「O・ヘンリ短編集(三)」
先の3月20日の記事(←リンクしてある)、「同(二)」に次ぐ。
新潮文庫、1993年52刷。15編を収める。
O・ヘンリ(1862年~1910年)のおもな創作時期は最後の10年間で、生涯に381編の短編小説を書いたとされる。
再婚した妻ともうまくゆかず、ニューヨークのアパートで単身活動し、肝硬変で亡くなった。
巻頭の「最後の一葉」は、僕が読んだうちで、最高の作品だろう。創作家は、1人を救えればよい。
この「(三)」には、メルヘン調の作品が多いようだ。
救いの王子や、ハッピーエンドの物語が、犯罪の要素を交えたりしながら、展開される。
これは作者が幸せであった訳ではなく、危機の表現だったろうと考えられる。
これで新潮文庫の、この3冊シリーズのしまいである。
コメント