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2015年1月の31件の記事

2015年1月31日 (土)

岡本かの子「母子叙情」

 Google Playブックスより、岡本かの子の小説「母子叙情」を、「青空文庫」発でタブレットにダウンロードし読みおえた。

 同様にして読んだ岡本かの子の小説は、先の1月8日の記事(←リンクしてある)、「巴里祭」以来、6作めである。

 1家がヨーロッパ外遊より帰国する前、パリに美術修業のために置いていく息子との別れの直前の様子。日本で息子に似て見えた青年との交際。パリから息子の先輩画家が来日して、展覧会を催すなど夫婦しての活躍。おもに3つの件が描かれる。

 母親の息子を想う心、という事にはなっているけれど、一貫したテーマは無いようだ。

 また表現は豊かとはいえ、内容は私小説的であり、長編ではあるが感興が弱かった。

 まだタブレットには、彼女の小説を何編かダウンロードしてある。ちくま文庫版全集の端本、3冊も持っている。

Orchid535212_1920フリー素材サイト「Pixabay」より、コチョウランの1枚。

2015年1月30日 (金)

贈られた詩集6冊

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 機縁があって、前川幸雄氏より、6冊の詩集を贈られた。氏は詩人、漢文学者、現代中国詩翻訳者、教育者として活躍している。以下に列挙する。

  1. 「西安の詩人たち」(副題「長安詩家作品選注」、前川幸雄・著)。
  2. 「赤 私のカラー」(張虹・著、前川幸雄・訳注、王少英・訳)。
  3. 「田奇詩集」(前川幸雄・訳)。
  4. 劉斌「櫻梅集」(前川幸雄・馬国梅・睦幸子・共訳)。
  5. 「大地への恋」(田恵剛・著、前川幸雄・訳)。
  6. 「西安悠遊」(前川幸雄・著、易洪艶・韓率・訳)。

 機会をとらえて1冊ずつ読了し、ここに紹介したい。

2015年1月29日 (木)

「その一集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号の、昨日の「月集シリウス」読了に続き、それに次ぐ「その一集」を読みおえる。

 特選(5首掲載)は45人、多くは3首掲載である。

 この「その一集」は、「コスモス」会員の中で最も人数が多く、「『コスモス』会員の吹き溜まり場」と揶揄されもする。僕も何とか抜け出したいが、昇級は難関である。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。S・珠美さん(*)の特選5首より。

コンビニが建つと言われて半年が過ぎた空き地に秋の虫鳴く

 未着工の空き地、未完成のままの建物、廃墟建物、等が日本には多いのだろう。

Wildorchid322744_1920フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月28日 (水)

「月集シリウス」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号より、トップクラスの「月集スバル」(1月25日の記事を参照されたし)に次ぐ、「月集シリウス」を読みおえる。学ぶ事は多い。

 毎月7首出詠、4首あるいは5首が掲載される。

 4首の人と5首の人は、半々くらいであり、特選5首欄もある。聞いた事はないが、熾烈な競争だろう。

 さらに上の選者を目指す人には、厳しい試練である。

 付箋を貼ったのは、次の1首。M・陽子さん(*)の5首より。名前のあとの*は、新かな遣いの表示である。

本屋へはひとつ上ってパン屋へはもひとつ上る段丘の街

 懐かしい街を、リズム良く詠んでいる。

Orchid213171_1280フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月27日 (火)

斎藤史「秋天瑠璃」

 大和書房「斎藤史全歌集」(1998年・5刷)より、第10歌集「秋天瑠璃」を読みおえる。

 1月18日の記事(←リンクしてある)、第9歌集「渉りかゆかむ」に継ぐ。

 原著は、1993年、不識書院・刊。505首。

 この全歌集の仕舞いの歌集である。

 斎藤史(1909年~2002年)にはこの後の歌集に、「風翩翻」(2000年、不識書院・刊)、「風翩翻以後」(2003年、短歌新聞社・刊)がある。僕は両冊を読んでいるけれど、このブログには記事がなく、2007年4月以前の読書と思われる。

