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2015年10月の31件の記事

2015年10月31日 (土)

「宮英子追悼特集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号より、「宮英子追悼特集」を読みおえる。歌壇より、結社内より、多くの声が寄せられている。

 宮英子氏は、「コスモス」創刊者・宮師の夫人であり、宮師の没後、「コスモス」編集兼発行人となり長く務め、歌集11冊、各賞、他、歌人としても活躍し、今年6月に逝かれた。

 <宮英子さんを偲ぶ会>での岡野弘彦氏の献杯の辞、小野寛氏の言葉、遺族の方の挨拶をまず収める。馬場あき子、来嶋靖生、篠弘、佐佐木幸綱、伊藤一彦、日高堯子、永田和宏、香川ヒサ、池田はるみ、栗木京子、塩尻親雄、各氏の追悼文は、深い思いを籠めている。

 「宮英子作品七十首抄」(桑原正紀・選)、「歌との出会い」(宮英子「八十八夜詠」後記より)も重要だ。狩野一男・編「宮英子年譜」は、これからに渉って貴重である。

 「思い出の宮英子氏」では、「コスモス」内より15名が、思い出を振り返っている。

 また評論2編、桑原正紀「献身と自己解放」(副題「宮英子論Ⅰ(『婦負野』~『アラベスク』))、福士りか「寂しくて、そして華やぐ」(副題「宮英子論Ⅱ(『西域更紗』~『青銀色』))が、歌集に沿って評しつつ、力作である。

Photo

「フリー素材タウン」より、大菊の1枚。

2015年10月30日 (金)

角川「短歌」11月号・Kindle版

Kindle Amazonより、角川「短歌」2015年11月号・Kindle版を、10月26日に(発売は25日。今月は日曜日に当たるので、どうだったか)、Kindle for PCで購入・ダウンロードし、タブレットに同期した。

 価格が、670円より723円に値上がりしている。「角川短歌賞 発表」の増ページに拠るかと思ったが、旧・10月号も724円に値上げされている。ほぼ8%なので、今更だが消費税分という事か。

 初めから読み始めているので、まだ読んでいないのだが、「第61回 角川短歌賞 発表」が楽しみで、大いに期待している。

 電子雑誌の場合、ある部分を飛ばして読み、あとで戻る、という読み方が難しい。もちろん目次ページがあるので、そこから読みたいページへ飛べるのだけれども。メモを残す必要があるかも知れない、初心者の僕の場合は。

2015年10月29日 (木)

シクラメンと山茶花

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Photo_2

 先日、ホームセンターでの買い物で、真紅のミニ・シクラメン1鉢も買った。

 写真は軒下でだが、ふだんは内玄関の靴箱の上の、受け皿に置いてある。

 莟が2つ上がっているので、咲いてほしいな、と思っている。

 庭で八重山茶花が咲き始めた。弁の外側がピンク、内側が白の花である。

 赤花、白八重花の山茶花の木もあるので、咲いたならここで報せたい。

2015年10月28日 (水)

「その一集」特選欄・読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号より、「その一集」の特選欄を読みおえる。

 9名の選者が、各5名を選び、各5首(稀に6首)を載せる。

 この特選欄は、名誉だけでなく、次の「月集シリウス」へ昇級するための基準(2年間に8回以上)ともなる。他に結社内外の短歌賞を得た場合も認められるが、共に非常な難関である。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。I・毅さんの5首より。

書斎なき<ジプシー歌人>きのふ居間けふはファミレスあしたはどこへ

 <ジプシー>の見做しが面白い。僕は、書斎(居間を転用)、応接間、寝室、パソコン室(広縁のような所)までありながら、大きな活躍を出来なくて恥じ入るばかり。

Photo「フリー素材タウン」より、懸崖菊の1枚。

2015年10月27日 (火)

村野四郎「亡羊記・拾遺」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、「亡羊記・拾遺」16編を読みおえる。

 「亡羊記」については、今月22日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 「拾遺」では本集よりも、真情を述べているようである。

 中でも僕は、「小さい冬バラに」に注目する。全3連15行より、最後の連の4行を引く。

  (前略)

とじこめられた匂よ 未来よ

寒気のなかの血まみれよ

そのまま凍えて

宝玉になれ

  (後略)

 咲かぬまま萎れる紅薔薇の莟に比喩して、弱者への思いが洩れた。彼の詩で、初めてと僕は思う。

 「大きな青い石」では、旧家意識を見せているのだが。彼は戦前・戦中からの詩人らしく、1960年7月、日本現代詩人会(改称)初代会長になっている。

Photo_2

「フリー素材タウン」より、大菊の1枚。

2015年10月26日 (月)

