牧羊社「現代俳句選集Ⅵ-8」西山冬青・句集「常念快晴」を読みおえる。
箱、帯、本体にビニールカバー。
彼は昭和17、8年頃に句作を始め、平成元年にようやく、この第1句集を上梓している。俳誌「穂高」を長く主宰し、昭和48年に、仲間に主宰の座を譲った。
比喩や新しい見立てなどの芸が目につくが、僕の好む句は、家庭の日常を吟じた作である。以下に、数句を引く。
畳這う蟻に九月の山の風
寒卵餓えつつ産めり妻の留守
新藁に乗せて日和も売られたり
無月かな些事つぶやいて庭の妻
これで、20冊ほど僕の持っている「現代俳句選集Ⅵ」シリーズも、全部を読みおえた。
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