 歌集「秋天瑠璃」より、7首を引く。

短歌とふ微量の毒の匂ひ持ちこまごまと咲く野の女郎花

家族とふ枷なくなりし身の今日の終りにて睡くなるまで寝(い)ねず

老獪の顔となりたる猫に遭ふ幼くて日々膝に乗りしに

ヴィールスはしづかに栄え電流のごとき痛みに我をいたぶる

青く透くヒマラヤの芥子夢に来てあとの三日をこころ染めたり

矮鶏(ちやぼ)抱けば猫よりかろく淡泊にて鳥はさびしき生きものらしき

われのベッドに坐りたくてならぬ雌鶏の してやつたり今日卵産みたり

  注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります。

Orchids272050_1280フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月26日 (月)

再度、「万両」

Imgp0815 前回の万両の写真は、カメラのフラッシュ発光による影のため、見映えが良くなかった。

 そこで再度、家の万両の写真をアップする。

 今度は朝日を受けて、軒下で撮った。

 昨年の写真と比べると、下葉が落ちているようだが、常緑木としても、やむをえないのか。

 広辞苑に拠ると、高さ約1メートルとあるが、この株は50センチに達していないと思われる。鉢植えで、無理がかかっているからだろう。

万両

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 万両の実がほぼ赤熟した。

 昨年は2月16日の記事(←リンクしてある)、「シンビジウムと万両」で紹介した。

 左の写真は、鉢より上のほぼ全部分、右の写真は近寄って撮ったものである。

 鉢は内玄関の靴箱の上にある。

 磨り硝子越しの日光と、室内灯の光だったため、カメラのフラッシュが発光して、翳るなど見えにくい写真となった。

2015年1月25日 (日)

「月集特別作品」と「月集スバル」

 結社歌誌「コスモス」2015年2月号より、初めの「月集特別作品」と、それに次ぐ「月集スバル」を読みおえる。

 「月集特別作品」は、「月集スバル」と「月集シリウス」の特選欄みたいな所だ。「月集スバル」より(既にトップクラスとして顕彰されているので)2名、「月集シリウス」より10名が、各5首ずつ載る。

 「月集スバル」は、選者または選者経験者の欄で、5首提出し無選で5首が載る。

 「月集スバル」で僕が注目したのは、小島ゆかりさんの次の1首である。

ゆふぞらに天の焚火が燃えるからそこに集へよ虐待死の子ら

 虐待されて死亡した子供たちの報道に、心の痛みを表わす極限だと思う。文学としては極限の表現である。

 あとは医学と政治の問題だろうか。

Orchid516769_1920フリー素材サイト「Pixabay」より、洋蘭の1枚。

2015年1月24日 (土)

詩誌「水脈」52号

Cimg8208 福井詩人会議・水脈から頂いた詩誌、「水脈」52号を読みおえる。

 1月19日の記事、「届いた3冊」で紹介した内の、1冊である。

 2014年12月31日・刊。

 8名14編の詩、他に俳句・短歌・小説・評論、等。

 戦争の悲惨や、現実の変革を訴えている。

 文学で前向き、ポジティブなのも危ういと思う。退廃に惹かれるのも人間的である。

 S・周一さん、N・としこさんの詩が見えない事は淋しい。

 I・信夫さんは評論「すずこ記 続続・1」4ページを載せている。詩人・中野鈴子を追って、ライフワークを自覚しつつ、どこまでも歩み入る執念を、僕は感じる。

2015年1月23日 (金)

杉山岳陽「晩婚」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、10番めの句集、杉山岳陽「晩婚」を読みおえる。

 先の1月17日の記事(←リンクしてある)、加藤知世子「冬萠」に継ぐ。

 原著は、1953年、竹頭社・刊。1949年~1952年の、327句を収める。

 杉山岳陽(すぎやま・がくよう、1914年~1995年)は、戦災で財一切を失くし、翌年には両親を亡くした。

 石田波郷の勧めで上京した頃の「流離」、当時は晩婚の37歳で妻を得、長男を得た喜びを吟じた「櫟かげ」の2章を立てる。

 レトリックはありながら、正直な句である。戦前・戦後を通して大家、という俳人より余程良い。

 以下に5句を引く。

野火遠し膝折牛のやがて立つ

妻を得て秋風をきく泪かな

晩菊のかなしく妻を擁きけり

風たちて身重の妻の銀河さす

秋風のけふよりわれに妻子あり

Aフリー素材サイト「足成」より、南天の1枚。

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