「月集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年11月号を読み進んでいる。

 本の到着は、ここの10月20日の記事で報せた。

 「月集」と、まとめて呼ばれる欄を読みおえる。「月集特別作品」、「月集スバル」、「月集シリウス」の3欄である。

 6月に逝かれた宮英子(みや・ひでこ)氏への追悼の歌がある。

 「月集」の歌には、華というか、艶というか、ある勁さがある。自信だろうか。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「月集シリウス」のY・裕子さんの4首より。

若き日の夢には逸れし日々ながら独りの卓にワインたのしむ

 僕にも、それなりに自足の日々は、訪れるだろうか。

Photo

「フリー素材タウン」より、大菊の1枚。

2015年10月25日 (日)

詩誌「青魚」No.83

Cimg8587 同人詩誌「青魚」No.83を読みおえる。

 詩誌が届いた事と自分の作品の事は、今月17日の記事(←リンクしてある)、「手許の3冊」で報せた。

 2015年10月20日、鯖江詩の会・刊。

 36ページに、散文を含め寄稿者は17名にのぼる。アメリカ人の英語の詩、海外在住日本人の詩も含む。

 T・幸男さんの「ダダイスト散木(さんぼく)の流謫(るたく)のあらまし」は、B5判6ページ(2段組みだが下段は、「高橋新吉全集」等と、「青魚」の表紙を飾った絵、等の写真が占める)にわたる長詩である。

 ダダイスト樗檪散木(ちょれきさんぼく)を名乗って、少年時代から現在に至る生を描く。単語等のルビに、ラテン語、英語等を混じえて特異である。

 故・詩人、現・同人の活動、著作等も紹介しており、バックアップが強くなった。

2015年10月24日 (土)

若山牧水「路上」

 AmazonのKindle本「若山牧水大全」より、第4歌集「路上」を、10インチ・タブレットで読みおえる。

 今月8日の記事(←リンクしてある)、「別離」に継ぐ。

 原著は、1911年(明治44年)、博信堂書房・刊。483首。

 牧水は、歌集「別離」の名声、編集する「創作」の隆盛、の中で、恋愛・健康・創作等に苦悩した時期という。旅の歌が多く、苦悩を表わす歌も収める。

 以下に7首を引く。

海底に眼のなき魚の棲むといふ眼のなき魚の恋しかりけり

手を触れむことも恐ろしわがいのち光うしなひ生を貪る

摘草のにほひ残れるゆびさきをあらひて居れば野に月の出づ

ゆふぐれの河にむかへばすさみたるわれのいのちのいちじろきかな

衰ふる夏のあはれとなげやりのこころのすゑと相対ふかな

かたはらに秋ぐさの花かたるらくほろびしものはなつかしきかな

山かげの小川の岸にのがれ来てさびしやひとり石投げあそぶ

Photo「フリー素材タウン」よりの、大菊の1枚をトリミングして。

2015年10月23日 (金)

「詩集ふくい 2015」

Cimg8597 正式名称「年刊 詩集ふくい 2015 第31集」を、ほぼ読みおえる。

 入手は、今月19日の同題の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 或るグループが殆んど参加していないのは残念だ。

 60名69編の詩と、「’14ふくい詩祭 記録」を読む。

 中でもK・八重さんの「霜月のお朔日(ついたち)」と、F・則行さんの「お見舞い」に惹かれる。共にベテランながら、生活をうたっている。

 創作をしていると、感性が上昇するのは自然だが、足が地上(生活)に着いたままなのは、貴重であり有意義だとする説がある。

 僕が帰郷して生活の苦楽に目覚めたこと、短歌も詠んでいること、2人同人誌「群青」の相棒・こぐま星座さんの推しなどで、(俳句、短歌に継ぐ)第3の大衆詩型と称して、ソネットで生活を書いており、自己擁護でもある。

2015年10月22日 (木)

村野四郎「亡羊記」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、第9詩集「亡羊記」を読みおえる。

 今月13日の記事(←リンクしてある)、「抽象の城」に継ぐ。

 原著は、1959年、政治公論社・刊。序詩+41編+後記(10ページ)を収める。

 翌年、第11回・読売文学賞を受賞。

 題名からして、懺悔のようだが、そうではない。「詩人の彫像」では、「神の名や人間の愛/そうした魂の好みもかたらない」と書いている。「神の名」や「人間の愛」は「魂の好み」ではなく、ぎりぎりの人間が縋るものだ。現代、ぎりぎりでない人間がいるだろうか。彼には他に、縋る資本があったのだろう。

 「骸骨について」では、「ある時 ぼくの形而上学の中を/こっちに向いて歩いてくるのだ」と書く。後記でもそうだが、彼らの世界は観念的であり、そこからの脱出を願う。僕としては、1歩後退して、現実の生活に戻れば良い、と考える。僕の書いているソネットも、「俳句、短歌に継ぐ、第3の大衆詩型」と考えている。

Photo

「フリー素材タウン」より、大菊の1枚。

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