1952年秋の作品、448句を収める。

 戦争責任論、第2芸術論の嵐が去り、生活も落ち着いたのだろうか、小春日和のような長閑さである。

 これでは、失われた20年などを経た、今の僕たちを打つ衝迫が少ない。

 ただし1952年の還暦あと、医業を捨て俳句に専心して精進したと、解説にあり、その成果を読んでみたい。

 以下に5句を引く。

鰯雲こゝろの波の末消えて

鷽の来てあけぼのゝ庭に胸赤し

山雲の真白雲立ち汗わする

夏潮の紺ぞ匂へる大鎧

萩咲けり浅間をのぼる雲みだれ

Photoフリー素材サイト「足成」より、キャベツの1枚。

2014年11月21日 (金)

斎藤史「密閉部落」

 大和書房「斎藤史全歌集」(1998年・5刷)より、第6歌集「密閉部落」を読みおえる。

 原著は、1959年、四季書房・刊。1953年~1959年の作品、531首。

 この前の第5歌集「うたのゆくへ」は、先の10月26日の記事(←リンクしてある)で紹介している。

 1953年7月、バックボーンでもあったらしい父が亡くなり、史の心境に変化があったようだ。また長野県に来てより、14年が経ち、東京へ戻る事なく、住み続ける思いもあるようだ。

 題名作の「密閉部落」はフィクションの、3章にわたる大連作である。平家落人が山中に住みつき、貧と近親結婚から衰え、ダム湖の底になる事となって、離散してゆくというストーリーである。

 この大連作は、全部を読む必要があり、引用歌には引いていない。

 以下に7首を引く。

内側にもろく崩れてゆくわれに今日の余光は黄色すぎたり

サヨナラとかきたるあとの指文字はほとほと読めずその掌(て)の上に(七月 父死す)

酔ひみだれやがてうつ伏す肩のあたり埃の泛(う)きしジャンパーを着て

ゆがみたる花火たちまち拭ふとも無傷の空となる事はなし

もろき平和なりといたはれ 黄の麹密に育てて冬の味噌蔵

餅の黴(かび)こそげつつ居り食ひこみし黄なる赤なるをことに憎みて

或日わが陰画(ネガ)の山野を行くために時間借りして乗るロシナンテ

 (注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります)。

Imgp0762庭に咲いた、早咲きの白椿1輪。

 

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート